万博は、「未来を展示する場所」ではない。「未来っぽいことをしながら、文句をたれつつ、今の平和を享受し、平穏無事を楽しむ場所」なのだ

 

夢洲で迷子になったけど、たぶん未来は見た。

2025年4月13日。
ついにこの日が来てしまった。
大阪・関西万博、開幕。

世の中は「リング型屋根は無駄だ」「交通アクセスが壊滅的」「パビリオン間に合ってない」など、
開催前からツッコミどころ満載だったが、
そんな炎上の中心地・夢洲(ゆめしま)へ、己の目で“地獄か未来か”を確かめに行ってきた


アクセス=イベント第1ステージ

まず、夢洲までの道のりがひとつのアトラクション。
電車とバスを駆使して、ようやく到着したときには既に軽く疲れていた。
まさに「未来社会への旅」は、アクセスから修行である。

入場ゲートはピカピカの最新式。
でもQRコードを読み取ったあと、係員のおじさんが目視でチェック
「未来と昭和のハイブリッド感」に胸が高鳴る。


第一印象:広い!でも未完成!

いざ中へ。
最初に目に飛び込んできたのは、テレビで散々叩かれていた例の**「リング」**。
なんだかんだ言って、実物はめちゃくちゃデカい。
しかも、夕日に照らされているその姿は…正直、ちょっとかっこいい。
あれ…?おれ、まさかテンション上がってる?

でも周りを見ると、工事中のパビリオン、白いフェンス、そして
「現在準備中です」の張り紙ラッシュ。

この未完成感、ちょっと文化祭前日の校舎に似てる。
“間に合ってないのに始まっちゃった”感が、むしろエモい。


未来体験ゾーン、バグも込みで未来

せっかく来たから、いくつかパビリオンをまわる。
AI、宇宙、SDGs、メタバース――聞こえは豪華だが、
中身はというと、「プレゼン感」が強め。

あるブースでは「未来のスマートシティを体験!」と謳っていたが、
スタッフの説明は「画面の右下、タップしてください」「次に“決定”ボタンです」など、
なんか未来よりリモコンの説明っぽい

でも、没入型のVR展示はすごかった。
「未来の自分に出会う」コンテンツで、自分が老人になった姿が映し出される。
しかも、その未来の自分が夢洲で迷っていた。

もうこれは、展示というより予言である。


お腹は空くし、財布は泣く

フードエリアも大混雑。
「世界のグルメ大集合!」と聞いていたのに、
たこ焼き、たこ焼き、たこ焼き(3種類)+カレーと焼きそば。

そして価格は、1品1,800円の世界基準。
アメリカンサイズかと思ったら、ポーションは完全にジャパニーズ・ミニマム
未来って、こんなに高かったっけ。


トイレとWi-Fiは、つながる未来を拒否中

「万博は“つながる未来”がテーマ」――ということで、
試しに会場内でWi-Fiにつないでみる。

つながらない。

ならばと、スマートトイレを探してみるも、
「故障中」の張り紙多数。なるほど、これが**“オフラインのリアル”**ってやつか。
未来社会も、紙と根性が頼りである。


で、結局どうだったの?

正直言うと、
未来っぽさも、技術革新も、アクセスの快適さも、そこまで感じなかった。

けれど、それでも、会場には確かに“熱気”があった。

迷ってる人に地図を教える学生スタッフ。
子どもと一緒にパビリオンを巡って「すごーい!」と笑う親子。
外国人観光客と写真を撮り合う人たち。
…そして、炎上をネタにしながら、ちゃっかり楽しんでる自分。

気づいたら、
リングを背景に自撮りしていた。
バズりそうな投稿を考えていた。
たこ焼き、2回食べた。

ああ、負けた。
未来なんて来てなくても、この空間は、
“今の日本のリアル”が詰まった、めちゃくちゃ濃いテーマパークだった。


最後に

万博は、完璧じゃない。
むしろガタガタだし、疑問もたくさんある。
でも、行ってみないと分からない混沌と熱量がある。
そしてそれを笑い飛ばしながら楽しめる空気が、今の日本にはある。

それこそが、この万博の“隠れた魅力”かもしれない。


万博は、「未来を展示する場所」じゃない。
「未来っぽいことをやりながら、今を楽しむ場所」なのだ。

1日目、たっぷり迷子になって、たっぷり笑った。
次は誰かと一緒に行きたい。
夢洲で、また会おう。