今回は、ながらく更新しておりませんでした「真名板薬師堂」特集で、
いよいよご本尊である「薬師瑠璃光如来像」で、埼玉県の指定有形文化財に指定されています。
こちらの薬師様は20年に1年のみ御開帳し、次回の御開帳は確か17年後だったと思います。
地元では「手無し薬師」の名で親しまれておりまが、冷静に考えると、かなりショッキングな通り名ではありますね。
こちらの薬師様は鎌倉時代後期の製作で、いつの頃からか両の手が失われていたのだそうです。
奇妙な伝説をお持ちの薬師様で有名な伝説を一つご紹介します。
江戸時代、仏像の材質である金属をねらって各地の仏像が盗難に遭っていた時期があったそうです。
例に漏れず、こちらの薬師様も災難に遭われ、江戸に運ばれあわや溶かされてしまうのかと思いきや
3日3晩フイゴにかけられても一向に溶ける気配はなく職人は頭を悩ませるばかり・・・時同じくして、
街全体に正体不明の流行病がではじめ、人死も多数出ました。
「運び込まれた薬師様の祟りではないのか?」 と噂する者もちらほら・・・。
ある晩、フイゴをかけていた若い職人の枕元に薬師様が立ちこうおっしゃいました。
「私が元にいた場所に戻してくれれば、流行病を治めてあげよう」
あまりにも流行病の被害が広がっていたので、さっそく町衆が手分けして薬師様の元の居場所を
調べると武蔵の国の「花蔵院」という真言宗のお寺の薬師堂から持ち出されたものだと分かりました。
薬師様が帰路に立つときは、街を挙げて盛大に見送られたそうです。(この街とは現在の浅草だと聞いたことがあります。きっと職人の聞いたという薬師様の声に希望を託したのでしょうね。)
すると・・・嘘のように流行病は消え失せ、街は活気を取り戻すことができたのだそうです。
しばらくして、街の流行病を治めてくれたお礼として大勢の大工が真名板に押しかけ、
現在でも残る参拝門を建て奉納していったそうです。先日のブログにも載せましたが門がすごく立派なのですよ。
このような伝説を持つ、真名板の薬師様に私は心惹かれ、どうにか多くの方々に語り継がれ愛される存在にならないだろうかと、かなり真剣に悩みました。キャラクターを考えました。世の中は「ゆるきゃらブーム」だそうですが、「ゆるキャラ」にカテゴライズされることはないとは思いますが・・・。
名づけて 「まいた やくしたん」です。
20年に1年しか目覚められないので、今回の絵は起きぬけでねぐせ頭の設定です。
そのうちキチンとペン入れ・着色してご紹介できればと思っています。
今回はかなり長くなりました・・・また次回もよろしくお願いします。