"ゆいのことぜったいにわすれないから!"




"うん、私も。たとえ離れていても心は繋がっているから!"





銀河鉄道が迎えに来てくれそうなくらいの満天の星空の下、去っていく彼女に私は約束した。




"ぜったいにゆいとけっこんするんだから!"





"…!待ってる、、。"






私は今でも信じている。

綺麗な星空がくれる奇跡を。






プラネタリウム/planetarium






✩┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈✩




私は小林由依。

今年で16になる。

実家は農業をしていて、父が経営しているスーパーで野菜などを販売している。

私は父が作ってきた農業を継いでいきたくて、高校を卒業したらすぐに父の見習いになるつもり。



うちは新鮮な野菜や果物などを作るための広大な敷地があり、そこで色々作っている。



綺麗で新鮮な空気と澄んだ天然水が農業には必要なため、それなりの自然豊かな田舎に住んでいるため、曇ってさえいなければ、毎日空を見上げたら星が輝いているのだ。





手伝いの終わりには、そんな風に空ばかりを見上げる日々が続いていたある日のこと。

隣の借家に誰かが引っ越してきたみたいだった。

隣に引っ越してきた人は、私たちの家に挨拶に来てくれた。




(隣に越して来ました、渡邉です。よろしくお願い致します。よかったら受け取ってください。)





そう言った渡邉さんは父さんに手土産を渡していた。

それを受け取った父さんから少し視線をズラして、渡邉さんを見ると、その後ろには可愛い女の子がいた。




(理佐、あいさつしたら?)




「わたしはわたなべりさ!6さい!」




そう言って元気に挨拶してくれた渡邉理佐ちゃんはお母さんと一緒に東京から引っ越してきたみたいだった。




「理佐ちゃんか〜、私は小林由依だよ!由依って呼んで欲しいな?」




「…!ゆい!」




「うん!」





元気な声で私の名前を呼んでくれるから、私も嬉しくなる。

そんな様子を理佐のお母様と父さんは微笑ましく見ていてくれた。










理佐が引っ越してきてしばらく経った頃、この辺りを一人で歩いていた理佐ちゃんを発見した。

理佐ちゃんの通う小学校はもう少し向こうの方にあって、そんなに遠くはない。

だけど、こっちの方に家がある子は少なく、一緒に放課後など遊ぶ人もいないらしい。




「おかえりなさい、理佐ちゃん!」





「…。た、ただいま!」





だから私だけでも理佐ちゃんと話したい。

そう思って私の学校帰りと理佐ちゃんの学校帰りの日が合う時はいつも理佐ちゃんと話すことにしていて、、理佐ちゃんも喜んでくれたみたいで嬉しくなる。



最初の方こそ緊張していたものの、だんだん打ち解けて、たくさん笑顔を見せてくれるようになった。

理佐ちゃんには由依と呼んでと言ったものの、最初の方はお姉ちゃんって呼んでいた。

だけど最近は、ゆいって無邪気に呼んでくれる。




仲良くなってきたある日のこと、私は理佐ちゃんと一緒に山に星空を見に行った。




山道は結構長く、小学校には少しキツイかなと思ったけど、理佐ちゃんが思いのほか凄く頑張ってくれたから、星が綺麗に見える木陰スポットまで来ることができた。





「ほら、ここだよ!この木の間から空が見えるでしょ??」




「わぁ、、すごいね!こんなけしきははじめてみた!」




「そうでしょ!?私のお気に入りの場所なんだ」





「すごいすごい!みんなにじまんしよ〜!」





「ね!私も自慢したいくらいだよ!」





そんな会話をしながら2人で草の上に寝転がって星を眺めた。





「なんだか、プラネタリウムみたいだね」






「プラネタリウム?確かに…!でも、本物の星だから、リアルプラネタリウムだね!」





「えへへ!おもしろいなぁ〜」





「理佐ちゃんはさ、好きな人とかいるの?」





「えっ?うーん、、いるよ?」





「そっか!」





「ゆいはいるの?」





「今のところはいないかな。私の高校あまり人がいなくて、、、。」




少し困ったように笑ってみせると、理佐ちゃんも不思議そうな顔をしながらも笑ってくれた。




「それならわたしがゆいとけっこんする!」





「えっ!?でもさっき好きな人いるって…」





「ゆいのことだよ!わたし、ゆいがだいすき!」





「なっ、それは嬉しいけど、、!」





真っ直ぐな告白に私は少し驚いた。

不純物が全く混ざっていない天然物のような笑顔で私に大好きと言ってくれた彼女。





「ゆいはわたしのこときらい?」





「それはないよ!私も理佐ちゃんのこと好きだよ?」




そう言うと理佐ちゃんはとても明るい笑顔で言った。





「ほんとにわたしはゆいのことがすき!だいすきなの!まだわたし小さいからゆいを支えてあげられないけど、大きくなったら、、!」




そう言うと、真剣な顔して私に向かって、、





「大きくなったら、ゆいとけっこんする!だからまってて!!」





理佐ちゃんが私にそう言って、私が驚いている間に、空に何かが走った。




「…!ながれぼし!?」





「…うん、私も見えたよ!」





「そっか!おねがいごとしないと!」





そう言った彼女は、空に向かって願い事をした。





"ゆいより背が高くなって、力も強くなって、ゆいと結婚できる人になれますように"と。





そんな彼女のお願いごとに私は小さい声で答えた。





「……待ってるから、、」





流れ星を見ることが出来て、いい思い出ができた

そして、夜遅くならないうちに理佐ちゃんと下山する。

その日の夜はなんだか眠れなかった。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



半年後、また理佐ちゃんとあの場所に来た。

綺麗な星空が視界一面に広がっていて、空気も美味しいところなのに、何故か理佐ちゃんは浮かない顔をしていた…。





「…、理佐ちゃん、どうしたの?何かあった?」





「……う、ううん、なんでもないよ!」





無理に明るく振る舞う彼女だったが、空元気で、寧ろ、今にも泣き出しそうな顔をしていた。





「もし、話しても大丈夫なら教えてほしいな。」





「……。あのね、わたし明日ひっこすことになったの……。」





「そ、そんな、、いきなり、、!」





全然知らなかったし、噂さえも聞いていなかった。

まだ彼女はここに来て1年足らず。

それなのに、もう引っ越すなんて、、思いもしなかった。





「…だからね、ゆいと、、おわかれ、なの。」





そう言った彼女は限界だったのか、堪えていた涙が一気に流れた。

そして、啜り泣く。

そんな彼女を見て、私も今までの彼女との思い出が頭の中を駆け巡る。

すると私も涙が目に溜まり始めた。




「……っ、」





「ゆ、ゆいっ!?」





私は泣きじゃくる理佐ちゃんを抱きしめる。

理佐ちゃんは驚きながらも私の背中に腕を回してくれて、、。





「…お別れなんて、嫌だよ、、」





「わたしも、、!ゆいといっしょにいたいのに!」





「……理佐、ちゃん、、。」





そして私は約束したのだ。





「ゆいのこと、ぜったいにわすれないから!」






「私もだよ。心は繋がっているから大丈夫!」





そうして理佐はこの街を離れていってしまった。

昨日まで隣にいた少女が居なくなってしまって寂しい、、それに、あんな約束までしたのだ…、余計に心に穴が空いたように心が痛い。


心に空いた穴はなかなか塞がらないけど、私はもう高校生なんだ。

6歳の理佐ちゃんはもっともっと泣きたいはずなのにきっと向こうで頑張っているはず、、私がずっと泣いているわけにはいかない。





そんなふうに理佐ちゃんが居なくなってからも毎日毎日、元気に過ごした…。






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そして月日が流れて、あの別れから10年が経った。

高校を卒業し、大学への進学を機に東京へと引っ越した。

そして今は社会人4年目の26歳。




月日の流れとは早くて残酷でもある。

あの時の理佐ちゃんのことは今でも覚えているけれど、、あの頃の理佐ちゃんとはもう違う彼女になってしまったのだろう…。

私が社会人になったように、彼女だってもう高校生。あの頃の私くらいの年齢にはなっているはず。





「……。」





20代後半になると、周りの同期の中からも結婚をしたり、出産をしたりする人も出てくる。

親から結婚しなさいとは言われず、お母さんからは、「貴女の人生なんだから、私は口出ししないわ。よっぽど変な人じゃなければ年齢も性別も問わない」みたいなことを言われたから、急ぐ必要は全くない。





それに…理佐ちゃんはあの時の約束を…






「…、そんなの、覚えてるわけ、、」






なんだか思い出したら悲しくなってきて、涙が溢れてくる。

普通に考えて、あんな小さな時の約束が今でも有効なわけがない。

それでも、あの夜空に願った彼女の姿を今でもちゃんと覚えている。あの時の彼女の顔は真面目で、もしかしたらほんとに私のことが好きになって貰えたのかもなんて…。

しかし、そんなことを思ったのももう10年前の話。

高校生になった彼女はきっと新しい出会いを見つけているのだろう。





今、どこで何してるのかな…

10年前、とっても可愛かった貴方は今どんな姿をしているのかな…。

今でもその可愛さはきっと残ったままなんだろうな。

背も伸びて、私よりももう大きくなっているかもしれない。






「…、っ…」






どんどん涙が溢れてくる。

もう会えないからなのか、それとも、幼い約束をずっと信じすぎてしまったせいなのか。心のどこかでまだ私のことを迎えに来てくれるんじゃないかって期待してしまう。


前者は仕方がなかったにしても、後者は私が悪い。

もう忘れよう、、そしてどこかにいる彼女の人生を応援するよ。そして、私自身も…他の人を好きになってみる努力をしよう。






「そうすればきっと…こんなにも苦しくなくなるよね…。」








それから私は出会いを求めた。

そうしたら、何人かの人と出会うことができ、お出かけもした。



何人かの男性ともお出かけをしたけれど、その中のどの人ともなんだか合わず、もしかしたら私は男性と付き合うことが難しいんじゃないかという結論に自分の中でなった。




法律的には結婚とはいかないけど、恋人を作るというならば、女性でもいいかなって思った。




そしてある日、私は1人の女性と出かけた。






(はじめまして。A子といいます。)






「…こんにちは、はじめまして。由依です」






(あら、由依さんって言うの。写真で見て声掛けたんだけど、実物もほんとに可愛いわね。)





「あ、ありがとう、ございます。」






A子さんという彼女は、ある女性専用出会いアプリで私の写真を見て話しかけできてくれた。

しばらくやり取りをした後、私たちは会おうという事になり、今日初めて会った。

それまで私はYと名乗っていたため、名前は初公開だった。





(さあ、行きましょ。由依さん。)






「は、はい、、!」






彼女は私をことある事に可愛いと言ってくれた。

そして、優柔不断気味な私の相談を聞いてくれたり、引っ張っていってくれる頼もしい人だった。





(ほら、由依さんにはこれが似合うわ!)






「…!そ、そうですかね?」






(もちろん、何着ても由依ちゃんなら可愛い。)






「…!ゆ、由依ちゃん、、って」






(仲良くなりたいからねぇ。さん付けじゃなんか他人行儀過ぎないかしら?)






「…そうですね、、」






ちょっと大胆なところもあるけれど、恥ずかしがり屋な私にはそういう提案をしてくれることはちょっと嬉しかったりした。




そんな彼女とのお出かけもそろそろ時間が迫っていた。




今日1日一緒にいて、この人となら今後も関係を続けていけそうだなって思って、なんだか心が少し軽くなった気がした。





「そろそろ夜も遅くなってきたので、、今日は解散ですかね?でも、今日はほんとに楽しかったです!できたらまた…、?」





A子さんの様子がなんだかおかしいように見えた。






(由依ちゃん、、そんなんでもう帰るつもりなの?私はまだ帰りたくないんだけど?)





そう言われてももう夜の8時を過ぎている。

普通のお出かけならもう帰る時間であるはず。





「で、でも、、まだ今日ははじめましてだし、、私お酒は飲めなくて…」






(なるほどねぇ。別に、お酒を飲みに行くとは言ってないわよ?)





「…え?」





(私が行きたいのはあそこよ)





そう言ってA子が指を指したその先にはホテルが立ち並んでいた。

しかもおそらくそういうホテルである。





「…っ、」






私は血の気が引いた。

嫌だ、行きたくない。まだそこまでは許したくない。

逃げなきゃいけないのに、身体が動かない。

身体を固定されている訳ではないのに、身体が動かないのは、彼女の圧力だろうか。





(さて、行きましょ。由依ちゃん?)






「い、やだ、、、っ!」





(んー?何言ってるのかわからないわよ?)






声が掠れてしまい、抵抗もできない。

知らないうちに涙が溢れてくる。

そんな私の事なんかお構い無しにA子は私をホテルへと連行する。





(さぁ、着いたわ。ここからがお楽しみの時間よ。2人きりで楽しみましょうね?)






そう言われて、顔を近づけてくる彼女に私は意識を取り戻したかのようにハッとした。

もうホテルの真ん前まで来ていた。これ以上は本当に取り返しがつかなくなってしまう。

今までも男性とのお出かけの時だってこういうのに誘われたことはあったけど、警戒していたから逃げられた。

でも、今回は女の人だったからか、警戒を緩めてしまった。

そのせいで今こんな…






「…嫌だっ、入りたくない!」






同性だから少しは抵抗できると思った。





(そんな抵抗じゃ、無理よ?)





でも、圧倒的に相手の方が強かった。

確かに私は力には自信はなかったが、同性の相手にここまで無力であるなんて知らなかった。





「い、や、、やめ、て、、。」





(そんな嫌がる君も可愛い。その唇貰ってもいいよね?)





そう言った彼女は私に顔をどんどん近づけてくる。

抵抗出来なくなった私は諦めるしか無くなった。

ホテル街の狭い裏路地にいる私たちは通行人の目には止まりにくい。



目から光が消え、人形のようになってしまった私だったが、その唇が奪われる前に、走馬灯のように昔の記憶が思い出される。




理佐ちゃん、、、

私はあの時の約束を覚えてるよ…なんて。






"ストープ!お姉さんダメじゃん!嫌がってるのに無理やりキスするなんてさ!しかもここ外だよ!"






「…っ!」






誰かが助けてくれた?

でもここは裏路地で、、もし見かけたとしても、こんな場面は見て見ぬふりをするのに。





(全く、空気の読めない子ね?誰よ貴方?)






「誰だっていいじゃん。彼女、明らかにボロボロだし、抵抗をした後もあるのに、、それでも無理やりしてる貴女の方がヤバいよ?」





(仕方がないじゃない。せっかく仲良くなったのに、抵抗するんだからねぇ。だったら従わせるしかないじゃない。)





身の毛がよだつ。そんなことをずっと考えて私と遊んでいたの?

もう何も信じられない。





「貴女が誰かは知らないし、彼女との関係も知らないけど、、こんなボロボロの彼女を従わせるとか言ってる奴と彼女を2人きりにはさせられない。」





(せっかく手に入れたのに邪魔をするなよ!このガキが!)





明らかに言葉遣いが変わった。

やっぱりA子はこっちが本性なのか。

色々考えてハッとした。

見ず知らずの彼女が危ない。私を助けたが故に怪我とかしてしまったら…私は…





顔を上げると、A子が女子高生らしき人物目掛けて拳を突きつけようとしていた。

私は咄嗟に叫んだ。





「…っ!やめて!!」





(問答無用!邪魔をしたやつは殴らなきゃならない!)





そして刹那。

A子が殴りかかったが、女子高生らしき人物は動かなかった。

しかし、女子高生はA子の拳を受け流し、その勢いを利用するようにしてA子を投げた。





(いっ、、た、!何しやがったこのガキ!)




女子高生は私とA子の間に立ちはだかり、両腕を広げて私を守るような体制をとった。





「…早く立ち去れ。もう二度と彼女に近づくな。消えてくれ。」






女子高生とは思えない程の低音でそう言い放った彼女にA子は戦いて素早く逃げていった。



守ってくれた女子高生はしばらくして私の方を向いた。





「…大丈夫ですか?」





そう言ってしゃがみこんで私を気遣ってくれた。

その顔を見た時、一目見ただけで思った。

「綺麗な子だな」って。



私よりも背が高くて、、可愛いけど、その中にクールな一面もある。




「…!あ、うん、、大丈夫、その、ありがとう」






「…、良かった、、ほんとに、酷いことされたかもしれないけど、その、連れ込まれる前で…」





そう本気で心配してくれる彼女は、先程のA子を追い払った時とは別人のようにホッとしたような感じで…



「…でも、なんで助けてくれたの?貴方だってこんな事に巻き込まれたくないはずなのに…」





そう質問すると、彼女は私の目を真っ直ぐ見た。

綺麗な瞳に見つめられ、心臓がドキドキする。

見ず知らずの人にこんなふうに一目惚れなんて、、実は私は惚れっぽいのかな、なんて思っていた。

だけど…。





「そんなの、決まってる。貴女がずっと好きだったから。貴女がこんな事に巻き込まれているなんてほっとけるわけない。たまたまだったけど、ほんとに見つけることができて良かった。貴女を守れてほんとに良かった…由依さん。」





見ず知らずの女子高生は私の名前を呼んだ。

彼女が来てからはA子は私の名前を呼んではいなかった。

だから、彼女は私のことを知っている。


知っている誰か、、今女子高生くらい

その条件にあてはまるのは私が知っている中では彼女しかいない。


あの頃の面影が全くないわけじゃない。

彼女の顔を見た時に、何となく会ったことがある気がしていた。

でも、まさかこんな所にいるなんて思わなかったから分からなかった。





「…!まさか、、貴方は、理佐ちゃん、なの?」





そう言うと、彼女はニコッと笑った。






「そうだよ。あの時の約束絶対守りたくて。ずっと探してた。あの街にも戻って由依さんの居場所を聞いたんだけど、由依さん、東京に来てたって聞いて。私なら由依さんの住所教えてもいいって由依さんのご両親は言ってくれたけど、やっぱり自分で探したかった。」





「…理佐ちゃん、、」





「…その、すぐに見つけられなくてごめん!もっと早く見つけられたら、由依さんを…ま、守ってあげられたのに、、」





そう言う彼女の顔は真っ赤になっていた。

さっきまでいいなって思っていた奴のことなんてもうどこかに飛んでいった。


そんなことよりも、目の前の彼女の成長具合に私はずっとドキドキしている。

あの時の可愛い面影を残しつつも、カッコ可愛く成長した彼女はほんとに…





「…ねぇ、理佐ちゃん、今でも私のこと好きなの?」





「も、もちろん!ずっとずっと忘れることなく大好きだよ!」





真っ赤になってはいたけど、顔は真剣だった。





「…あのっ、由依さん、、こんなことがあった後だから、怖いかもしれないけど言わせてほしい。私、由依さんの事がずっと好き。昔も今も、あの時星空に誓った思い、今も変わらない。あの時の約束を果たしたいの…だから私と付き合ってください。」





そう言った彼女は真っ赤になりながらも、私の目をしっかりと捉え、覚悟が窺えた。

さっきのことで何も信じられなくなってしまった私だったけど、10年も前からの絆が今、ここで再会を果たしたことは事実であり、なにより唯一私がずっと信じ続けていたものだった。



そんな彼女からの告白。

もう私の答えは決まった。

きっと彼女なら私の悲しい記憶も塗り替えてくれる。そう信じてるから。





「…はい、よろしく、お願いします…。」





そういう私の頬も熱い。

きっと真っ赤になっているに違いない。





「…!ほんとに?!やった!嬉しい!」





「そ、そんなに嬉しいの??」





「だって、ずっと会いたかったし、、その、ずっと大好きだったから…」





「そ、そっか…」





真っ直ぐにそう答えてくれた理佐ちゃんを直視することが出来ず、目線を逸らす。





「ねぇ由依さん、私、大きくなったでしょ?あの頃よりもずっと。」





「そうだよね。今は私より背が高いね。」





「そ、それに、、合気道もやってるからそれなりに強くなったんだよ、、?だから、これからは私が由依さんを守るね!」






真っ赤になって声も少し震えているけど、さっきのような彼女はほんとに頼もしく見える。






「ふふっ、声少し震えてるよ?」






「…なっ!そんなこと、、ないよ?」






「でも、、ありがとう。私も理佐ちゃんと一緒に過ごす時間が楽しみだよ。」





もう夜も遅い。

彼女はカバンとともになにか練習着のようなものを持っているからきっと部活の帰りなのだろう。

疲れているだろうから帰らないとね。





「もう夜も遅いし、帰ろうか、」





「あっ!由依さん待って!連絡先交換しない?」






「そうだね、私も交換したい。」





お互い連絡先を交換した。

彼女のプロフィールが画面に表示される。

それを見てまた私は嬉しくなった。




「ありがとう!じゃあ…あっでも、もう夜遅いし、由依さんを送っていくよ。」





「…貴方も遅くなるわよ?それでも、送ってくれるの?」






「私は由依さんと少しでもたくさんお話したいから…!」





「もう、仕方がないねぇ、、」






新たな出会いを探して恋人を作ろうとして入れたアプリをこっそり消した。





もうそんなもの私には必要ないからね。








終わり。






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お久しぶりです。

3年くらい前に書いていた作品が見つかったので、上げときます。