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撮影 2016.4.30  JR北海道 渡島大野(新函館北斗)駅 にて  

さて、在来線から 特急・急行の本州連絡列車が廃止されまして、いよいよ 北海道新幹線の開業が迫ってまいりました。この際、長い間 鉄道ファンとして、また 一道民として あるいは 移住者として、今回の 新幹線をめぐるさまざまな出来事、そして現実について 私見を述べたいと思います。

まず、私の考え方なのですが。道民として 北海道に新幹線が乗り入れされることには 一応賛成です。ただし、約20年後に札幌まで延伸させるのは 反対であると明言しておきます。すると、オマエは鉄道ファンのクセに なぜ 反対なのだ!と 批判される方もおられるかもしれません。しかしながら、いくら鉄道が好きだからと言って、なんでもかんでも 賛成できないのは、やはり 道民の一人として 住んでいるからこそ思う さまざまな用件があるのです。
結論から申せば、今回 とりあえず函館まで開通することで北海道も新幹線で全国と繋がるわけで、まあ これでイイじゃないですか! 無理にこれ以上伸ばさなくっても… と思っています。
札幌延伸に反対の理由ですか? そんなの子供(or 盲目的な鉄オタ)じゃない限り、皆さん おわかりかと思うのですが。北海道を取り巻く様々な情勢、経済環境から 反対なワケですね。

先日、アンケートと言うほどではありませんが 室蘭の会社の同僚と 函館まで来る新幹線について話をしてみました。すると…もちろん 新幹線が来ることはほぼ全員が知っていました。しかし、誰も乗りたいとは言わなかったです。東京へ行く必要ができたら? と問えば、当然 新千歳から飛行機でしょう! みんな異口同音に そんな答えが返ってきました。私ですか… ウーン、残念ですが やはり同僚と同じく飛行機を使うでしょう。急いでなければ… マイカーでフェリーを利用して内地を走っていきます。

ちなみに無くなってしまった 北斗星があったら利用するかどうか? …やっぱり 大多数の人は飛行機にするとか。だって、汽車なら 時間がかかりすぎて退屈なんです てな理由です。学校の修学旅行で 北斗星に乗ったことのある人はいたものの、東京へ個人で出かけるのに乗ったという話は皆無でした。

まあ、室蘭は函館から150kmも離れていますので 北海道新幹線にそれほど興味がないともとれます。では、函館の人たちは どうなのでしょう。確かに 歓迎ムードは発生しているようですが、すでに報じられたとおり 開業初日はほぼ満席なものの、以降はかなり空きがあるそうで予約率は25%という記事も 新聞で読みました。JR北海道の社長は 桜の開花の絡むGWの観光に期待したいと言ったとか。
函館周辺の住民が 真に乗りたがったとしたら、こんなに低い予約率になるはずもないと思います。

そもそも 新聞などの論調は、最初から 新たな観光需要の掘り起こし がメインなのです。ビジネス客や道民の利用も それほど重視していない様子でした。ホテルや観光業者、各地の観光協会 そして道庁にいたるまで、やかましいほどの キャンペーンを行っているようです。
思い起こせば 古き開拓の時代は、鉄道が開通することで 一気に流通をはじめ全ての産業が活気づきました。よく住民の悲願とも言われ みんなが喜んで有難がった様子が、昔の新聞に描かれています。

ところが 今回の北海道新幹線の開通は 全く事情が異なる様子です。それは 住民の生活のほとんどに 自動車の活用が浸透してしまっていること、また 内地など遠距離の場所との交流には 飛行機が同じく 普通に使われていることが影響していると思います。残念ながら 道民にとって、新幹線は必要不可欠なものではなく、あってもまあイイかなぁ という 存在にすぎないのです。
長くなりましたが… どうして このような残念な結果に終始してしまうのか、さらに 具体例を挙げてみたいと思います。それは 恐るべき 北海道における鉄道産業の衰退する姿が 浮かび上がってくるのです。 次回に続きます。ご意見、ご感想 大いに歓迎します。