私は死んだ後の世界を両方とも見た。ハンピ旅行① | O.S.D.さり オフィシャルブログ powered by Ameba

私は死んだ後の世界を両方とも見た。ハンピ旅行①

雨季が来る前に行っておきたかった場所があった。
世界遺産、ハンピ。

そこへ行ったことのある日本人がこぞって大絶賛していたから。
ってゆうか石窟が好きだから。
何より石窟が好きだから。

木曜日、仕事を無理やり終わらせて、早退して、
アンデリーイーストの高速バス乗り場へ。

インドのくせして予定の10分前にバスが到着して、
まだ乗り込んでる途中なのに動き出す。

ハンピはその魅力から非常に人気の高い観光地ではあるが、
何せアクセスが悪い。
一番近くで一番栄えているバンガロールでもバスで一晩かかる。
ムンバイからはバスで14時間。
電車だと乗り換えが必要なので、敢えてのバス。
不安しか無い。



ただしインドの寝台バスは完全にフラットなので、
さらにカーテンを閉めれば個室みたいになるので、
日本の高速バスよりよっぽど心地が良い。
最初いくつかのバス乗り場で停まる度に、
水やらサモサやらを売りに来るおっさんやなんかに、ちょっと覗かれて、
「水いらん?」って聞かれるのが億劫なぐらい。

そして運転が荒い。
知ってる。
そんなの知ってた。
インド人の運転が荒いことは知ってた。

しかし乗り物酔いするレベルとは思っていなかった。
気持ち悪いいいいいいいい
おえー
横なっても吐きそう。
あかん死ぬ。

ってなって、私の薬箱に一つだけ入っている酔い止めカプセルにとうとう手を伸ばす。
これは日本から持ってきた貴重なやつで、
よっぽどじゃない限りは飲みたくなかった・・・

って帰りもバスじゃん!どうすんの!
帰りどうすんの!!

で、カプセルの中身を半分だけ出して飲むという荒行を遂げる。
揺れ動く車内で、
カプセルの中身を半分飲んで、半分戻して、
荒い運転とブレーキを踏む度に響く不快な音と、
他の席で大声で話すインド人とに囲まれて、
私が寝付いたのは多分10時間ほどしてからで、
ただただこんな不毛な旅行に出てきた自分を呪う。
10時間、悔恨の念だけでやり過ごす。
何で・・・何でまた旅行来てもうたんや。
しんどい方の旅行に何でまた来てしもたんや・・・
おとなしく週末はスタバで本読んでフォーエバーで買い物しとけばいいものを。
なんでなんほんまに。
石窟って何なん。
見て何になるん。
誰が得すんの。
ってぐるぐる自分を責め続け、嘔吐感と自責によるストレスで体も心もぼろぼろで、
やっとうとうとしていた折に、カーテンを開けられて、
「ホスペットに着いたぞ!」と起こされた。

このホスペットと言う街がハンピへの入り口となる。

もう出るからさっさと降りやがれ!みたいなことを言われて、
慌ててメガネをして荷物を詰め込んで外へ出ると、
早速リキシャワラ達が半分バスに乗り込むかたちで待っていた。

一番積極的な全然尊い感じのしないキリストみたいなおっさんが、
「ハンピか!300でどうだ!」と開口一番言って来て、
相場はすでに確認していたので、
「やだよ、150だ」と返したところで、
「じゃあ200だ!ベストプライスだ!どうだ!」とまだ粘ってくる。

普段ムンバイと言うメーターでオートが走る快適な街で過ごしているので、
このオートの交渉はインドに住んでいてもものすごく苦手。

少し離れたところで何も言ってこない若いお兄ちゃんにこちらから
「150ルピーでハンピ」と言うと即効でOKが出たので乗り込んだ。

全く悟っていない感じのキリストみたいなおっさんがなにやら
その若い運転手に「俺の客だぞ!」と怒っているみたいだけど、
私の方だってはっきり言って、
煩悩しか無い感じのキリストみたいなおっさんよりは若いお兄ちゃんの方が良い。

若いお兄ちゃん。

この後のハンピを運転手兼ガイド兼カメラマンとして2日間行動を共にすることになる。

30分ほど走って、ハンピ。
それはもうあっち側の世界だった。

いっちゃってた。

まずは予約してあった日本人のやっているKALYANゲストハウスへ。
着くなり若いお兄ちゃんが、
日の入りまで800ルピーでオート貸し切りどうや、と営業を掛けてきた。

もともとオートを貸しきって回るつもりだったので、
相場はよくわからなかったけれども、
英語がちゃんと話せることと、
何より自己犠牲が微塵もないキリストみたいな感じではなかったので、
とりあえず一日チャーターすることに。

今ハンピだけでなくインドは真夏でどこもオフシーズン。
観光客の少ない今、みんな営業熱心。

まだ朝の8時なのにゲストハウスのご主人が掃除をしてお部屋を空けてくれた。
小奇麗なさっぱりしたお部屋でした。

なんと1泊350ルピー、700円ほど。

少し休んでから、
地球の歩き方にも載っているマンゴーツリーレストランで朝ごはん。

写真だと全く伝わりませんが、下北沢にあったっておかしくないぐらいの
おしゃれなカフェでした。

そして遺跡と石窟巡りへ。
続く。











6月8日の追伸。
どうか明るいところにいてくれます様に。
忘れてなんかないよ。