最近の車の馬力はスゴイ!の一語に尽きる。 エステマが、300馬力とは驚くなかれ、レクサスLS600で400馬力、ISタイプでは、もはや!425馬力という。 レクサスは排気量も大きく、5000CCクラスのものもある。
一方、今度の新型レガシーは、2500CCだが280馬力を超えるというし、女房のスバルフォレスターは2000ccで220馬力もある。 これさえ、もてあましている俺からしたら「いったい、どうなっているの!」、、、だ。
もっとも、車の「走る」という評価には、いろいろな見方がある。 まず「トルク」という言葉がある。 ある瞬間の仕事量というか、「加速度の大きさ」というのか、馬力があって軽ければ、トルクは大きくなる。
女房のスバルフォレスターは、220馬力と比較的2000ccという排気量の割には、デカい馬力の上に、重さが1400KGと軽いから、トルクは大きく、そして素早い。 唯、直線上の走り比べを長い距離でやれば、馬力のあるほうが有利なのは、言うまでもない。
しかし、実際の道路は(レース場はもっと極端だが)、カーブもきつく、直線部なんて少ないのだ。 そこでは、カーブを高スピードで通過する能力と、そこからいかに短時間で最高速度に上げられるかの能力が試される。
馬力とトルクとカーブの走行能力このすべてが、車の「走り」について語られる中身なんだと思う。
実際に運転する俺からみれば、もっと大事なことがある。道路は、強風の時もあれば、吹雪の時もある。 豪雨の時もあれば、氷結の時もある。上り、下りだって危険な場所がある。 そんな負荷のかかった環境で、どれだけ能力を発揮できるのかが、車にたいする「信頼度」として俺は、高いポイントをつけたい。
また、俺の独断と偏見を言えば、スーパーカーを除いて、このすべてを満足させるのは、高級車では、レクサスLS,、大衆車レベルでは、レガシーを中心とするスバル車だと思う。 おっと、他のメーカーやそれ以外の車の名誉についていえば、車は、「走り」だけでなく、それこそいろいろな評価されねばならぬポイントがあるが、それぞれの車の「売り」も市場で高い評価を受けている。 そういうことだから、あまり目くじらを立てないでほしい。
本題に戻そう。 俺は、ドイツのデユッセルドルフからアウトバーンを、仲間とベンツにのせて貰ったことがある。
勿論、運転手はプロのドライバーだった。
220K~240Kでどんどん追い抜いて行くわけだが、乗ってしばらくしたら、みんな顔が引きつって言葉が出なくなった。 さすがに一寸したカーブでも体がそっちに引っ張られ、怖かった記憶がある。
ヨーロッパは、日本にとって大事な市場だし、それを考えたら、アウトバーンをブッ飛ばせる高出力の乗用車が必要だ。
ヨーロッパではもう一つ忘れてはいけないことがある。足腰がいい車、即ち、石畳の街並みでも、アルプスの峠越えでも頼みになる高剛性の車だ。
例えば、150Kのスピードで急ベレーキをふんでも「ぶれずにピタッと止まる」、、、、、実は、7,8年前、そんな日本車は少なかったし、日本の自動車メーカー自身、そういうニーズをあまり理解していなかったという。
そんなわけで、制限速度が最高でも100Kの日本で、「軽くアクセルを踏むだけ」で、180Kも、200Kも出るハイパワー車がぞくぞく登場している背景にはそんなことがあるのかなあと想像している。 ま、車の能力に余裕があれば、危機対応能力が高く、安全運転につながるし、悪いことではないと思う。
ただ、直線だけ早い、平坦路だけ早い、快晴、温暖のときだけ早い、こんな車だったら、危険この上ない!
日本の自動車メーカーへのお願いは、、、安全を設計の中心にする! その上で走行能力と快適性、経済性に優れた車を、リーズナブルな価格帯で世に出し続けて貰いたい。 俺達も買うようにするから!
俺達人間には他の動物にない「想像力」がある。(ハズだ。)
100Kしか出さなくたって、走りに秀でた車に乗れば、ヒシヒシと無限の可能性を身体で感じるのさ!
アウトバーンを走っている自分が目に浮かぶ!
コレは、夢!、でも夢を見させてくれる車がここにいる。
子供の頃、あの虹のふもとには、黄金がうずまっていると教えられた。追っても追っても逃げていくばかり。
この車に乗っていけば、虹のふもとに辿りつけるかもしれない。、、、、。