「なんで分かんないかな~!!!
だからさ~!!!」


イライラした口調で僕は母に言葉をぶつけた

「いや~母ちゃん頭悪いから…ハハハ」

母は苦笑いした

「頭悪いにもほどがあるだろ!!!」

高校を卒業するかしないくらいだろうか、僕は母に数学を教えていた




母の父

つまり僕が会ったことのない祖父は仕事をしていなかった
※母が幼少期に他界

木の屋根職人だった祖父だったのだが、時代が瓦に移行しはじめ、仕事がなくなってしまったのだ

不器用な職人気質で、時代に乗る事ができなく無職状態だと聞きました
 
※今ではあまり見ないこんな屋根


母の母

つまり僕の祖母は、母がほとんど覚えてない位に他界

なので、ほぼ両親がいない中で育ちました

当たり前にド貧乏です

当時、女性の高校進学率は分かりかねますが母は中卒です




そんな母が50歳近くで通信高校に行きたいと言い出しました

「なんで今さら?」

と思わなくもなかったのですが、行きたいなら行けば…みたいな冷めた気持ちで見ていました

その頃、よく数学を教えていたのです

あまりにも飲み込み悪い母を、僕はイライラして何度も怒鳴った事があります





僕の中学の成績は中の中

そして中の中くらいの高校に行きました

軽い自慢で恐縮ですが、中高を数学だけはずっと5でした
※高校では数学以外、1と2だったような…

高校がとてもつまらなく、1年生の頃からあまり学校には行きませんでしたが、数学の授業はなるべく受けていました

1時限目の数学だけ受けて早退

遅刻して6時限目の数学だけは受けに行く





数学が面白かったのです

クラスでビリの成績(高校)なのに、中学生の数学家庭教師のアルバイトをしたり、女子にも頼まれて数学を教えていました

劣等生でコンプレックスが一番強かった高校時代、ただ1つ胸を張れる教科が数学で、ただ1つ誇りに持てることでした

何故そこまで数学だけにこだわっていたか…




中学生のある日、郵便局に行きました

僕の名前を知ると、局長さんは言いました

「中和田くん?小坂団地の中和田さんの息子さんかい?」

「はい」

「中和田くんは数学が得意なんだってな!お母さんが言ってたよ」




「何そんな事、郵便局で言って自慢してんだよ!みっともない!」

家に帰り母に言いました

反抗期に入っていました

しかし、本当は嬉しかったのです

それまで数学が得意だと自覚もしていないし、好きでもありませんでした

たまたまテストで100点取ったのかもしれません

昔のことなのでたぶんですが、他にもたくさん100点取っている子がいるような簡単なテストだったかと思います

僕のIQは自信もって高くありません

そんなテスト結果を母が喜んでくれ、ついつい郵便局長さんとの世間話しの中で息子自慢したのです




それがきっかけで数学にこだわるようになりました

他のテストは最初から寝ていて白紙で出しても、数学だけは満点を目指していました

多くの人が「数学は苦手」という中、数学ができるというのは、コンプレックスだらけのガラスの十代には救いの勲章でした

その勲章を手放したら、僕は高校を卒業できなかったでしょう

数学以外は全くチンプンカンプン…

それ以前に授業を聞く気になれない

いや、それ以前にまともに登校していない




数学ができたというのは僕の勲章であり支えでした

そのきっかけを作ってくれたのは母です

母が僕の自慢を他で言っていてくれていたというのが、きっかけでした




母が50間近で高校入学

看護師として立派に働き続けてるのに、高校に入りたかった大きな理由

それは

中卒の母親では、子供たちが結婚する時に相手方に対して恥をかかせるんじゃないか?

それで破談になるんじゃないか?

そう考えたとのことでした

もうとっくに僕含めた子供達が家庭を持ってから、親父からフッと聞きました




数学を好きにさせてくれ自信を持たせてくれたのは母親です

50間近で高卒の肩書きを取ろうとしたのは、僕含めた子供達のため

んな……中卒の肩書きで破談にしちゃうような人と結婚なんかしねーよ

そんな母親の気持ちを知らないで、怒鳴り散らしながら数学を教えました




当時の母は今の僕くらいの年齢

高校の数学なんて分かるわけない

数学が得意だった僕でも、もう分かりません

それを

「頭悪すぎ!!!」

と、僕は母親を怒鳴り散らしました

母は「ごめんよ、母ちゃんホントにバカだから」

そう言いながら

「オサム、悪いけど数学教えてくれるかい?」

と、何度も笑って頼んできました

頼むことによって、自信を持たせようとしたのかもしれない




頭悪すぎは僕自身だ

分からない母がバカなんじゃない

分かるように教える事ができない僕がバカ

学生現役の僕と、中卒して30年以上経ってしまった母を、同じ土俵に考える僕がバカ




コンプレックス強い僕に、数学という武器を持たせてくれた恩を忘れたバカ

自分のことだけなら、今さら高校なんて行かなかったろう

僕含めた子供のためにと高卒の称号を取ろうとした

そんな母親を「頭悪すぎ!!!」と怒鳴り散らした

たくさんある汚点の1つです




そんな46歳の息子を持つ77歳の母

会うと、僕の幼少期の話しを良くし出します

同じ話しを何回も繰り返します

それは…

僕が幼少期から優しかったというエピソード話しを良くします

妻の前でも気にせず話すので、恥ずかしい気持ちになります

おっ母…オレもう46歳だよ

僕が怒鳴り散らした事なんてすっかり忘れているのかもしれない

親不孝をし、たくさん期待を裏切ってきた事なんて忘れてしまったのかもしれない

そんなに優しい人間ではない

自分のことでいっぱいいっぱいだよ…




もし親孝行できるとしたら

自分の息子は優しい子

そう思わさせることくらい

過去は変えられないが、未来は変えられる

後何年生きてくれるだろう母を

最後まで「ワタシの息子は優しい子」

そう思わさせるよう生きていこう




僕の反抗期は大変だったかと思います

高校から崩れていき、30歳くらいまでは仕事もろくにできませんでした

それでも今こうして生きていけてるのは

コンプレックスだらけの僕に、自信を持たせてくれた事が大きく関わっています




もし今、子育てで悩んでいて

100あるうちの99ダメでも、1ついいところがあったら褒めてみて下さい

時間はかかっても、いつかこうして親に感謝できる日が来ます

ついつい99のだめな点を指摘しがちで、指摘しなくてはいけない場合も多々あります

それでも必ず1つのいいところをしつこく褒めてみて下さい

僕みたいな劣等人間でも、最低限このくらいにはなれます


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