所詮誰もがファッションサブカル

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「限りなく透明に近いブルー」、村上龍のデビュー作にして芥川賞受賞作です。若者たちの退廃を生々しく描写した青春のはなし。
主人公リュウは福生にて仲間たちとともにドラッグとセックスに溺れていく。説明としてはこんなもんです。短い。

癖のある特殊な文体で物語は進行し、登場人物の素性はよくわからないまま。それなのに溢れ出す、個々のぶつかり合いが放つ鈍い輝きみたいなものがやみつきになります。僕らはドラッグなんてやらないですけどね、若者なんてみんなこうですよ。リビドーと破壊衝動に溢れてて、なんとか押さえ込んでるに違いないんです。この小説では客観的に、淡白に、ひたすら苦々しく鋭利な若者のどろどろが表現されています。

リュウが自分の脳内の都市について語るシーンがあります。頭の中に都市を作り上げるのです。そこがなんともワクワクしました。

鮮やかな小説です。


性描写が苦手な方はご注意を!