乗っていたエレベーターに乗り込んで来たのは、３０代後半に見える母親と小学校高学年のお嬢さん。

一瞬にして身体全体に言いようのない、説明できない空気で覆われて「うっ」と感情が溢れてきました。

エレベーターには他に７０代と思われる紳士のグループが５人ほどです。ニコニコと談話しています。

何があったわけでもないのに、泣くのはさすがに理性が許さない。

胸から込み上げるものをグッと飲み込みました。

お嬢さんの手にはバルーンアートの風船。

背丈はうちの娘より少し大きい。

うちの娘はチビなので、同じくらいの年齢でしょうか…。

ブカブカのパジャマからでも分かるやせ細った身体。

蒼白い顔に、蒼い唇。

ニット帽をかぶっている下には、髪は全くないだろうことは安易に想像できてしまいます。

右と左から閉められたエレベーターの真ん前で、ジッと待っている。

大学病院に行けば、そのような光景が何度となく目にします。

しかし、その母娘だけは込み上げるものを抑えきれなく、車に入った途端嗚咽を漏らしてしまいました。

何も言われてないのに「可哀相」と思うなんてバカにしている。失礼です。

そんなことは分かっているのですが、嗚咽が止まりませんでした。

許されるものなら「君が一生幸せでいますように」と抱きしめたかったです。

母親にも「素敵なお母さんが幸せでいますように」そう言って抱きしめたかったです。

いえ、何も聞いてませんので分かりません。

でもそう身体が感じてしまったのです。

死は悲しいものではありません。

「不幸せ」と感じる心が悲しいのです。

だから僕は、彼女たちを「可哀相」だなんて思いません。

ただ涙が溢れるくらい「幸せでいて欲しい」と願うだけです。

名も知らない母と娘。もう会うことはないでしょう。

しかし、この想いはきっと届くと信じています。

「死」は年齢に関係なく、突然訪れるものです。

何度でも訴えます。「死」は突然です。

今日かもしれない。明日かもしれない。

だからこそ、何が大切なのかをいつも考えながら生きています。

活躍して自己実現することなのか？

やりたい事をめいいっぱいやる事なのか？

将来のためにお金の事ばかり考える事なのか？

僕は、この瞬間死んでも後悔しないよう、家族との語らいふれあいです。

妻も娘も健康です。それ以上の幸せは３の次です。

家族との時間以上に大切なものはありません。

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました( ´∀｀)

開運セラピスト　中和田オサム

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