1ヶ月以上も前に、とても尊敬する僧侶から言われたこと。


「行の人」の記事で書いた人だ。


「osamaryさんは、もっと欲を出せばいいと思う。」


私とその彼と他の人との3人で雑談している時に、彼が何気にぽつりとそう言ったのだけど

もう1人の人の別の話がすぐ被ってきたので、そのまま別の会話になってしまった。


その時はあまり深く考えてなかったので、どういうことかと聞き返しもしなかったけれど、ずっと心に引っ掛かっているまま。


その彼に聞いてみたいが、彼はこのお寺の人ではないので、次に話せるとしたらいつのことになるやら。



「欲を出せ」



職場でもっとやりたいようにやっていけと言うことなのか。


私の生き方に対して言ったのか。


そんなに抑えているように見えるのか。

そんなに遠慮しているように見えるのか。


彼は私の何を見て言ったのだろう。



本当は私の意識の深いところは、その意味を知っていると思う。


けれど浅いところまで出てきていない。


なので気にかかって仕方がない。


なにか深い意識と浅い意識が一致してない感じ。


「欲を出せ」


わからないなあ。


でも本当はわかっていることなんだけど。


今日は東日本大震災で亡くなった方々の四十九日にあたります。

お寺では地震発生時刻と同時に梵鐘を撞いて、境内中に黙祷をお願いするアナウンスをしました。

黙祷終了と同時に追悼法要の開始です。



通常、境内で使われている梵鐘はひとつだけですが

今回はもう長い期間使われていなかった他のふたつの梵鐘も打ち鳴らし、滅多に聴くことのない梵鐘三重奏の音色が響き渡りました。

ここで二十年近く勤めている人でさえ聴いたことがないと言うくらいですから

相当珍しいことなのです。


たまたまその時間に居合わせた近隣の方などは
この鐘が鳴るなんて!
と感動し


偶然来ていた遠方からの信者さんは
いい時に来させてもらったと
手を合わせていました。



こういったことも含めて常に思うのですが


お寺にとっては普通のことでも参詣者にとってはありがたいことなのだと。


日々ここでいるとついついあたりまえのようになってしまうのですが

今日の鐘の音がまた、あたりまえではないのだと教えてくれました。




あたりまえのようにあるものは決してあたりまえではなく


あたりまえのようにいる人も決してあたりまえではない。


あたりまえのものなど何ひとつない。

今見えているものは、本当はすべて幻想なのかもしれない。


と、そう思います。



いつでも消えてなくなるし
いなくなるし。


だからこそ、あたりまえのように見えるものが
いつ消えてもいいように


その一瞬一瞬に手を合わせるくらいの気持ちがあってもいいのだと思います。



今日、四十九日を迎えたあまりにも大勢の魂が、その身を使って教えてくれたことかもしれません。



近々行われる行事のポスターを作ったので、お堂の中に貼ってもらうため、僧侶の詰所へ行きました。


このポスター作り、2年ほど前に、業者に依頼せず試しに自分でパソコン作成して寺内に貼り出したのが始まりなのですが

いつのまにやらA1サイズがプリントできる大型プリンターまでお寺が買ってくれ、すっかり私の業務の一部になりました。

それまでほとんど告知することのなかった行事までポスターを作り寺内にペタペタしております。

もちろん、文言や使用画像なんかは上の許可を取ってからですが。


貴重な寺宝や法要の画像なんかを使うと、ポスターが欲しいとか売ってくれとか言う人達が、これまた結構出てくるのです。

私としては、寺内に1人用の小さいプレハブなんぞ建てて、個人的にポスター売りの商売をしたいくらいで。

やってもいいならやりますけどね。
プレハブごと私も撤去されますね。



さてさて、僧侶の詰所に入り、若手僧侶の束ね役の先輩僧侶に
「これ次の行事のポスターなんですが」と渡すと、じ~っと見て

「よっしゃ!目立つ所に貼るぞ」と先輩僧侶はポスターを持ってお堂の入口へ早足で。

慌ててそのあとに続く若手僧侶5名。

僕が貼りますとかなんとか言いながら、バタバタみんなお堂の入口へ。


おお!そんなに私のポスターに興味があるのか!と言いたいところですが

そうではない。


高い所へ貼ろうと先輩僧侶が台に登れば、すかさず2名が台を押さえ
1名は押しピンを手渡し
残り2名は、もう少し右が上ですなんぞと平行感覚を見ている。


これ
先輩僧侶に自ら貼らせるなんて雑務をさせてはいけないと
慌てふためいた若手達の行動なのです。



徹底した先輩を立てる姿勢はまさに体育会系。
この先輩僧侶が、いくぞ~っ!と言えば
お~っ!とどこまでもみんなついていきます。

抜群のノリ。抜群の連帯感。

もちろんこれも、この先輩僧侶の人柄が大いに影響しているのは言うまでもないことで。

個性溢れる若手達をまとめあげ、若手達もこの先輩がいるからここで頑張れると口を揃えて言います。

羨ましいくらいの主従関係。
一般職員には決してない関係。


ポスター1枚貼るのに5人が駆け寄る。


私なんかさっきまで独りで寺内のあっちこっちに貼ってたんだけどね。

風でめくれて困ってたら、気のいい信者のおっちゃんが片方を押さえてくれてたわ。

ふ~んだ!(-.-)



で、ポスターを貼り追えると、また先輩僧侶を筆頭に詰所に帰っていきました。


それはいいんだけど


ちょっとお、なんかポスターの感想とかないわけ?

今回もかなりいいデキよ。

自慢じゃないけど、いやかなり自慢するけど
私のポスター、出入りの印刷屋や広告屋に誉められるのよ。

この間なんか、うちに雇いたいって言われたわよ。

時給聞いたら今の4倍よ!
思わず、引き抜いてくれと言いそうになったわ。

ちょっとちょっとお、私転職しちゃうよ。


いいのお~~~?

お寺辞めるよお~?



と、独り虚しくぼやいてみた。



もちろんまだ辞めません(^^)v