家のちょっと大きめの鉢植え植物に大きいピーマンが生(な)ってきた。  パブリカというのだそうだ。

俺はイギリス時代、自炊の食材探しにスーパーに行くといつも置いてあった。外国では茄子にせよなんでもお化けだ。おまけに大味だ。  ピーマンのお化けだなと思ったがカラフルで萎びてはいないがどうも新鮮っぽくない。味もイマイチはっきりしないものだから野菜スープの一手で煮立てて食べた。


俺はピーマンが好きだ。あの苦味が、野菜炒め、焼き肉、名古屋定番の卵を薄く敷いた「ナポリタン」をよく引き立ててくれる。その苦味がパブリカにはないから調理が難しいと思っていた。 ところが「試してガッテン」で紹介されたのは本場イタリアや外国では焼いてその甘さを楽しんでいるということだ。おまけに栄養価もかなり高いという万能振りだ。 ピーマンは皮が薄いから焼くと黒焦げになりやすいがパブリカは皮に厚みがありその心配は少なそうだ。

早速スーパーに行ってみると「高い!」。一個百円を軽く越す。イギリスでは高いという印象はなかったから日本が高すぎるのだろう。生産者が少ないのか理由は分からないが俺はその値段の高さに引いてしまった。普及を妨げているものがあるとしたら、間違いなくその値段が理由の一つになるに違いない。


さて我が家のパブリカ、色が緑がかった黄色から黄色、オレンジがかった物も出てきた。女房はオレンジから赤になるという。時間の経過とともに色が変わる。カラフルと思ったのは収穫の時期が異なったパブリカが集められたせいなのか。ピーマンもずっと収穫を待っていると赤く変化するそうだ。色も中の栄養も「貯まる」まで待つ!それはコストも高くなるわけだ。 ただお蔭で女房との会話が増えた。天候の話に加えパブリカの毎日の色の変化、これだったら女房からの返事が来る。


そういえば、俺の最初の車、それはトヨタの800CC「パブリカ」だった。入社してすぐ自動車免許を取得したが、社有車のパブリカを空車のタクシーにお釜を掘り「廃車」にしてしまった。新入社員として赴任したばかりの営業所の所長から「今までそんな馬鹿をやった人間はいなかった。」と散々お説教を食らったものだ。


我が家のパブリカいつ焼いて食わせてもらえるのか?女房は赤くなるまで待つという。今のところイチゴの実を食い漁った鳥達もパブリカには関心を示してない様子。  ほろ苦い過去の「パブリカ」の思い出と違って「甘い」焼きパブリカが待ち遠しい!


おい!ゆっくりでいいじゃないか! それまでは「山の神」殿と喋るネタが続くんだから!

北島三郎の唄が聞こえる

「山の神、、、海の神、、、。祭りだ、祭りだ、大漁だえ、、、」   お後がよろしいようで!