親愛なるマリヤへ

 

僕はどうしても思い出せない

君に接吻したあの日のことを

 

僕は確かに君のくちびるに触れた

そして接吻した

その薄いくちびるに

その美しいくちびるに

 

僕は覚えている

確かに

君の寝顔を眺めながら

窓から入る朝陽の輝きと共に

君の瞳に接吻したあの日の記憶を

 

まだ幼かった

子ども達と添い寝したお布団で

 

幸福だったあの日の記憶と共に