第39話 モーレツ銀行員~第19回特定社労士試験あっせん小問(5)~
ともちゃん:確定申告も終わったでしょ!最後小問終わらせなきゃ!みっしー:前回からもう2ヶ月もたったのかぁ。早いもんだね。ともちゃん:みっしーがのろのろしてるんだよ!みっしー:ともちゃんはせわしないなぁ。みっしー:前回のおさらいだけど、Xさんの意思表示は無効だから、退職したいって言ったことを取り消せるんだよね。ともちゃん:うん。退職やっぱやめ!みっしー:さて、実際の顧問先だとして考えてみて。上司が部下にパワハラした。で、部下がメンタルヘルスで休職した。上司を解雇するのは難しい。この状況で社長が相談してきたとして、どうアドバイスする?ともちゃん:上司よりもまずは部下の復職支援だよね。みっしー:じゃあ、そのアプローチからでいいか。部下の復職支援はどういう風に進めていく?ともちゃん:厚労省が復職の手引き作ってるからそれにしたがって復職支援プログラムを組んであげるのよ。みっしー:なるほど。大雑把に教えて。ともちゃん:いいよ!まずは治療に専念してもらって、復職の意思を確認して、環境を調整するの。みっしー:環境の調整って?ともちゃん:元の人間関係や職務に戻れるようにとか、パワハラしてた上司と一緒にならないようにしたりとか。みっしー:そこでストップ。このパワハラ上司Xは、部下と一緒にはしちゃいけないよね。ともちゃん:当たり前でしょ。子供じゃないんだから謝ってこれから気をつけますでは済まないからね。みっしー:厳しいなぁ。みっしー:今回、解雇は認められなかったけど、解雇より軽い懲戒処分だったら有効だったかな。例えば減給とか。ともちゃん:そりゃ客の前で罵倒したり頭はたいたりして、あげく休職させたんだから、減給ぐらいは認められてもいいんじゃないかな。みっしー:私もそう思う。ともかく、相応なものなら罰を与えること自体は問題ないわけ。そして、復職予定の部下Aさんから引き離す必要がある。ともちゃん:左遷や。みっしー:窓際に追いやる必要はないけど、会社に残るための条件として支店や部署を移ることは提案できそうだし、Xさんも納得してくれそうだ。ともちゃん:地方銀行だから支店もいくらでもあるだろうしね。みっしー:ちなみに減給の上限は?ともちゃん:1日分の給料の半分だよ(労基法91条)。みっしー知らなかったでしょ。ともちゃん:ちなみに、Aさんに対する謝罪文書かせるのはだめなの?会社に対する反省文だと「戒告」処分になるからちゃんと懲戒処分としてやらなきゃだけど。みっしー:やり方と目的によるよね。Aさんが欲しがるかの問題はさておき、会社は中身全く見ないからAさんに向けて謝罪文でも書いたらどう、ってのなら単に促しただけだからセーフだろうね。他方で、会社も中身見ますとか、絶対に書きなさいってのなら、「戒告」と評価される余地が出てくるから危ないね。ともちゃん:なんでもさじ加減ね。みっしー:ちなみに、それを言い出したら、Aさんにかかった治療費はどうなる?ともちゃん:Xさんが払うべきだよね。みっしー:慰謝料は?ともちゃん:払うべきだよね。みっしー:こうやってどこまで介入すべきかの問題が出てきちゃうのよ。ともちゃん:会社はどっちの立場にも立てないね。みっしー:だとしたら最初から介入しないか、「Aに対する民事上の責任を誠実に果たす。」って約束してもらうのが限界かな。みっしー:最後に、いつも検討してる、「お金払って辞めてもらう」って方向性での和解はどうか検討してみようか。ともちゃん:パワハラはこの世からなくすべきだけど、この人多分優秀だよ。嗅覚がそう言ってる。みっしー:今回解雇されてるけどね。ともちゃん:だって給料65万5000円よ?通勤費とか社会保険とか含めたらイソ弁時代のみっしーの倍はいくよ?みっしー:私の給料をばらすのやめてくれないかな。ともかく、仮にお金積んで辞めてもらうにしても相当な額になりそうだね。ともちゃん:でもパワハラに金払うのは許されないよ。みっしー:何よりも問題なのが、今回の件だけなのよ。ともちゃん:あー。普通こういう人は他にも問題起こしてるから。みっしー:そうそう。大体解雇トラブルが起きるのって普段から問題起こしてる人だけど、今回のXさんにはそういう背景がないでしょ。ともちゃん:それは試験問題だからだよ。みっしー:そんなあけすけな。ともかく、今回だけのことでお金積んで辞めてもらうっていうのはどうもやり過ぎだろうね。Aと接触しない業務への配置転換を踏まえた復職を求める。前記のとおり解雇は取り消されており無条件で元の職場に戻ることができる。しかし、Aが復職するにあたっては、Xとの接触を避けさせることは必須である。また、Xの本件パワハラ行為については、解雇はともかく相応の懲戒処分をすることができた。Yは地方銀行であり配置転換も可能だと考えれるし、減給を伴う降格も受け入れればY社が復職を受け入れる可能性も高まる。よって譲歩した内容での復職を提案すべきである。(222文字)_________________最後までお読みいただきありがとうございました。これで19回解説終わりですね。次は20回かな、遡るかな。