ある女優さんへ

 

幼い子ども

家族を残し

あなたは旅立った

そこには切実な理由があったのだろうが

 

僕はあなたの演じる女性に

いつも憧れを抱いていた

女優という輝いた世界に身をおきながら

実生活でのギャップに悩んでいたのだろうか

 

何年絶とうが、あなたの映像は色褪せない

悲しいまでに色褪せない

その澄んだ瞳は何を物語るのだろう

 

あなたは、ひとりの母、ひとりの妻

ひとりのこころ優しい女性

もっと泣いて良かったんだよ

もっと愚痴を言ってよかったんだよ

あなたは身を持って語る、命の大切さを