こんにちは。お仕立て屋いでこです
突然ですが、着物っておウチで洗えると思いますか?
今回はその疑問を解消していきますね!
この記事を読んで分かることはコチラ
- 着物リメイクの下準備は解いて洗うことから
- 着物からリメイクした洋服は家で洗濯できる?
「結局タンスにあった頃と変わらない」となるのは寂しい
そこでおウチで洗濯できるようにするためどんな下準備をしているか、見ていきましょう。
着物リメイクの下準備は解いて洗うことから
着物は幅およそ36cm前後の長方形の布からできています。
エリも袖も解いてみると全て長方形の布に戻るんですよ
解くときも簡単です。
リッパーという縫い目を解くための道具があるので、それを使って糸を切っていきます。
解く順番は、両袖→おくみ→エリ→脇→背中です。
これが1番解きやすい順番だと本で見たのですが、確かに解きやすい
着物は布を長く大切に使いたいと考えた日本人の知恵が詰まったものです
着物がワードローブだった時代の人たちは何度も何度も仕立て替えて使いました。
例えば最初はお父さんの着物だったとします。
経年劣化でお父さんが着るには傷みが目立ってくると、全て解いて子どもの着物に仕立て替えます。
大人ほど布がいらないので傷んだ部分を取り除いて作れますよね。
子どもが着られなくなったら雑巾やはたきに作り替え、布がボロボロになるまで使いました。
ハギレを集めて長襦袢(着物の下着)を縫うこともあるようですよ。
パッチワークのようにして作られた布からできた長襦袢を見たことがありますが、古布の寄せ集めとは思えない趣があって「レアだな」と感じました
身近にあるものを大切に長く使うという日本人の心意気が素敵だと思います
さて、解けたら洗います
洗い方は畳んで洗濯ネットに入れ、オシャレ着用洗剤を溶かしたぬるま湯に浸けます。
しっかりと水を含ませて5分ほど浸したらそこから押し洗いをします。
そうして出てくる汚れがこちら
ここから3回程度、真水ですすぎ洗いをします。
3回目の水を捨てる頃にはあまり汚れも目立ちません。
軽く水気を切って、洗濯機のオシャレ着コースで脱水を3分。
ぐるぐると回したら次は濡れているうちにアイロンをかけましょう。
乾かしてからアイロンを当てるより、シワがキレイに伸びます。
そこで登場するのがこれ
安全ピンにやたら「ウラ」って紙が付いていますね
着物を洗って、アイロンをかけるとシワがきれいに伸びます。
「そりゃそーだ。それが目的でしょ」
「そうなんです!」
でもシワがきれいに伸びると裏表が分からなくなってしまうことがチョイチョイあります💦
たくさん反物を扱っている人は分かるのだと思うのですが、私はまだまだ修行の途中なので「あれれ〜?」ってな具合です
そこで裏にマークを付けることにしました。
安全ピンなら干して乾かしている間に剥がれてしまう心配もありません
しばらくお仕立てをしない場合もクルクルと巻いて片付けられます。(巻いても外れない!大事なポイントです)
アイロンが完了したら日陰干しします。
曇り空の日は外で風を当てて乾かすことも試してみました
室内で乾かすより早くて嬉しかったです