りひとside
昼休みになっても前の席の金髪の子は、ピクリともせずに爆睡している、
しかも先生もクラスメイトも誰も気にしていない。
授業中は誰も私語はしないし、ノートに書くシャーペンの音だけが響いてて本気で転校したくなってきた。
「疲れたろ、学食いこーぜ」
隣りの席の後藤が声を掛けてくれて
助かった。いいヤツだな、
しかも学食は男女共に楽しげに笑い合っていて
ホッとした、これが高校生だ!
ん?何故か俺たちを見て女子達が騒めいている
窓際の空いた席に座った途端
「後藤先輩、隣りの席の方は転校生さんですか?」
5.6人の女子が集まってきた。
「そう、カッコいいだろ。池﨑くんって言うの」
キャ〜!キャ〜!池﨑先輩ったら、
マジ、イケメンよね♡
「ああ、皆んな、ウチの高校の王子枠は俺だからね♡」
ウィンクする後藤にさらに女子達の悲鳴が響きわたる。
いや、難関クラスとの差が凄すぎるだろ、
いや、後藤ってヤツもマジやばいだろ、
王子って何なんだよ、、
大夢ちゃんに会えるかも…なんて
絶対に無理だ…