YAMAHA NS-10M。

モニタースピーカーといえば、必ず出る名前ですね。

コンソールの上に必ずあった10M。
ボクがお世話になったスタジオでは
『YAMAHA』のロゴが消えてました(笑)

ボクがスタジオに入った時代は
3348がまわっていて、
NeveかSSLのコンソールがあって、
そのコンソールの上には3348のメーターと
10Mがのっかってました。

なんの疑いもなく
10Mでモニターするものだと思ってました。

新人はアシスタントのアシスタント、アシアシくんからのスタート。
最初は覚えることががたくさんで、
「音」をしっかり「聞いてなかった」と思います。
けど、何かを「感じていた」と思います。
10何時間と音を聞いてる訳ですから。

アシアシくんは家に帰れないことが多かったので
夜中にこっそりマルチテープをかけて
お遊びミックスをしてました。
ボクは「No Reaction」という曲が
お気に入りでした。

最初は先輩の見ヨウ見マネで
コンプレッサーをインサートしてみたり
イコライザーをひねり倒してみたり
まぁ、自己満足のミックスでした。。

アシスタントの仕事もそこそこ出来るようになると
お遊びミックスもちょっと上達してきて
ちょっと楽しくなってきます。


ある日、、、
いつも鳴っている10Mが
あきらかに、イキイキとした
テンションの上がる音がするときがありました。

あのときはハッキリとわからなかったんですが、
10Mがスタンダードになった理由は
これだったんじゃないかなぁ、と。

YAMAHA NS-10Mは
リスニングとしては
全然いいスピーカーじゃないんですけど
カッコいい音はカッコよく、
ダメなものはダメダメに、
鳴らすスピーカーです(笑)

ミックスしていると
ミックスが完成に近づきつつある
「サイン」みたいな感じで
音の鳴り方が変わってくる瞬間が
ボクには、あるんです。


この 「NS-10M」
鳴らすのが非常に難しいです。
セッティングで全然違う音が出るスピーカーです。
アンプとの相性もかなり如実に出るスピーカーです。

ここ10年のDAWの普及により
コンソールの上ではなく
スピーカースタンドの上にノっている「10M」が増えてきました。

このスタンドの上の「10M」、、、
コンソールにのっかっていた
「あの10Mの音」
をしていることが、ほとんどないんです、、、
残念ながら。

この「10M」を最初に使ったと言われている
Bob Clearmountainも
コンソールの上に置いてある10Mを聞いて
「これ使える!」と感じた、、、と思うんです。


2011年。
今の時代、
今の時代の音楽、を
この「10M」で鳴らすのは
ちょっとキビシいのかなぁ、
限界があるのかな、
という気が、
最近とてもしています。