留学生活の後半はビューンと過ぎ、もう帰国が迫ってきた。


その間にあった出来事だけでも、振り返ろうか。無理やり。


まず大きかったのは、修士論文。

15,000字だけど、英語なので分量は多くは感じない(日本語を英語にすると1.5倍ぐらいの文字数になるから)けど、なにせ私のこと、時間・労力はかなりかかる。

私はリバプールを調査対象にした。今年、リバプールが欧州文化首都となったことを機に高めようとしている都市ブランド、プロモーションの強化戦略についての研究。

リバプールを選んだ理由は、首都から列車で約2時間半、かつて貿易で潤った港街、戦時中に街がダメージを受けた、方言、ホスピタリティー、個性の強さ、観光による街の活力強化に注力しているといった点に、大阪との共通性が見られたためだ。研究は、既に発表されている文献や記事、インタビュー、現地での観察等に基づいて。

仕上げた時にはヘットヘトだったけど、様々な発見とリバプールでの素晴らしい友人との出会いがあり、実に充実した日々を過ごした。

特に、ロンドンと地方都市では、暮らしぶりや文化、物事の進むスピードが随分違うことに驚いた。

日本は戦後、中央集権の画一的な経済成長の中で地方都市の個性が失われたと言われるが、イギリスは地方都市が異なる魅力を有し、住民がそれを誇りにしていると感じた。

日本の地方都市も磨けば光るものを沢山持っている筈。

今からでも遅くはないぞ!というか、人口減少や他国の経済成長の中で、国力低下が危惧される今こそ、地方から元気にならないと。


7月には父が出張でロンドンに来たので、感動の再会を果たした。

殆ど時間が無い中で、郊外の私の住まいを見に来てくれた。お土産に重たーい四国うどんを抱えて。たった10分の訪問。

父の気持ちがとことん有難かった。


その後、友人とウェールズ、主人とスコットランドやアイルランドを訪問し、これまたイングランドと似て非なる文化に触れることが出来た。


で、気が付いたら帰国が目の前で、大急ぎで論文を仕上げ、引越し準備。最初にお世話になったホームステイ先のMomに挨拶し(相変わらず頬にブチューとキスされ・・・)、クラスメートとの別れがたい送別会(もう一生会えない子もいるんだろうな)。先日は、主人が車で6時間かけて(途中ドーバー海峡をフェリーで渡って)来て、引越しを手伝い、荷物をブラッセルまで運んでくれた。


住めば都と言うけれど、離れるとなるとロンドンの良さも見えてくる。インターナショナルでダイナミック。歴史と伝統が染み込み、常に変わりゆく街。人のことは我関せずの、自由さ。


ただ、インターネットが私のリクエストより1週間早くいきなり切断されて、最初の立ち上げの苦労を思い出した。

(接続に3ヶ月かけながら、切る時はこれかい。しかもその理由が「請求書を発行するため」で、未だ送ってこない。)


そんなのも含めて、この濃密な1年半で得たものはかけがえがない。

お世話になった1人1人にありがとう☆ 

来週、日本へ戻ります。

久々の日本で、きっと私は自分が宇宙人になったように感じるだろうなぁ。(もともとでっか・・・)

主人が戻るまでの残り1年、前向きにいくぞーーー☆


ドーバー海峡で、大陸側から見たイギリス。

 

私は天然なので(自覚症状があるだけマシだと思ってるけど)、嫁に行くとき不安があった。

「あの天然の嫁はなんだ!」と言われたらどうしよう、、、と。しかし、幸い(?)主人も天然、ご両親も(お母さんいわく)天然、ということで、私が浮かずに、救われた。


主人のご両親が渡欧されて、私も合流。

天然主人がまず連れて行ってくれたのは、熊ニンニク(これ、ご存知ですか?ニンニク科ではなく、ネギ科の植物らしいです)が咲き乱れる森。白い花が満開の美しい風景に反して、やはりかなりニンイク臭いのだ。でも、しばらく散策すると慣れてくる。

家族3人共、植物をよくご存知で感心する。

私はタンポポぐらいしか分からない。



ブラッセルでは穴場の庭園でチューリップも堪能。

去年より見頃で、ちょうど良い時期だ。

ご両親がなかなかご本人達の写真を撮らせてくれないので、主人と二人で隠し撮りする。だって、やはり親の写真は欲しいものだ。



メインイベントは、オランダでの主人のお母さんのペンフレンド宅訪問。

運河沿いのお洒落なお家で、とても素敵なご夫婦とそのご友人と共にお食事を頂いた(「お」をつけないと)。

奥様の作品という彫刻が飾られたアーティスティックな家に、私達はよだれを垂らさんばかり。主人は「こんな家に住みたい」と非現実的なことを。(何億すると思ってんだ。)

何せお買い物も(やはり「お」をつけないと)自家用船だよ。(ちょっと面倒臭くない?と思ってしまうのは唯のひがみだ。)

少しだけ、オランダ人になったような錯覚を起こさせてくれた1日だった。

 

それにしても、主人のご両親の山登りで鍛えた強靭な脚力には脱帽だ。私なんて、オランダのキューガーデンのあまりの広さに、「園内に電車を走らせてくれー」と思った。しかも、さっそく筋肉痛。


アムステルダムでも歩き続ける。やはりここでも、花市に最も関心が高いようだった。

違う華で飾られたレッドライトディストリクトも、一応足早に通る。(家族で歩く所ではないと思うけど。。。と天然主人の背中に呟く。)


 

ご両親は風邪を引いてしまったものの、無事にご帰国されて良かった。

ご自宅でお蕎麦を食べ、お茶を飲んでやっぱり日本の快適さを実感されたようだ。

私もきっと同じことを思うだろうなぁ。

今度はぜひ、国内旅行もご一緒したい。硫黄臭~い温泉はいかがでしょう。

これは選択科目の1つ。。。の筈が、ほぼ強制的に受けさせられた。

5科目中、4科目がキャンセルされたからだ。

なら、初めから必須にすれば?と思う。

でも、まぁ タイトルからして「景観」なら興味あるからいいや~ と思っていたら甘かった。

どうやらちょっと違って、観光媒体に使われる「イメージ」に関する内容だった。


観光商品を「売る」ために、どのように都市、街、地元の人、あるいは歴史遺産がポスターやパンフレットで表現されているかとか、殆ど歴史とアートの世界。

講義自体はとても興味深かったけど、好き嫌いがあるようで、明らかにイライラしたり、途中で出て行く学生も。。。

 

専門書の引用文を批判するという課題がこれまた難しいの。

例えば、「歴史遺産を再活用した観光施設(ミュージアムやレストラン等)は、マーケティングの過程で本来の歴史的意味は損なわれ、それらしい雰囲気、安全性、清潔さが優先される」という引用文を、具体的なケースを挙げて肯定、あるいは否定する。ただ写真を持ってくれば良いなら簡単だが、1,000字の草稿、120分のプレゼン、3,000字のレポートと、3段階で評価される。

「アイムソーリー。そんなに述べることはございません。」という状態なのに。

なんとか足掻いてみたけど、どうか追試になりませんように。。。

 

ところで、いわゆる「景観」の保全に関する科目は残念ながら無かったが、これはとても重要なテーマだと思う。

ヨーロッパでは、歴史的建造物など観光の目玉が点在していて、その周囲や街全体の景観の保全が重要視されている。建物の高さや屋根や壁の色などが規制によって統一化されたり、勝手に壊すことが禁止されていたり。その結果、セレクトした美しさで落ち着いた雰囲気をかもし出している街が多い。


日本では、京都等には一部規制もあるけど、大抵はあちこちに「○○寺はこちら」の派手な標識、「お土産は○○」の幟、目的地以上に目立つ店の乱立で、目がチカチカしてしまうことが多い・・・と個人的に感じる。

もちろんむやみな規制は良くないし、規制緩和でにぎわいが増すこともある。バランスをとりながら、訪問者をストーリー性をもって誘ったり、徐々に気持ちを高めたり、リラックスさせたりできるような仕掛けというか、景観づくりを地元の人を中心に、長期的な視点でやってみても良いのかなぁと思う。

どこも同じような個性のない街では、地元の愛着も育ちにくいから。

色々と賛否両論あるだろうから、もっとよく考えてみたいテーマだ。