頼ること

Wさん・Tさん・港町のJohnny☆さん(ご本人希望ニックネーム)の3人は、Wさんからのご紹介で来て下さるようになりました。

皆様、定期的にご利用下さっています。


その中のTさんがご来店。

Tさんうつぶせの状態でポツポツと喋りだしました。


Tさん「先日3人で会ったんですね…それで中和田さんの話しになりまして……あの~…お節介な事かもしれませんが……」

お節介???えっ!?何か忠告かな???


<にんにく食べるの、気をつけた方がいいですよ>

それだ!!!お昼ににんにく効かせたパスタ・焼き飯をよく食べる。


<少しお喋りが過ぎるのでは?>

それだ!!!この3人の方には、ついつい喋り過ぎて反省する事がある。


<腕が落ちたのでは?>

それだ!!!喋り過ぎて、おろそかになっていたんだ!きっと!


普段温厚なTさん。でも言う時は言うタイプだきっと。

でも、僕を想っての忠告だ。有りがたく頂戴して、更にいい店になるようにしよう!

で?いったい何を怒るのTさん。いえいえ、何を忠告してくれるのTさん?何何???



なんて事を数秒間に、グルグルと頭を駆け巡る。

ええそうです。お察しの通り小心者です。


Tさん「お節介かもしれませんが、中和田さんのとこ草刈りしようかと思いまして、3人で話してたんです。普段、本当にお世話になっていますので。凄く忙しいみたいですから、草刈りする時間なんてないですよね。」


有り難い小言を言われるものと思っていたので、この言葉にはビックリですぐ反応できませんでした。


本当にお世話になっている?

僕は人の疲れを癒す仕事をしていて、ある意味それはお世話しているかもしれません。

しかし!!!対価として料金をいただいているわけです。

いただいた料金で、家族が安心して生活できるわけです。

お世話になっているのは、当然僕だって同じなんです。

利用して下さっている皆様のおかげで、家のローンを支払い、1日3度食べる事ができ、休みには娯楽を楽しめる事もできる。

常連さまだけでなく、1回だけの利用も含め、僕は数千人…いや数万人の方に支えられ、お世話になってきているのです。


そんなお世話になっているWさん・Tさん・港町のJohnny☆さんが草刈りをしてくれる?

そんな話し聞いた事ないです。


僕は行きつけのラーメン屋・レストラン・マッサージ店で、「お世話になっているから」と言って、草刈りを申し出る事なんてした事ないですし、考えた事もないです。


僕は最近「クライアントさん」と表現していますが、やはりお客様です。

お客様に草刈りをさせる。有り得ないです。


以前の僕なら

「いやいやいやいや!とんでもないです!大丈夫です!どうにか自分でやりますから」

と100%お断りしていました。


しかし僕は

「え?…じゃあお願いしていいですか?」と答えました。


それは何故か?

僕は年々人に頼るのが苦手になりました。

「迷惑なんじゃないか?」と思うあまり、頼るのが苦手になりました。


頼らないとどうなるか?頼られもしなくなります。

そうすると、人との絆は深まらないと分かりました。


休みの関係もありますが、交友関係も激減しました。


ある人に言われました。

「頼らないという事は、頼らないで欲しいという事でもあるよ」と。


確かに…

恩をいただいたら、返さなくては!というプレッシャーを感じるかもしれない。

そのプレッシャーが煩わしいから、人に借りを作るのが嫌だ。そういう人は増えているかもしれない。

だから、人との繋がりが希薄になっているのかもしれません。


そんな事を考えていたので、少しとまどいながらも頼ってしまいました。

僕は出張業務が続き、不在中に3人は草刈り。

<いったいお前は何様なんだ???>という自分自身の心の叫びと葛藤。

しかし、せっかくのご厚意、自分を変える意味も込めて託しました。ドキドキです!



草刈りの夜、港町のJohnyさんがご来店。

「いい時間を過ごせましたよ!楽しかったですよ!」

いやもう本当に有り難いやら恐縮やらで、きちんと目を見て話せたか…

草刈りしてもらったのに、きっちり正規料金(苦笑)

恩着せがましくなく「いい時間過ごせた」だなんて、なんて素晴らしい人たち。


今回の「草刈り」は、単に草を刈ってもらった以上の幸福感があります。


紹介してくれ引き合わせてくれたWさん。

草刈りを提案してくれたTさん。

まだ付き合いが浅いのに草刈りをしてくれたJohnnyさん。


草が刈れた以上の感謝の気持ちでいっぱいです!

大げさに聞こえるでしょうが、幸せに満ち満ちた想いです。


幸せの定義は人それぞれです。

僕はお金をたくさん持つ事より、人から賞賛される事よりも、感謝できる心が一番の幸せなのでは?と年齢とともに思うようになりました。

感謝できる心さえあれば、どんな状況でも、どんな場所でも生きていける。


そんな機会を下さった

Wさん・Tさん・Jonnyさん、本当にありがとうございました!!!