3000万円の住宅を購入するのに、現在4000万円の預金があります。

現金で購入するのと、住宅ローンを組むのとどちらがお得でしょう?


住宅ローンを借入すれば、金利がかかるし、担保の設定費用などの諸費用もかかります。

ただし、今なら、10年間毎年1%の支払った税金が戻ってくるという住宅ローン控除があります。


このブログを書くにあたり、ネットで調べてみましたが、現金で購入するに勝るものはないという考え方が優勢です。

住宅ローンの金利が1%前後では、金利や諸費用を含めれば住宅ローン控除の1%超の支払になってしまうやろというものです。


しかし、この考え方には住宅ローンを借りた場合に、使わなかった現金を運用するという視点が抜けています。


現在、私の知るところでは住宅ローン10年固定金利は安ければ1.2%で借入できます。

保証料を金利に含むタイプでは1.4%で借入できます。

借入金額3000万円 期間35年 金利1.4%(保証料金利内包型)のローン諸費用は、手数料、印紙代、登記費用で、40万円はかかりません。


一方で、ローンを組んであまった3000万円を10年国債に投資したとすると、金利は1%超あります。

単純に考えて、1%としても税引後で毎年26万円の利子が手に入ります。10年間で260万円です。


ローンを組んだ場合は、住宅ローン金利1.4%と諸費用約40万円を支払かわりに住宅ローン控除1%と約260万円の利子が手に入ります。


現金で購入した場合は、ローンを組んだ場合に毎月返済すべき金額を運用できるので、毎月約94,000円を10年間積立した場合の利子が手に入ることになります。


どう考えても、住宅ローンを組んで、10年後に繰上完済する方が得だと思います。

※ただし、ローンを組んで3000万円を10年国債で運用した場合には、毎月の返済は別途資金で行う必要があります。

また、ローン控除の1%も支払った税金からの控除なので、支払った税金が少なければ実質1%戻ってくるわけではありません。


個々人の状況により、どちらが得かは違ってきますが、一般的に言えばローンを組んだ方が得だという結論とします。

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住宅ローンで変動金利を選択するか?あるいは固定金利を選択するか?は非常に難しい問題です。

どちらが良いかはどうかは後になってみないとわかりません。

ただし、金利の選択にとって重要なことは、もちろん今後の金利動向を予想することも重要ですが、今後の住宅ローンの返済計画にあった金利選択にすることが重要です。


今回は、全期間固定は多くの場合に損となるケースが多いことを考えます。

まず、全期間固定金利のメリットは毎月の返済金額が最終期日まで決定しており、金利変動リスクがないという安心感です。その分、金利は変動金利や3年固定、10年固定などに比べ通常高くなっています。


例えば、40歳の方が期間35年で住宅ローンを借りる場合に、実際の計画では60歳の退職時に退職金で完済する予定である場合には実際に借入する期間は20年です。つまり、35年間全期間固定を選択しなくても、20年固定を選択すれば実質は全期間固定になるのです。通常金利は20年固定<35年固定となるので、当初35年固定を選択するのは損ということになります。

あるいは、最近は金利ミックスプランという異なった金利プランで2本立の住宅ローンが可能な金融機関があるますが、例えば3000万円の借入で5年後に500万円返済することが決まっている場合は、3000万円を全期間固定で借りるよりも、2500万円全期間固定と500万円5年固定にした方がお得です。(実際には金利ミックスプランは諸費用が多くかかるので、5年固定の金利水準にもよります。)


また、例えば3000万円35年の住宅ローンで仮に金利2%で計算した場合に2年に1回100万円繰上返済を実施し期間短縮した場合には、約22年で完済となります。20年固定を選択すれば金利変動リスクは残りの約2年のみということになります。


仮に10年固定を選択する場合でも、35年間まるまる借りる予定であれば25年間は金利変動リスクがありますし、これが20年で完済予定であれば金利変動リスクは10年ですみます。


このように、何年で返済する計画かどうかでも、選択する金利プランは異なってきます。


もちろん、全期間固定でもフラット35Sのように当初10年間の優遇がある場合や、民間の住宅ローンでも固定特約期間終了後の優遇幅の違いなど、ほかにも考えることは様々ですが、返済計画をどうするのかを考えることも金利選択の大きな要因だと考えます。

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