自己愛パーソナリティー障害、境界性パーソナリティー障害(ボーダー)といった人からDV、虐待を受けているとだんだんと彼等の言うことに疑問を持たなくなる、だんだんと彼等の言う通りに行動するようになります。
こういった状態をマインドコントロールされている、洗脳されている状態と言います。


自己愛やボーダーが使うので怖いものと思ってしまいますが、普段の生活の中にはこれと似たものがたくさんあります。
特にマインドコントロールは山ほどあるといっていいでしょう。
相談の中でも家族が、親戚がコントロールされてしまい敵対的行動を取り続けている、財産を奪われたといったものがよくあります。
よく見ていれば何となく怪しさが分かるはずなのですが、気のせい等といった思い込みで放置することでトンデモナイ目に遭う事になります。
今回は、注意喚起としてマインドコントロール、以前投稿した洗脳についての話しです。

あなたを攻撃、支配する人、暴力や虐待を加える人。
それは性格でもクセでもありません。
短気、キレ易いといったことだけでもありません。
彼等は何かしらの精神的問題を持っていることを知ってください。



マインドコントロールと洗脳、実はこの2つは似て非なるものです。
違いを簡単に説明すると、
洗脳とは、虐待や拷問、違法薬物、電気ショックなど、暴力的手段を使って相手を精神的に追い込むことで心を支配すること。

対して、マインドコントロールは、心の隙に入り込み、情に訴えたり巧みな会話で相手の心を変えるよう導くことです。
大きく異なる点は、洗脳が暴力等で強制的に心を変化させるのに対して、マインドコントロールの方は、あたかも「自分がそうしたいから、する」といった自発的な心の変化を促す点です。

ですから、家庭でのDVにあるすべての項目、身体的虐待、精神的虐待、性的虐待、経済的虐待、社会的隔離は暴力的手段を使って相手を追い込んでいるので洗脳と言えます。 
恐怖心を与え、精神的に追い込むことで、その苦しみから逃れる手段として相手の心を変えていくのが「洗脳」なんです。

何かすれば罵倒され暴力を振るわれる。
命令通りにしなければ、口答えすれば、逃げようとすれば、同じようにされる。
DVでの洗脳はこういったモノがほとんどです。
中には、それだけでは済まず、ロープでぐるぐる巻きにされたところで、家の敷地に掘った大きな穴に「埋めてやるから入れ」と言われた人もいます。

暴力や恐怖、精神的なプレッシャーは支配への道、支配のための道具にもなります。

こういった手段、方法で支配する人間はどこにでもいます。
私への相談でも、この段階を踏まれて支配が進んでいる状態の人は本当に多いモノです。

しかも、当人はそれが支配とは思わずタダの口うるさいダンナ、物事に細かいダンナ、自分を心配してくれている恋人等と思い込んでいて、コントロールされている、しようとしているとはまったく思っていません。


カルト集団の洗脳も虐待が付いてきます。
食事無しで、何人もの人の前に出され自己批判させるられる。
それを周りの人が批判する。
空腹と疲れで思考力、判断力がゼロでしかも抵抗力もゼロの状態にして批判し続ける。
誰かにすがりたい、頼りたい、助けてもらいたいと思うようになった頃にリーダーが出てきて、優しく声を掛け自己批判を受け入れてくれる。
こうなるとそのリーダーが神のように見え、リーダーの言う事すべてを無条件で受け入れるようになります。
形はいろいろありますが、だいたいがこういった流れを使います。

判断力がゼロになった時に契約させるのがマルチ商法に多いやり方。
リーダーが出てきてすべてを認めてくれるのがカルト集団やカルト宗教といえます。

家でのDVも同じで、ダンナが奥さんを何時間も説教する、子供を正座させて何時間も説教するというのはまるっきりこの洗脳教育になります。



では、マインドコントロールはどんな感じでしょうか。
よくあるのが、親切なふりをして近づいて、信頼させることで徐々に精神、心、考えを支配していくのが「マインドコントロール」です。

味方、友達、親身なってくれる人といった姿で近づきます。
自己愛者であればフレネミー、コミニュティクラッシャーがそうでしょう。
また、形を変え弱者のフリをして近づき、あなたを自分にとって都合の良い人物に変えてしまう、自分の奴隷にしてしまうという方法を取ることもあります。

マインドコントロールの対象となる人の多くは、心が弱っている人、誰かに助けてもらいたいと思っている人達です。
また、新しい趣味などを探している人、何かを始めようとしている人に接近してきます。

例えば、独りが好きという人には、みんなと一緒にいると楽しい、ということをさり気なく、言い方を変えたり、写真を見せたりしながら「グループでいることの楽しさ」を頭に刷り込んでいきます。
一度や二度の接触で完成させるのではなく、たくさんの時間を掛けて少しづつ何度も刷り込みます。
そうやって引き釣り込みます。

家庭で置き換えると、暴力や虐待は無いけれど、時間厳守やモノの置き場所厳守といったなんらかのルールで縛る、最初はクセかそういったことを気にするタイプだと思わせておいて、だんだんと締め付けを厳しくする。つまりは茹でガエル戦法、サラミスライス戦略です。
少しづつ侵略していけば、注意もせず簡単に受け入れてしまう人間の性質を利用している訳です。


最初に、普段の生活の中にもマインドコントロールはあると言いましたが、それはどんなものでしょう。

身近なものであれば、宣伝、コマーシャルです。
何度も見せる聞かせることで、頭に染みついています。
マークを見ればその会社を簡単い想像できたりもします。

いろいろな情報の中にもコントロールはあります。
特定の事案、特定の意見については流さない、見せないというコントロールもあります。
見せたとしても、切り取り、拡大といった方法も取られています。
取ったり付けたり、切ったり貼ったり、といった言葉もあるくらいです。
ウソのような本当の話し、本当のようなウソの話しもたくさんあります。

広告宣伝、マーケティングの世界で使われていますが、政治宣伝、プロパガンダの応用です。

「宣伝とは、他人に影響を与えるように物事を述べること」とモノの本にあります。

他人の思考に影響を与える、しかも本人がそれと知らずに受け入れてしまうもの、それがマインドコントロールです。



交際相手、結婚相手の中にもこういった手法を生まれながら知っている人、そのテクニックを持っている人がいます。

彼等はそのテクニックを使ってターゲットとなった人を改造していきます。
それまでの自己、アイデンティティを強制的、あるいは知らないうちに捨てさせて、新しいアイデンティティを植え付けます。
パソコンでいえば、洗脳は一旦初期化して新しいソフトを入れること。
マインドコントロールは、随時バージョンアップさせる、随時修正ソフトをダウンロードさせて、やがて最初とはまったく別物のソフトにしてしまうようなものです。

自己愛にしろ境界性にしろ、彼等は洗脳とマインドコントロールを使って支配を進めます。
ターゲットになった人は、「なんかオカシイな」「嫌だな」とは思いつつも、それを受け入れてしまいます。
オカシイな、イヤだなという気持ちは、心が警報を出している状態です。
理論理屈で考えるのではなく、直感感情を使ってあなたに警報をだしているのです。

残念なことに人間は、直感で思ったことを理論理屈で整理して自分を納得させようとします。
ここで危険判断に誤りが出ます。
そして何年、何十年か経った時にもう一度、同じような警報が出て、初めてそこで自分がコントロールされていたことに気づきます。

ここが不思議なのですが、依頼者や相談者は最初の警報を無視して悲惨な生活を続けます。
しかし、次に同じような警報が出た時に「我に」返ってコントロールから抜け出します。


マインドコントロールは目を覚まさせることができますが、洗脳はそれが難しく、新たな記憶を上書きしていくことで埋めてしまうくらいしかないようです。
ただ、どちらも支配から解放された後には複雑性PTSDが付いてくるようです。

また、洗脳の場合、この複雑性PTSDでの苦しみから逃れるために元の生活、元の集団に戻ってしまう人も随分といます。
心や精神の支配は厄介なもの、基に戻すのが大変なものです。