ひさしぶりのメールで
元気?の返しに
こう聞かれた
忍谷は平和ですか?
忍谷はあんまし寝てないよ
平和なのかどうか
わからないから
何が平和なのか
わからないから
あなたは平和ですか?って
聞き返せなかった
平気ですか?
こう聞いてくれれば
難しくなかったのに
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風の吹く日
近い
吹かないかもしれない
吹かないで
気がついたら
もう春
寒くて暖かい日
そんな日の風には
毒が含まれているから
息を止めよう
ためらい
迷う理由など
どこにあるというのだ
風が吹こうとしている
3度目の正直
ただの噂で終わればいいと
財布の中身を数えながら思った
かつての家のあとには
空っぽが一人
あらポカンと立っていた
そこは寝室だったのだと
そらと指差し教えれば
座り込む風の残り香
花見の内容など
場所取りのことくらいしか
残りはすっかり忘れたなと
空を眺めていれば
足下には
両手を出し昔の記憶を乞う
アナタはダレですか
振り向けば雨
紫陽花の葉を積むことは
楽しいと
電話で話せば
頭を垂れるアナタは
元気ですか
ためらいなく
ポケットに閉まっていた光
首目掛けて振り下ろしました
それは当たり前かのように受け入れられ
紅く紅く
・・・・やはりあたたかい
思い出した時でいいから
声を掛けてくれと
微かな声で祈る
頷き震える自分に
テープのように繰り返す風の音
猫の一鳴き
思うままに鳴いただけ
雨が落ちた
闇が訪れ多くの物が流され
紅く染まる
春になったら空っぽ
忘れかけた傷跡を持つ
2,3人を残して
子供のままでいい
言わないで置いておく言葉
言う必要もなく
大人になってしまって
それでも覚えてる大きな背中
あたたかったとは聞いていない
覚えてるのだそうで
忘れないのだと
笑うのを聞いた
益々あたたかくなったとは思う
さむくはない
紅く染まる月も
冷たくはなかった
振り向けば雨
振り下ろしたのは
ただのポケットナイフ
風が吹いたら
変えられるのだろうか
5月が終わる 雨が来る
電話に出る 目を閉じる
暗い脈打つ闇
息を止めれば
寒いなと
決まって呟いた
memo