母の思い出(1)

僕の母は強い人だった。

 

肉体も、精神もである。

80歳あたりでがんを患い、90歳まで生きた。

 

中でも何が強かったと言えば精神の強さだった。

そのように僕は思う。

 

若いころ友人になった人、

創価学会か大本教か何かの新興宗教の友人が

「自分たちの宗教に入いればご利益がある」

とのたもうたとのことである。

 

で、母はこう切り返した。

 

私は障害を持つ子供を筆頭に、

何人もの子供を育てている。

 

あなたは、そういう境遇でもないのに

信仰で救われると言う。

 

で、あなたは

一所懸命働いている私より

豊かな暮らしをしているか?

 

そうではないよね?

 

であるならば、

現状を見る限り、

あなたの神仏を拝むより、

 

むしろ私を拝み、

私から学んだ方が

よっぽど

ご利益がありはしないか?

 

あなたが勧める神仏より

私を拝む方が

ご利益が

ありそうなものだ。

 

私に手をあわせ、

私を信仰しろ!

 

 

と言って、その場は追い返したそうである。

ただし、その人とは長らく友好関係を続けた。

 

いじょ (`・ω・)ゞ