『お太子くんネットワーク』のブログ

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斑鳩町の自主防犯パトロール隊20組織で結成された「お太子くんネットワーク」
の結成の経緯や活動状況などについて書いてます。

このブログは、平成25年12月12日に斑鳩町内の自主防犯パトロール隊(20団体)で結成された

「お太子くんネットワーク」

の結成の経緯や活動状況などについて紹介していきます。


これから自主防犯パトロール隊を結成しようと考えられている地域の方々や、パトロール隊の継続に悩んでおられる方々の参考になればと考えております。


活動の経緯 目次  



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認知症老人への理解を深めるため、パトロール隊の有志は、

社会福祉事務局の松村局長さんから、講義を受けて勉強をしました。


その中で、ロールプレイングの授業があり、駅前交番の土井所長が認知症老人役となり、声掛けをして保護するという想定で行われました。


挑戦したのは、第一地所自治会パトロール隊の堤隊長と嶋本副隊長です。


しかし、土井所長の認知症老人がかなり手ごわく、教えていただいたような声掛けがなかなかできません。


まず、おばあさん」と呼んでしまったところから大失敗でした。


「おばあさん?おばあさんって誰のことですか?」

とやり返されました。


認知症の方は、身近な記憶からどんどんと無くなり、過去の記憶の方が優先して出て来るため、本人は年を取っておばあさんになってしまったという意識がない方が多いらしいです。


その後は、もうシドロモドロです。


なにせ、土井所長は週に1~2回は認知症老人を保護するということで、認知症の老人に対する対応は経験豊富なため、認知症の方になりきっています。


後ろで見ている嶋本副隊長はその様子がおかしくて、助けるどころか笑ってばかりです。


最後には、堤隊長自ら、

「おい、交代!!」

と嶋本副隊長に哀願しておりました。



しかしこの実習が、実はこれから先の現場で、かなり有効的に役立っていくことになるのです。


こういった地道な勉強の積み重ねが、「自主防犯」へつながっていくのだと思います。




更に、この情報ネットワークのお陰で、可能になったことがあります。

現在、認知症を患った高齢者の徘徊が社会的な問題になっています。


斑鳩町でも、Aの地区で行方がわからなくなった高齢者が、Bの地区を通り越してCの地区まで徘徊していたということはとても多く、高齢者でも非常に遠くまで歩いていくという傾向が見られます。


そんなことから、行方不明老人の捜索にもパトロール隊間のネットワークが非常に効果的なのです


昨日紹介した連絡網を使って、他のパトロール隊員にも行方不明になった高齢者の捜索依頼をお願いすることができます。

また、パトロール隊のリーダの中には、民生委員の方も多くいらっしゃるので、民生委員のネットワークとも連携を取りながら捜索活動をすることができるのです。


ある日、あるパトロール隊の地区で認知症の老女がいなくなりました。

早速、警察から周辺のパトロール隊責任者に連絡をしたところ、隊長が民生委員であったことから、民生委員の連絡網にメールで一斉に捜索の手配をかけてくれました。


その結果、一人の民生委員さんが行方不明になっていた老女を発見してくれたのです。

発見まで手配から1時間もかかりませんでした。


ネットワークの構築にはそういった効果があることを踏まえ、認知症の徘徊老人をパトロール隊員が発見した場合の対応方法について、きちんと勉強しようということになりました。


そこで斑鳩町社会福祉協議会の松村事務局長を講師にお招きし、勉強会を開催したのです。




2つ目の取り組みは、

各パトロール隊の責任者同士が、常に連携を蜜にするため、連絡網を整備したことです。


すでに紹介したとおり、斑鳩町の各パトロール隊のでは、それぞれの地域の特性を活かした活動を推進してくれていますが、それぞれが積極的な活動を展開していても、1つの団体の中での情報のや情報の活用に留まってしまっていると、その防犯力というものは大幅に低下しまいます。


斑鳩町内の1つの地域で犯罪が発生した場合、その地区のリーダーからほかの全パトロール隊のリーダへ、犯罪の情報がメールやFAX、電話などを通じて発信されることで、それを受けたパトロール隊が、独自のやり方で防犯活動を推進してくれてます。



パトロール隊員を増員してパトロールをしてくれるところもあれば、高齢者が被害に遭わないように直接、家を訪ねて注意喚起してくれるパトロール隊もあります。



そうなると犯罪者は「斑鳩町では仕事ができない」ということになります。


犯罪者には犯罪者のネットワークがありますので、

「斑鳩町は地域のネットワークが発達していて仕事ができない。他の地域を選べ」

という情報が発信され、斑鳩町は犯罪者が入りにくい町となるわけなのです。



また、こういうことが繰り返されれば、犯罪者にとって斑鳩町という町は非常に嫌な町になり、反対に住民にとっては、非常に安心で安全な町へとなっていくはずです。



それぞれの地域・地区で発生した犯罪情報を共有することが、最高の「互恵」ネットワークといえるのではないでしょうか。



ネットワークを作るために取り組んだことの1つめは、防犯キャップの統一でした。


斑鳩町内で活躍しているパトロール隊員全員が同じ防犯キャップを被ってパトロールをすれば、犯罪者からすれば、斑鳩町はとても防犯意識が高く結束の固い町だと見られるのではないか?


そのとおりです。

犯罪者からすれば、斑鳩町のどこに行っても、同じ防犯キャップを被った住民がパトロールをしている光景は、とても脅威な光景に映るはずです。


防犯グッズを揃えるというのは、とても効果があるのです。

泥棒側からすると、とてつもない脅威となります。


どうせパトロールするなら、倍の効果を狙ってみよう

ということで、現在斑鳩町のパトロール隊では、同じ防犯キャップを揃えることになりました。



自分が泥棒になったつもりで想像してみてください。

斑鳩町で泥棒をしてやろうと考えたどろぼうが下見のため、法隆寺駅に降りました。

入りやすそうな家を探して歩いていると、同じ防犯キャップをかぶった人が数名パトロールをしていました。

「これはやばい。この場所はやめておこう」

と思い、法隆寺駅から西の方へ歩いて行きました。


すると1キロほど離れた地区でも、また同じ防犯キャップをかぶって歩いている人がいるではありませんか

ここもダメか・・

泥棒は、更に西の方をめざして歩きました。

1キロほど歩いたので、ここなら大丈夫だろと思ったら、また同じ防犯キャップをかぶった人がたくさんパトロールをしています。

「斑鳩町ってとんでもない町だ!!」

泥棒は、斑鳩町での犯行をあきらめて、

隣の町へターゲットをかえたのでした。


というわけで、防犯グッズを揃えるというのは、とても効果があるのです。

泥棒側からすると、とてつもない脅威となるのです。


作業部隊間の交流が活発になったところで、再び斑鳩町全域のパトロール隊の責任者に呼びかけ、第2回責任者会議を開催することになりました。


ネットワーク構築に向けて、活発な意見が交わされました。




その会議で、概ねネットワーク構築の柱が決まりました。

それは次の4つです。

1 防犯キャップの統一

2 責任者連絡網の整備

3 徘徊老人への対応

4 防犯プレートや回覧の共有


私達は、この4本柱を元に、ネットワーク構築に向けて前進することとなりました。



17 斑鳩町全体で防犯活動を! 防犯キャップの統一へ続く