シルバーウィーク最後の日はお友達と♪~追記・小説7 | orizuruブログ

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保護した仔猫の成長記録♪生死をさ迷って・・・

ラッキーへのお悔やみメッセージ、ありがとうございましたぁー
幸せの薄い子だったと思いますが、こうして優しいお言葉を頂いてあの子は幸せな子になったと思いますぅー
みなさまには深く感謝致します。。。

今日は連休最後の日、友人に誘われてぇー
ヨコハマ駅へ(^^)v
すごい混み方でしたがぁー



フライを食べようかと言う事で、待つこと40分(^_^;)
美味しかったです
久しぶりのトーク(^^
忙しくてなかなか会えないんですけども。。。



帰りに今晩のおかずを買った彼女に頂きましたぁー
冠生園の醤油焼きそばとギョーザ!
焼きそばが結構美味しいんですぅー
ゆきもポンパドールのパンを買っておいたので、彼女に(^.^)

本日のワンショット



フクちゃん、急速に大きくなっていますねぇー


追記~小説7

朝からお婆さんはおせち料理を作っていました。
でもいつもと違っていたのは三段重ねの重箱に、自分がいなくなっても分かるようにと…
一番上は元旦用、二段目は二日目に、三段目は三日の日に食べてもらおうと心配りをして詰めた事です。


「お爺さん、これお正月に食べてくださいね。それからこっちはたまの分ですから」


ニャーオーン
お婆さんの雰囲気が変わったのを感じ取ったたまは、足元からこの日は離れようとしませんでした。


「お爺さん、ちょっとご近所さんへ挨拶まわりに行って来ます」


暮れの挨拶だと思った近所の人達も、お婆さんの心のうちを読み取る事が出来た人は一人もおりませんでした。
そして師走の夜も更けて。
三日三晩居ついて酒盛りをしております死神と、お爺さんの間へ座り込むと。


「お爺さん、体には気をつけてくださいね、たまをよろしくお願いします」と笑顔で話しかけました。

「あー まるで何処かへ行くような口ぶりだが・・・」と訝るお爺さん。

「やですね、何処へも行きませんよ」と、お婆さんはたまを膝に抱きました。


話しを店の土間で聞いていた貧乏神は、自分の瞳に何かが溢れてくるのを感じました。


ポタッ


手の平に落ちたのは涙。


これが涙なのか? 人間と違って涙の出ないはずの神さま。


お婆さんはそれに気が付いて。


「神さん、ありがとうございました」

「そんな、僕は人を不幸にして嫌われる貧乏神です。なのにその僕にとっても良くしてくれて、なんにもお礼が出来なくてすみません」

「なにを言ってるんですかー 神さんに来てもらってから、このお店が明るくなって繁盛したこと」

「神さんは人を幸せにしてくれる神さまですよ」


そう言い終わるとお婆さんは、地獄へ旅立つ為の身支度をしに、奥の部屋へと入って行きました。
深夜零時が刻々と近づいてまいります。
とうとう除夜の鐘が鳴りはじめました。


ゴォーーン


「ひとつ ふたつ みっつ・・・」


この鐘が鳴り終わる前に、地獄へ行かなくてはなりません。
お婆さんはじっーと鐘の音を聞きながら、死神を待ちました。


待ちました・・・


待ちました・・・


待ちましたが・・・


ついに百八つの鐘の音は鳴り止んでしまいました。


「ここは地獄かしら?」と、お婆さんが薄目を開けてまわりを見渡しますと元の家。


ゆっくりと隣りの部屋を開けてみますと、そこには酔い潰れたお爺さんと死神が眠りこんでおりました。


「お婆さん無事だったんですね、よかった」


そう言って走り寄って来たのは貧乏神でした。


「あれから僕、たくさんお酒を死神に呑ませたんです、見事に酔い潰れて」

「じゃあ、私はもう地獄へは行かなくていいんでしょうか?」


その声を聞いて目が醒めた死神。


「あたっー やってしもうたわぁー 寝過ごしや」

「まだ、お婆さんを地獄へ連れて行くんですか?」

「時間切れや、もう地獄の門はとうに閉まってるわ」


元旦早朝。


横濱には珍しく、青い空に風花が舞っておりました。
屋根の上では、地獄へ戻る死神と見送る貧乏神の姿があって・・・


「雪やん 縁起のぇえ正月やなぁ」

「婆さんが言ってたが、ほんまにあんたは貧乏神には向いてないわ」

「 ・・・」

「そろそろ行くわ」

「すみません。実は僕、死神さんにわざとたくさんお酒を呑ませたんです」

「ほうかぁー でもわしゃ地獄でも、゛うわばみ゛て呼ばれてるぐらいに、幾ら呑んでも酔い潰れたりせんのや」

「じゃあー 夕べは? 呑み潰れて眠ってたふりをしてたんですか?」

「そう言うこっちゃ、あんな人のえぇ夫婦見た事ないし」

「わしゃ、今度の魂でちょうど100万個目だったんや。500年間にそれだけの魂を集めるとなぁ、天上界へ移り住めたんやけども」

「そうだったんですかー」

「極楽への入り口にいる金色の衣を着た門番をするのが夢やった、リセットされてしもうたから、今日から又集めなおしや」

「いい人なんですね、死神さんは」

「当たり前や、今頃気いついたんかぁ」

「兄ちゃんはどうするんやぁー?」

「疫病神と貧乏神しか席が空いてなくて決めたんですけど、僕も天上界へ戻ってみます」


こうして死神は閻魔大魔王さまがいらっしゃる地獄へ、数ヶ月後貧乏神もお釈迦さまのいらっしゃる極楽へと帰りました。
その後もお店は繁盛しておりましたが、足腰の弱ったお爺さんとお婆さんは田舎へ引っ込むことになって、たまは近くの商家へと貰われて行きました。
こうしてまた数年が経ち、お爺さんとお婆さんが営んでいたお店も廃屋になってしまい、世間からも忘れられておりました。