他の人にはどうでもいい事でも、

絶対に譲れない事がいくつかある。


こと、暮らしや空間に関しては、

気に入らないモノがあるだけで、

それだけで、

大げさに言うなら

"生きる気力"が削がれたりする事もある。





夫が好きなサッカーチームの試合観戦に行く時。

夫は何気なくわたしに、そのサッカーチームのTシャツを貸してくれた。


スポーツ観戦に行く場合、みんな、そのチームのユニフォームやTシャツや、チームカラーのモノを身につけたりするからだ。


わたしはTシャツが苦手。。。

わたしの体型に、Tシャツは似合わない。


「そんな事ないよー(´・Д・)」」


と、言ってくれる人が、ときどーきいるけど。



"否"



絶対に似合わない。

本人が言ってるからそうなのだ。





わたしは夫を喜ばせたかった。

わたしがそれを着る事で、夫のテンションが上がり、「サッカー観に行くぞー!ヤッホゥ!」となって欲しかった。


そして夫も、「せっかく観戦に行くのだから、カミさんもそれっぽい格好したほうが楽しいだろう」と思ってくれたに違いない。


だからわたしはそのTシャツを着た。


たかがTシャツ。似合わないけど、死ぬわけじゃない。似合わないTシャツをたかだか3時間くらい着る事なんて大したことない。。。


そう思っていた。

















そう思っていたんだけど。。。



















スタジアムに着いたとたん、モノすっごく違和感があった。みんなが同じ色を着ている。わたしも同じ色を着ている。


わたしだけ似合わない形。


みんながわたしを見ている。


笑われてる気がする。


「Tシャツ、似合わねぇw」って

笑われてる気がする。






そんな視線はきっとなかったけど、わたしはありもしない視線と言葉が、自分のTシャツに向けられているようで、嫌で嫌で仕方なかった。


早くいつものワンピースに着替えたい。

あのワンピースならいつもの自分になれる。


向けられてもいない視線を気にしたり、それを必死にボヤかしながらスタジアムを後にした。

車に戻り、あらかじめ車の中に入れていたワンピースに着替えて、ホッとした。



"わたしは服で、こんなにも気持ちに異常をきたすのか"



そしてなんだかそんな自分がかわいく思えた。



納得いくモノしか身につけたくないんだ。

そうだった。昔からそうだったじゃないか。


子供の頃、スカートの下にスパッツを履くスタイルが好きだった。親に止められてもそのコーディネートを存分にしていた。


昔から、お絵かきしても、服を書くことに集中していた。


19歳からは服屋さんや、雑貨屋さん、レコード屋さんなどなど、服を制限されないところで働いていた。


身に付けるものは自分が良いと思って自分に似合うという確信があるものなんだ。


















家庭を持ち、居を構え、

"家も自分自身である"と思えるようになってからは、家にあるどんな小さなものも色や形をこだわる。


納得のいく色がなかったら買わない。


なぜなら、気にいるワケがないから。



デンタルフロスはこの形状で絶対黒がいい。

この形状がわたしには1番しっくりくるし、

黒だと汚れがごっそり取れたのがわかる。





T字カミソリは絶対白じゃなきゃいやだ。

お風呂が白いから、白しか置きたくない。

白いカミソリが見つからないくらいなら、

カミソリなんて要らない。

ボーボーでいい。





タオルも色がそろってないのは

嫌だ。

絶対に嫌だ。。。













素材や機能にこだわるのはもちろんだけど、それと同じくらい見た目の統一感も大事。


たかが、デンタルフロス。

たかが、カミソリ。


統一感にもこだわっている。

こだわっていることは、わたしの暮らしを気持ちよくさせている。