最初から大学に行くつもりもなくて
だから興味のあった商業科の高校に進学した。
在学中に検定たくさん受けて、
地元の企業で、事務の仕事でもすればいいや。
あいら 18歳の春 社会人になりました。
就職したのは総合商社。
商社と言っても勿論大それた会社ではない。
田舎の昔から続く卸商社。
卸商社が集まる密集地の一社。
入社して半年ほどたった頃、社会人になって
初めての彼が出来ました。
小学一年生からの男友達の紹介で、
隣の市に住んでる、2つ年上の彼。
一也。
ほりが深くて、凄くタイプの顔。背は低い。
顔は悪くないから、背が高かったらモテるだろうな。
そしたら、あたしは見向きもされなかったかもしれない。もしかしたら。
社会人になりたてのあたしにとって、
年上の社会人の彼と付き合う事は、
高校時代にはなかった楽しさがたくさん。
車もあるし、学生と違ってお金もある。
デートの行き先、内容もまるで違う。
お互いまだ実家住みだったから
お互いの家族に嫌でも出会す。
一也のご両親もお姉さんも、あたしを
凄く可愛がってくれた。
あたしの両親も姉も、一也を気に入って
可愛がってくれた。
まさに順風満帆。
田舎だから結婚年齢もみんな早い。
高校のメンバーから、
あいらは一番最初に結婚しそうだよね!
なんて言われてた事もあって、
このまま一也と結婚しちゃうかもなぁ
なんて普通に本気で思ってた。
