人間環境学部文化コミュニケーション学科
4回 磯江冬馬

僕は1回生の冬に大きな手術をした。痛みと、食事と水分制限、時間も分からず、機械音だけのICUで一人横たわっている事は、あまりの辛さに、病院の窓から飛び降りる夢を見て大声で叫ぶ状況だった。今まで、健康で、何の苦労もせず、大好きなサッカーに専念出来た事を当たり前と感じていたが、本当はとても幸せな事だったと、ICUで考えた。世界には、病気と闘っている人、貧困で餓死していく子どもが大勢いる、それが身に染みて涙が出た。
入院によって、家族はもちろん、見舞いや、SNSで励ましてくれた仲間、多くの人達に支えられている事に感謝した。
それ以来「感謝、努力、恩返し」という言葉を大切にしている。日々感謝し、努力する事で、恩返しに繋げたい。私が、主務を引き受けたのも、恩返しの気持ちだ。主務の仕事は、多忙を極める事は分かっていたが、お世話になったチームの為に働きたいと思い引き受けた。
産大に入学すると、技術やセンスのある選手が多く、この中でやっていけるのか?試合に出られるのか?自信も無くした。
1回生からAチームであったが、当時はサテがIリーグに登録していなかった為、1年間1度も公式戦に出場する機会はなかった。一人だけ出場機会の無い僕に、安里コーチが「Iリーグに出ているBチームの奴の方が伸びている。Bチームで試合経験を積んだ方がいいんじゃないか」と心配してくれた事もある。しかし、諦めず頑張った、プレーだけではなく、試合の前日は緊張を解し、盛り上げようと一発芸もした、最終節前日はハッピを仕込んで応援もした、試合には出れないが、自分の出来る事でチームの勝利に貢献したいと考えていた。
主務をして思う事は、規則を守れ、時間を守れ、授業に出てしっかり単位を取れ、それが出来ていない選手が多い。そんな事で、技術もあり、試合に出て、プロも目指せるかもしれない選手が、サッカーや学校を辞めるような事になる場合もあり、本当にもったいなく、残念で仕方ない。サッカーが上手いだけでは社会では通用しない。サッカーを通じて、人として成長していこう。
僕も、長いサッカー活動の集大成として悔いの残らない様に、ここまで導いてくれた全ての方々に恩返しが出来る様に、半年必死で頑張りたい。決定戦は厳しい試合になると思うが、全員で心を一つに強い気持ちでファイヤ🔥