脳梗塞で寝たきりの状態
身体は動かす事ができない完全介護
手足は痩せ衰えて、会話する事もできない
そんな佐藤さん(仮名)に足のオイルケアをと、奥様から出張業務として御依頼いただきました
自然の香りが強いハーブミックスのオーガニックオイルを使用
動かなくなった足を手で覆い、ゆっくりゆっくり内蔵のツボから刺激する
目を閉じ、御主人の心身に入り込む
とてもクリーンな状態だ
余計な欲などがない状態だからなのかもしれません
足裏からはかなりの毒素が排出されます
そして寝たきりの状態なのに、クリーンなエネルギーに満ちている
横で奥様が
「あらぁ～気持ちよさそうにしている」
言葉はないが僕も感じている
波動が合っている
本来なら施設で見てもらうような状態を、ヘルパーさんに手を借りながらも自宅で佐藤さんを介護している
僕に同じ真似ができるか？と問われたら、正直に自信がない
奥様はその状態を嘆くでもなく、必死に奇跡にしがみつくでもなく
ただ、愛する佐藤さんに寄り添う
その姿は、尽くしているという必死さが見えない
ただ、笑顔で寄り添う
「こんな本を読んでるの」
奥様は寝ている佐藤さんの脇に座り、僕と佐藤さんに本を読み出した
元教師だからなのだろう、本の朗読がリズミカルで聞きやすい
目を閉じたまま、そのリズムに自然に合わせながら、ゆっくりゆっくり僕は足裏を刺激しながら入り込む
御主人の生命リズム(鼓動)も同じだ
３つのリズムが合わさり、トントコトントコ静かな民族音楽のようなリズムが宙に舞う
そんなリズムに身を委ねて目を閉じていると見えてくる
御主人がまだ普通に歩いていた姿
家庭を守るために必死で働いている姿
初めての初孫
初めての娘
奥様との新婚生活
奥様に恋をした瞬間
どんどん遡る
幼少期は気の強い少年だったんじゃあないか
生まれてご両親が喜んで抱いている姿
御両親が愛を育んでいる姿
身体に入り込むと、そんなセピア色のドラマがフィードバックして見えたりする
長い生命と言うドラマを演じ、今こうして僕と出会う
ドラマの脇役に入り込めた事、僕はとても幸せに感じます
施術が終わり佐藤さん宅を出ると、外は雷雨
ガラガラ！！！とカミナリが地球を揺さぶる
地球も生きている
気持ちがいいので、雨にビシャビシャ浴びながら車に向かいました
先日、自ら命を絶ったバカなあいつ
もう許してやろうじゃないか
もうしがみつくのはやめよう
きっと今は笑っているだろう