俺が故郷の会津に帰省すると、至る所に「熊注意」の看板がある。大小様々の鈴をはじめ「熊除け」グッズの数々。「村の先に熊が出た」、「この先の畑で農作業中熊に襲われ死亡」、「警戒中のパトカーと消防団が熊に襲われ大けが」のニュースが普通に入る。法事、墓参りが理由で帰省するのだが、その墓地公園にクマが出没するという。 女房は来たそうそういつも「もう名古屋に帰る!」と叫ぶ。
特に中部日本以東、以北は熊、イノシシ、シカ、サル、ハクビシンなどの「獣害」に悩んでいる。
なにせ農作物は食い荒らす、植林した森は木が全滅というありさまだ。柵を造り警戒しても壊して侵入する神出鬼没ぶりだ。おまけに熊やイノシシは人を襲うから危険だ。
このごろ一部の地方では「ジビエ料理」なるものを研究し除去と同時に有効利用を図っているそうだ。
「ジビエ料理」とはフランス貴族の高級料理で狩猟とグルメがマッチングしたとのこと。これはいい!
料理の種類も多く、イノシシ、シカ、うさぎ、鳩や鴨、果はハクビシン、ヌートリアまである。フランスと並ぶ中華料理でもサルの脳はヨーグルトに似て珍味とされる。これはあるかも!
岩手県に住む俺の親戚の人は熊の余りの傍若無人振りに業を煮やし、マタギになると決めた。ただ法律上簡単に除去するというわけにはいかず手続きも厄介らしい。自治体も除去には及び腰で自治体同士で管轄の「譲り合い」状態だ。誰も本音は面倒に関わりたくない。
ただ自治体に逃げられては困る。被害は深刻だ。事態は我々人間が彼らの居住環境を狭めたせいでなく、彼らが生息地域を人間の生活区域に迫ってきて、また頭数を爆発的に増加させたせいなのだ。だから動物愛護団体の非難はあたらない。冷静に問題の原因を判断して貰いたいものだ。
話が飛ぶが動物園が危機存亡らしい。動物愛護団体が「狭い檻に閉じ込めて動物虐待だ」といって「動物園の廃園」を運動しているらしい。でも絶滅危惧種動物を保護、増加させている動物園、子供に動物愛護を教えているのも動物園なのに、何とも近視眼で全体が見えてない極論だと思う。
それはさておき、自治体が中心になって除去のための法整備、罠設置や「猟友会」の組織化、電気柵等侵入防御策、ジビエ等有効活用法の研究を進めて欲しい。住民の高齢化の問題はあっても町部からの応援ももらって何とか生態系のバランスが取れるまでは「除去」の成功に努力して貰いたい。
我々はおいしくジビエ料理を消費しよう! 文字通り「地産地消」だ!
シカ、イノシシ、サル(脳みそ)、うさぎ、ハクビシン、任せとけ! 熊はどうしよう? 不味くて固い!