我が家の旦那様は小林さんがあまり好きではないのです。

ネタが嫌いとか 容姿がどうのとかではなくて

自分と同じ匂いを感じてしまうらしいのです。

若干のメンヘラ的匂いを痛いほど感じ取ってしまうから

賢太郎禁止条例が存在するのですよ。我が家では。

それでもたまーに二人で見るのは たかしと父さんや路上のギリジン

この作品だけは もう手放しで抱腹絶倒のポーズ

そうだよな 片桐さん完全放牧状態 超癒し系

ただ、ポツネンは絶対的に無理。あの孤独臭に耐えられないようです。

わかる気がするけど…

ですから 夫の前で小林さんの作品見てると 超怒られるの。

 

そんな旦那さんがじっと見入っていた作品があります。

林檎さんの『百色眼鏡』

先日うっかり夫が帰ってきたときにつけていたんだけど、怒られなかった。

むしろひきずり込まれている感じでした。

その時はこれといって作品に関する話をするでもなく終わりましたが

就寝前に江戸川乱歩の本引っ張り出してきて読んでおりましたよ。

------で、「あれは いいね」と一言。

……うわぁ…ちょっとうれしいけど ちょっと残念

だってあれ 小林さんの作品じゃないんだもの 出てはいるけど…                             

                                                                            (序論)

 

大正ロマン的雰囲気大好きで

映画の『RAMPO』に出てきた羽田美智子さんに一目惚れした人なので

百色眼鏡に出てた小雪さんにもぽーっとしたようです。

ただ、私としてはあの短編の意味が分からず不全感にさいなまれ

「短けーし、意味不明だし値段高いんじゃないかこれはよぉ~~」ってぶりぶり文句たれておりましたんで

「どう思う?」とダイレクトに問うてみた。

「いや、短くてもあれで十分わかった。よくできてる。」…そうです。

昼と夜の二人の女の謎を謎のままに日々を過ごしていた天城が

駒形にせっつかれて その名を決めた瞬間にその日々が終わる。

ああ、これは名という「呪」(しゅ)であったのか

陰陽師みたいだな

そして あの鈴の音色も一つの呪

そこを動いてはいけないという呪らしい

読解力のない私には難解すぎて さっぱりわからなかったけど

夫の解説で非常にすっきりとしました。

わからないままにすっきりできました。

これではすっきりせん!とおっしゃる方には申し訳ないが

これはすっきりしなくていいのですよ。

解釈は自分次第。あなたのおっしゃることが本当のこと。

なるほどそれでいいのですね。

百色眼鏡(万華鏡)は覗くたびにその形が変わるものなのですから。

その時に見えているものが真実。

以来、高いじゃん!と怒っていた この短編キネマは

私の中で珠玉の一作となりました。

                                                                     (概論)

 

この作品の中には決して肌の露出もなければ、愛だの恋だのと言うセリフもない。

それなのに昼のはかなげな女の表情と、夜の大きく襟を抜いた女の後姿と、夜更けに節穴を息を凝らして覗く天城の姿と、膝枕された天城と思しき男の足がもそっと動くシーンだけで

この上もなく淫靡な感覚に襲われる。

ヱロティシズムとはこういうことであるのか。

今どきのダイレクトな表現より 色を抑えることでむせ返るほどの香りを感じる。

しばし夫婦で耽美談義に花を咲かせました。

                                                                    (各論)

 

それにしても書生姿の賢太郎さん素敵すぐる!

賢太郎ファンには根強い人気があるようですね、天城さん。

丸メガネのかわいい感じもいいですが、「寝過ごした!」って飛び起きた時のもっさもさの寝起き顔とちゃんちゃんこがツボりました。

賢太郎さんはどんな髪型でもイケてますが、寝癖頭が一番似合う気がするよ。

小宮山慎太郎太風いいよね。                             

                                  ※ただし花柄さん風パーマを除く(持論)

 

 乱歩話のついでに  今度夫が自分の母校の江戸川乱歩記念館に連れて行ってくれると言い出しました。   へぇ~~~あるんだ~~~実際~~~♪            行ってみてぇーーー!

話のついではいろんなところに飛び散って楽しいことになりそうだ。まさに百色眼鏡だ。

さらには 全く興味のなかった林檎さんのあの歌を何とか歌えるようにがんばってみることにしました。

超難しいこの歌を同僚たちとの飲み会で歌い上げれば羨望のまなざしで見られること請け合い!                                                                            

                                                                            (勿論)