リーside


駅前のカフェに入ったら、すぐに尾崎が手を振ってくれて助かった


「遅れて、ごめん」


ニヤニヤする尾崎の前にクラスの学級委員で

しっかり者の尾崎の彼女がいて横に俯いたままの女の子がいた


「池崎にはさ、もったいないからね」


尾崎の彼女は俺をちょっとだけ睨んだ


何かやらかしたっけ、俺…

課題プリントも提出した筈だよな、


「え〜と、初めまして、、池崎です」


「こ、こちらこそ…忙しい中ありがとうございます河野りなです…」


顔をあげたら

大きな瞳に色白な肌がほんのりピンク色に

染まってて

か、可愛い…マジで可愛いわ、

肩まで伸びた真っ黒なストレートの髪…


今までの茶髪の元カノに見せてやりてーよ

ラインで 何かつまんなーい、だけで

振られて、何がつまんないかさ、結局わからんし

部活も大切、友達も大切だし、、元カノも俺にとっては大切だった…筈だ


「私の中学の生徒会の後輩なの。

真面目で可愛いし、ホントにいい子。

去年のウチの文化祭の軽音部のバンドで池崎に

一目惚れしたんだって。

…りなちゃん池崎のドコがよかったわけ?」


失礼だなぁ、でも、バンドに出た記憶ないし、

まさかの人違いとか…マジ、ショックなんだけど


「あの、、文化祭でバンドの機材の準備とかを

されてましたよね、皆んなの為に一生懸命に頑張ってる姿を見て…素敵な方だなぁって思って…」


「いい子じゃないか、、」


おーい、俺の心の叫びを尾崎が言ってるし、


「よかったら、お友達からでもいいですか?」


「も、もちろんです!」


おい!それも俺のセリフだろって!


「俺も、りなちゃんみたいな可愛い子に言われてみたーい!」


案の定、尾崎は彼女に頬を思い切りつねられて、俺もりなちゃんも笑い合った

ホント、この2人にはいつも助けられてるな。

部活で嫌なことあっても元カノに振られても、

いつも俺の味方でいてくれる


りなちゃんと連絡先を交換して

次の休みの日に出かけようと約束した

スゴいいい子だし、可愛いし、真面目に付き合っていければいいな、

夏休みには4人でディズニーランドに行きたいねーって皆んなで盛り上がった

りなちゃんは、ちょっと安心したみたいでニコニコ

笑っていた、ずっと笑顔にできたらいいな




「そういえば、今日何で遅れたん?」



「あー、木村先生の用事というか…


スッカリ、明日の転校生の事を忘れてた

東京からの謎の訳あり男子…

せっかく、可愛い彼女も出来そうなのに正直、面倒なのは勘弁してほしい


「イケメンだったらいいな〜」


尾崎の彼女に皆んなで大笑いしたけど

俺は何故か…

嫌な予感がしたんだ…