湖と砦とマハラジャと。魅惑のラジャスタン。その1 | O.S.D.さり オフィシャルブログ powered by Ameba

湖と砦とマハラジャと。魅惑のラジャスタン。その1

夏が来るまでに。
私にはどうしても行っておかなければならない場所があった。

ラジャスタン州。
ムンバイより結構北に行ったところにある、
最近の話題と言えば日本人がまた被害にあってニュースになったばかり。

余計なことを言われたくない、これは絶対内緒で行こうと思って、
例に漏れずこっそりある夜、家を抜け出してまた電車に乗り込んだ。

約20時間の鉄道旅。

今回、ウェイティングリストの関係で往路は2等(この電車では1番上のクラス、縦に2段ベッドで毛布がある)
にしていたのだけれども、
復路をスリーパークラス(下から2番目のクラス、毛布が無くて縦に3段ベッド)にしていた。

電車が到着したと同時に見慣れているはずのスリーパークラスに、
ここに帰り20時間!と言うのにびびってしまって、
重複で復路の2等を予約しておいた。
持っているスリーパーも2等もウェイティングリストで、
そもそもどっちも予約できなかったらもうあとは知らないんだけど、
どっちも取れたらどっちか無駄になる。
1000km近くで1000円もしないとは言え、ブルジョアジー。
有り余る富。
もう湧いて出る。

そうです。
私が現代のマハラジャ弾丸旅行者です。

ちょっと今後の旅人向け情報。
今またちょっとした旅行を画策していて、日本人のブログに助けられているので
自分も還元しないと。

もはや世界一困難と言われるインド鉄道で何ひとつ迷うことのなくなった今、
これからインドを鉄道で旅する方へ。

電車の探し方:Train numberというのが長距離列車には必ずついているので、
チケットの番号を確認。
駅に着いたら電光掲示板に電車の番号、行き先、そしてプラットフォームの番号が表示されているので、
そのホームに行って、
あとは車両番号。
スリーパークラスならS1,S2、2等なら2A、とホームにも掲示板があって、
車両にも必ず書かれているので、そこに乗り込む。以上。

世界一嘘つきの多いデリーとアグラではだいたい
「チケットを見せてみろ、ああそれはキャンセルになったからこっちに来い」
と言われますが、60000%嘘です。
ちゃんと時間通りに運行されます。なんと。
なんたるや。

同じコンパートメントの中国人に、
すっかり忘れてしまった中国語で話しかけながらオンボロの電車が北上する。

このラジャスタンにはワンピース(私はアーロンのところで意味がわからなくなって挫折)
のアラバスタなんとかの舞台になったジョードプルもあって、
そこは何年か前にもう訪れていたので今回はまた別の町へ。

始発の駅から終点まで。



ウダイプルに夕方着。

16時に着いて(時間通り。最近のインド列車は本当に遅れない。)
メインの観光地は17時半にクローズなので、
とにかくオートを急がせる。
急げ急げ。

もう一つ旅情報。
こう言う観光地でお土産屋とかホテルに寄り道されないオートの選び方:
話しかけて来ないできればおじいちゃん運転手を捕まえて、
できればヒンディー語で「いくらだ!」ってちょっとだけすごんでから乗り込むこと。



ウダイプルの湖のほとり、シティパレス。
今もマハラジャの末裔が住んでいるお城の一角。



砂漠の広がるここラジャスタンで貴重な水、
その豊かな湖に浮かぶタージホテル。
もちろん泊まれない。

泊まらないだけだよ。
有り余るけど敢えてだよ。
敢えて。



シティパレスの中は豪華絢爛、
歴代のマハラジャの暮らしを垣間見る。

私もほぼマハラジャなので、
なぜなら帰りの電車のチケットを重複で予約して、
2席取れた場合安い方を棒に振る心積もりでいるほど富の有り余っている、
歩くバブルみたいなものですから、
そんなに驚かないけど。

金ぴかぴんの家具、
細かい彫刻の施された窓、
町を一望。



謎の楽器博物館。



あっと言う間に閉館時間になってしまって、
追い出される様に門を後にする。

私、ほぼマハラジャなのに。
ひどい。


外観。

門を出てすぐの大きなお寺へ。


もう飽きるほど見てきたこのとんがり彫刻の建物にやられっぱなしだ。
何時間だってここにいられる。
何百年かすぐにトリップさせてくれる。


夕暮れのウダイプルの湖。

もう一つ有名な、人形劇は時間が無くてスキップ。
これから電車で来た道を少し戻る。
さらに田舎の町、チッタウルガルへ向かう。

ウダイプル滞在、まさに3時間。
ありがとう、ウダイプル。
ありがとう、マハラジャ。

そしてまた2時間半電車に揺られ、降り立ったチッタウルガルは真っ暗。
半泣きで駅近くのホテルへ。

ああまた旅に出て来てしまった。
毎回やめようやめたいもういやだって言いながら、
まただ。



最後のトリック/深水黎一郎

一番売れていると言われると買うしかなくなる。

読者全員が犯人、なんて不可能でどうしようもなく惹き付けるこの帯。

久しぶりにまた読書中に声を発した。
驚愕とか驚嘆のあれではなくて、
「なるほど」の方。
納得、のあれ。

とってもおもしろかったです。
日本のミステリー文学はやっぱり一番おもしろい。
エンターテイメントの極み。

私はこの中の登場人物を間違いなく殺した。




そしてたった4年前の、
とっさに逃げ込んだ机の下でまた震えながら、
何がなんだかわからないまま徒歩で帰宅した自分に、
それでも日本は世界一なんだから絶対、
って、
たった4年、
もう4年。
あるものを数えていなければ、だ。