年末の審査会に馬越さんの顔が無かった。
大学進学に専念する為に10月から休会に入った為だ。
当時の月謝は、引き落としは無かったので、馬越さんの休会費ば私が持って行くことになった。
そんな馬越さんの休会前最後の日曜日昼の稽古終わりに、前から気になっていた平野駅の千円で食べ放題の焼肉屋にみんなで行った。
『これから休会費をお前に毎月、払いに行って、もらわなアカンから焼肉を奢ったるわ』
と言われて
この店に来た。
一緒に、国井先輩、坂田先輩や吉田さん達と来た。
人が良くて、後輩に優しい坂田先輩とは、本当にこれが最初で最後の食事になってしまった・・。
我々、若者のパワーは凄くて最後には、その格安の食べ放題の焼肉屋から、牛肉は無くなり、ビュッフェスタイルの取り放題だったのに鶏肉にしかなくなり、『仕方ないよな・・・』と我々自身が納得する程の食べっぷりだった。
そして会計をしてる時に、馬越さん奢ってもらって一人会計をしない私に国井先輩が
『かさい、ちゃんと馬越さんに礼を言わなアカンで』
と言ってきた。
私は『そんなん当たりまえやん』
と、思ったのだが・・・
国井先輩からしたら、私はそれほど子供で常識がなく見えたようだ
実際、一度も私は彼女がいたこともあり、当時、国井先輩は、奥さんになる彼女がいたのに。国井先輩主催のコンパに呼ばれたことはなかった
それほどに、国井先輩からしたら、私は子供だったのだ・・・
次回・・・1995年の話67~田井陽介の退学を阻止するの巻~