ブルースの女王

朝ドラの影響がいかに大きいか？菊地凛子さん演じる淡谷のり子さんがモデルの茨田りつ子。笠置シズ子さんと同じく淡谷のり子さんも今改めて脚光を浴びている一人である。１９３０年「夜の東京」でデビューする前はクラシックの美声歌手として、オペラのアリアを歌って将来は世界的なプリマドンナになると言われていた。正確な発声法＝ベルカント唱法（美しい歌声）を基礎にして独特な発声と声質を完成させる。歌手デビュー前にはヌードモデルを務めたことについて、淡谷のり子さんは「当時私ほど売れたヌードモデルはないの。多分、津軽女の肌の白さが気に入られたんでしょうね」と語ったことがあるという。淡谷のり子さんの裸婦像を描いた画家として岡田三郎助氏や前田寛治氏など今を時めく画家も入っている。そして１９３７年に発売した「別れのブルース」が当時１００万枚を超える大ヒットとなり、一気にスターダムへ駆け上がり、翌１９３８年に発売した「雨のブルース」も大ヒットとなる。

ラストソング：１９８２年発売

【A面】①雨の日の別離　②昨夜の男　③薔薇と十字架　④哀訴　⑤恋人よ

【B面】①港　②タバコの煙　③破船　④私の悲しい恋　⑤ラスト・ソング

演歌が大嫌いだと公言していた淡谷のり子さん。１９７０年代前半に放送され数々の歌手を輩出した「全日本歌謡選手権」でも辛口のコメントをしていたのを今でも思い出す。そんな淡谷のり子さんがお気に入りの歌手の一人が五輪真弓さんで「恋人よ」は機会あるごとに歌っていたという。このアルバムでは「恋人よ」の他「雨の日の別離」「港」「ラスト・ソング」の３曲が五輪真弓さんの楽曲である。淡谷のり子さんが歌う「恋人よ」いいですね！

今日のレコード：淡谷のり子