今、一万六千円の中古のブツが俺の前から消えていった。終了時刻から20分前だ。相手も散々考えたに違いない。

勝負をかけるべきか、あきらめるのか。   俺だって悩んだもの。どう見ても相場より高い。 しかしめったに出ない希少品だ。ここまでは後悔しないという金額で、ついこの前まで再度入札して「俺のもの」だったんだから、、、。


実はこの「勝負」の前にその手の補強はしないと決めていた。 ところがあまりに安い価格で入札がスタートしたのを見て、思わず釣られてしまったのだ。 でも始まると「熱くなって」止めようと思ってもなかなか止まらない!  まして相手も商売人で無く俺と同じ「素人」だ。   売ったり買ったりのオークションをビジネスにしている人は、冷静だから転売して利益が稼げる商品と価格の範囲で競売に参加する。

ところが素人は、欲しいものには目がくらむ。頭に血が上って、「冷静になれ」なんて無理な注文だ。だから素人同士の戦いは一種の「チキンゲーム」のようである。無茶苦茶な勝負になってしまう!


俺はいろいろ失敗の経験から、欲しい!というものが出て来たら、二,三日調べたり、考えたりして本当に必要かじっくり時間をかけてから決心することにした。 二つ目は、価格である。「プレミアム」を付けてもどの価格まで勝負すると決める。 もしそれをオーバーしたら必ずやめる。 二度と出てこないものなんてないし、その価格でしか入手できないなんていう悲観的なものでもない。  またとんでもない価格で出てくるるなんて珍しくもない。


そう思っていたのに熱くなって、今回は俺のミスだった。  止めたと決めた分野なのに争奪戦に参画し、上限の価格で俺が落札しかねない状況だった。  唯俺は相手が「素人」だから、意地になって来るかもしれない。その時は絶対抵抗せず、相手に落札させようと決めていた。 今回ラッキーな結果になって、オークションの落とし穴からなんとか脱出できたから良かったものの、反省の多い事件だった。


一つ一つの物件の額は、そう大きくはないが、下手すると月あたり一〇諭吉以上の投資になることがたびたびだ。 一つ一つのポリシーを決めてやらないことには、収拾不可能な事態になりかねない。  だいたい「ポリシー」と偉そうに言ったって、半分程度は、「えっ本当?」という怪しいレベルだ。

「みんから」などで落札をめぐって争う人たちも、まあ俺と大差ない人が多いと分かって、なんとなく安心する。

「人の子」同士の駆け引きで、お互いまだまだ甘い。まあそれがいいんだろうな?


「みんから」を見ていると、本当の車好きは、欲しいものにお金をケチらない。 やろう!と決めたことは絶対にする! と同時に、自分で装着する人が大部分だから、「工賃」はいらないが結果は全て「自己責任」だ。  

すべて他人頼りの俺とは全然違う!

今回もそういう人に負けたのだったら、いいな、と思う。


しかし、俺もそうそう甘くはないゾ!

 これからは本当に俺の欲しいものを手に入れるつもりだから、頑張るし、簡単には譲らないぞ!

でも、本当に今日はありがとう! (ペコリ)