ひろむside
怒涛の1日だった…
自分の頭でなかなか整理出来ない。
一人になりたい時に来てしまう場所、
そう、この場所はトンボを追いかけて池に落ちた公園。池には小さな噴水もあって寒い日には水がカチカチに凍ってしまう。春にはメダカが泳いだり、四季の移り変わりを感じられて、、
今日もお気に入りのベンチに座った
夕日が池の水に反射してキラキラしてる。
こんな日だったかなぁ…
トンボを見せたくて、捕まえようとした僕は見事に池にダイブした。スローモーションのようにトンボは僕の手から逃げたあと瞬間の出来事だった。
池に落ちた僕をびしょ濡れのまま、おぶって家まで連れて帰った男の子は
僕の母親にぺこりと頭を下げた。
「ごめんなさい。俺が責任をとります!」
母親曰く、めちゃくちゃ真剣な顔をして言うから
本気で惚れちゃうわぁって、言ってた程だ。
忘れてたなんて、嘘だ、
覚えてるに決まってるじゃないか、、
だけど…、本当は二人で公園に行く筈だったのは
僕の妹だった
双子の妹は来夢という。
幼稚園に入る前から病気がちの来夢は、数えるくらいしか幼稚園に行けなかった…
今、思えば双子で生まれた兄は元気に幼稚園に行く
姿を見てどう思っただろうか
もちろん、妹と似てるから間違えられる事も多くて僕は少しイヤだったけど来夢は幼稚園であった出来事を聞くことが大好きだった。
体調が少し良くなって、来夢が幼稚園に通園した日の嬉しそうな顔は忘れられない
「明日、公園で遊ぶ約束してきた!」
「まぁ、誰と約束したの?」
「リーくんっていう子」
来夢は楽しそうに話しだした。
「幼稚園でね、お花を見てたら、
昨日、公園でたくさんキレイな花が咲いてたよって
リーくんが言ったの」
「来夢ね、リーくんに公園に行きたいなって言ったら明日ね約束したのよ」
人見知りの来夢が公園に行きたいなんて、自分から言うなんて驚いた、いつも僕の後ろに隠れてたのに
リーくんっでどんな子だろう?