後ろを見ても黒地に灰色。
真ん中を見ても黒地に白。
前を見ると白地に黒。

一匹の猫がこちらにたまに来ては微笑んでいるように見える。
何を伝えたいのか。分からない。

自分の背中が薄紅色で。
この子の背中は薄紫色。

言葉を話さないこの動物はいろんな事を知っていた。

真っ白い紙に絵を描きたい。
真っ白い紙に石を落とす。
真っ黒い紙につばをはく。
そして階段を一段のぼる。

音がなる。遠くへ連れて行かれる。空想の世界。痛みも苦しみも何もない。
ただそこにあるのは自由。


さけ、アイス、ラーメン、自身。
人と人とのつながり。
軽薄。怒り、鎮静、妊娠、うそ、過ち、無干渉。
時として人は保守的になる。
社会に組み込まれていた自分。
去って行く人々。
言葉を話す人間。ただ黙って生きる動物達。
裏切り、ねたみ、嫉妬、薄情、女、自意識、認知。
寛容に。

暗闇の中。音と映像。人生の不可思議。感じる事の不確かさ。自意識にのみ込まれる。