嫁の魔術に助けられる

朝方3時くらいにお腹がチクっと痛み出し目が覚める。


<あれっ?>と思いつつ、身体を丸めてそのまま眠ろうとする。

チクッチクッが、ズッキンズッキンと痛み出す。


<ん~???なんだ~この痛み>


次第に痛みは増してくる。「う~ん、う~…」ついに声が出てしまう。


下痢とは違う感覚だ。なんだこの痛みは???


とりあえずトイレに行こう。便を出せば落ち着くかもしれない。


便器にしゃがんでみた。便が出る様子がない。痛みはドンドン増す。

下腹部だけだったのがお腹全体に広がる。「う~!痛い痛い~!」声を出さずに入られない。

お腹が痛くて声を出すなんて、記憶にない。


まだまだ痛くなる。背中が痛み出した。身体の中に氷を敷き詰められたように寒くなってきた。

<いったいなんだ!>


ハァハァハァ…息づかいが激しくなる。吐き気もしてきたが、吐ける様子もない。


いっこうに痛みは引かないどころか、びっくりするくらい右肩上がりの痛み。

頭も痛くなりだした。


ハァハァ…う~…痛い痛い痛いぃ~


救急車が頭をよぎる。入院が頭をよぎる。

ガンの痛みってこんな感じかな?凄い痛い!!!


まったく引かない痛みに、いつ119番しようか考えてきた。


その時、ドアの向こうから「何?大丈夫?」と嫁の声。

痛みで苦しい中、搾り出すように答えた。「ゴメン大丈夫じゃない。救急車かな…ハァハァ」


嫁はレイキヒーリングができる。ヒーリングをはじめる時、ある動作をするのです。

ドアの向こうで、その動作する音が聞こえてきた。

<レイキしてんだ…>


痛みはまだ右肩上がり、気を失いそうだ。こんな痛みは初めてだ…。

中年男が情けなく、「う~う~…ハァハァ…」と苦しむ。


レイキしてくれる気持ちは有り難いが、僕はレイキヒーリングに対し懐疑的でした。

他の方から受けたこともあるし、嫁からも以前受けた事がある。

なんかよく分からないが、「う~ん…なんか良いかもしれない」と曖昧な感想をしていた。


しかし、その日は…

あのとんでもない痛みが、スーッと波が引くように消えてきた。

叙々にではない、スーッと消えてきた。


そして、いくら便器に向かっていても出なかった便が下痢として出てきた。


嫁のヒーリングは続く。下痢は続く。


ほんの数分後、軽く痛みは残るものの、寝れない状況ではなくなったのです。


時計を見ると5時ちょい過ぎ。2時間くらい痛みに苦しんでいたのが、数分のヒーリングで消えました。


病院嫌い、薬嫌いの僕が、自ら救急車を呼ぼうとするくらいの痛みが消えた。


嫁を見る目が変わった。「こいつ魔女か?あまり逆らわない方がいいかも…」

とは冗談ですが、何度もお礼を言いました。凄い嫁をゲットした!