認知症老人への理解を深めるため、パトロール隊の有志は、
社会福祉事務局の松村局長さんから、講義を受けて勉強をしました。
その中で、ロールプレイングの授業があり、駅前交番の土井所長が認知症老人役となり、声掛けをして保護するという想定で行われました。
挑戦したのは、第一地所自治会パトロール隊の堤隊長と嶋本副隊長です。
しかし、土井所長の認知症老人がかなり手ごわく、教えていただいたような声掛けがなかなかできません。
まず、「おばあさん」と呼んでしまったところから大失敗でした。
「おばあさん?おばあさんって誰のことですか?」
とやり返されました。
認知症の方は、身近な記憶からどんどんと無くなり、過去の記憶の方が優先して出て来るため、本人は年を取っておばあさんになってしまったという意識がない方が多いらしいです。
その後は、もうシドロモドロです。
なにせ、土井所長は週に1~2回は認知症老人を保護するということで、認知症の老人に対する対応は経験豊富なため、認知症の方になりきっています。
後ろで見ている嶋本副隊長はその様子がおかしくて、助けるどころか笑ってばかりです。
最後には、堤隊長自ら、
「おい、交代!!」
と嶋本副隊長に哀願しておりました。
しかしこの実習が、実はこれから先の現場で、かなり有効的に役立っていくことになるのです。
こういった地道な勉強の積み重ねが、「自主防犯」へつながっていくのだと思います。





