創作です “大宮” です 。
大丈夫な方のみ、お進みください。
前回から期間がだいぶ開いてしまいましたので、またまたリハビリ作です。
何が言いたいのか良くわからないお話になってしまった。(通常運転)
続けているお話について、は……進む道は見えているのですが、ぐちゃぐちゃにぬかるんでて歩きにくい、みたいな感じでして………もう少し時間をかけますので…………気長にお待ちくだされば……………
最近また新たな底なし沼に『どっぷん』してしまいました。歌って踊るアイドルが好きすぎる。二次元三次元問わず。耳と目で萌えを吸収しまくっています。インプットに夢中になりすぎてアウトプットをサボりすぎてしまった。書いても1日数行で終わり。これは良くない。アタマがパンパンです。もっと書き書きして、意図的に出していかないと。
にのちゃん映画きたーーーっっっ
近年、映画館へ行くのはにのちゃん目的でしかない。ホントは他にも観に行きたいのになあ。
腐デス、妄想デスヨ。
ドウゾ、イッテラッシャイマセ。
~*・~*・~*・~*・~*・~*・~
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ああーお腹すいたけど動きすぎて気持ち悪いから果物くらいなら食べられるかなあー。
……とは、ふたりでひとしきり激しく運動しまくった直後に、ニノに呟かれた言葉だ。
冷蔵庫に買い置いてあった苺を洗ってヘタを取ってガラスの器に盛り、ベッドまで戻った。
小ぶりな一粒を摘まんで、ニノの口へと運ぶ。
くったりとうつ伏せに寝転んで、シーツに片頬を押し付けたままの姿勢で、あーんと開かれた口。その奥に苺を押し込んで、唇を摘まんで閉じさせる。隙間ができないように。
噛み潰した際に弾ける果汁をシーツに飛ばすのだけは、勘弁してもらいたかった。ただでさえ、手洗いで念入りにこすり落とさなければならないほどべたべたにしてしまった。しかも広範囲に渡って。これ以上は仕事を増やしてほしくない。そう、これを洗うのは俺なのだ。俺のベッドだから。
「んうー」
「ん」
「もういっこー」
「ん」
口の中のものを飲み込んだことを知らせる声が上った。開こうとする力の加わる唇から指を離してやると、即座に次の要望が。そこで俺は、先ほどよりも少し大きめの粒を器から選んで摘まみ上げ、自分の口へと運ぶ。
ニノはそんな俺の動作を不思議がったり、文句を言ったりもしない。目を細めて、じっと俺の口元を見つめている。唇に挟まれた苺が、まもなく間違いなく、自分の口に入ると信じて疑わない顔をして。
……なんて無垢で、かわいいんだろう。
分かってる、こんなのはただの幻想で思い違いで、この彼の、いかにも姑息な俺への慈しみと信頼に満ち溢れているかのような態度と姿によって、俺の次の行動が誘導されている、ということくらい。
それを踏まえてもなお、今の俺が彼に対して抱く印象はやっぱり『無垢でかわいらしい』。
惚れた弱み?
もうそれでいいか、なんて、半ば投げやりな気持ちで彼と目を合わせた。
きゅるん、と艶めく瞳が俺を待つ。
拒むことなんてできない。
自由なんて無い。いらないけど。
このまま捕まっていたい。永久に。
身体ごと寄って、彼の顔の側に肘を付きながら、そっと顔を近付ける。そして小さく開かれた口の中に、咥えていた苺を舌で押し込んだ。
ニノはそれを口に含むと、すぐに噛み潰したようだった。ほら言わんこっちゃない。唇の隙間を塞いでおいて正解。何度か咀嚼しているのを唇越しに確かめていると、噛み砕かれて形を無くしたそれが、不意にこちらに押し戻された!
ニノの唾液をまぶされた、潰れて崩れた苺の果肉。じゅわりとみずみずしくて、甘酸っぱくて粒感のある、でろんとした舌触り。それを介して、ニノの舌が俺の舌と絡み合う。熱くとろける柔らかさだったはずのそれは、冷えた果肉に熱を奪われたのか少し温くて、なんとも言えない複雑な食感へと変化していた。
果汁とニノと俺の、カクテル。強い苺の風味の中に、ちゃんとニノの味がある。こんなにも味覚が冴えているなんて、自分の肉体ながら、非常に神秘的だ。だってこんなに口の中がぐちゃぐちゃでも、ちゃんとニノが分かる。思えばニノは少し前、俺から溢れ出た体液を口に含んでいる。微妙な味になっていても不思議じゃないのに。
ニノは?俺の味、って分かる?
くちゅくちゅと絡まる舌の動きに紛れさせるように、細かく崩れた果肉をそれぞれのタイミングで嚥下する。過剰に分泌された二人分の唾液の混ざった果汁を残らず吸い尽くした後に唇が離れたら、ニノにそう聞こうと考えていた。
けど実際には、離れていった彼の唇が再び俺と合わさって「ふふふ」と熱くて甘い含み笑いを漏らしたので、まあわざわざ確かめなくてもいっか、と思い直す。
ニノが嬉しそうにしているなら、細かいことなんてどうでもいい。たぶん感じていることは、俺と似たり寄ったりだろうから。
自分の気持ちを言葉にした時、ニノはほとんどを肯定、もしくは同意してくれる。そうじゃない、と異論を唱えたくなることもあるだろうに、ニノは大抵、俺と同調することを望んでくれる。
根本的には、平和主義なのだ。相手によっては、あえてバチバチに食って掛かるように討論をする時もあるけれど。そのバトルの先に両者がwin-winとなる理想のプランがハッキリと見えている場合だ。
でも俺に対して、それはしない。俺らを繋いでいるものは損得じゃないし、勝負でもないから。
じゃあ、何?
言葉にしたら、どれも違う気がする。
恋とか愛とか、そんな誰もが思い描けてしまうような陳腐なものじゃない。
名前を付けたくない。
………ただこんな、ミダ ラな本能に流されまくっているだけだとしても。
「………え っち」
「………だね」
「どうしてくれるの」
「なにが」
「えっ」
「えっ?」
「そんな意地悪言うんだ?」
「言ってる?」
「言ってるよ」
俺の唇の端を、ニノの舌先が柔らかくなぞる。ほんの微かな刺激なのに、俺の下っ腹には強烈なボディブローを食らったみたいな衝撃が。いや、正確には、下半身全体。
「ほらあ。すぐこうなるくせに」
「………オマエと触れ合って、こうならないことってある?」
「ないね。ずっとおれにヨクジョウしてるねアナタ」
「うん。してる」
「そんなに、好きなの?」
「好きだよ」
「おれと、するのが」
「違う。……ニノが、好きなの。
いや?『好き』?
…ん?『愛してる』?……っていうかぁ……」
「……はあ?なに?なんなの?
えっ待って、疑問形なのナニ?!」
『好き』と『愛してる』を秒で否定するような発言を繰り返した俺に、ニノが腹を立てている。
かわいいね。
ニノのこと、好きなんだよ?ちゃんと。
たぶん、
……たぶん、なんて言ったらもっと怒られるだろうけど……
好きなんだけど……
好き。なだけじゃないんだって。
愛してる。けど、それだけでもないの。
ねぇ、どうしたら伝わる?
「なんか、逆らえないんだよね……
カラダも、心も」
「逆らおうって気があるんだ?ムカつく」
「そんな気ないし。いっつもどうしようもなくこうなっちゃってるんだし、分かるでしょ」
「それはアナタのカラダがやらしいだけじゃん」
「だとしても、ニノにだけじゃん」
「どうだか」
「信じられない?」
「信じ……………てる、けど」
「けど?」
「けど、」
ニノの歯切れが悪い。
なんとなく、察する。
男の本能がどこまでも制御できないことを、彼自身も同じ男なのだから、良く分かっているはずだ。それに『あえて逆らわなかった』おかげで、俺たちはこういうことになった。他所で同じような状況になったことはない。ニノの傍にいるようになってからは、一切。
ニノも、全く俺と同じなのだ。
信じる信じないは、単に心の有り様だけ。
事実は単純に、お互いだけを想いながらカラダを繋げてきた、ただそれだけのこと。
それでも………
どうしようもなく、不安に押し潰されそうになることは、ある。どうしても。
それなのに、欲しいものは
『好き』とか『愛してる』
って言葉なんかじゃないんだよ。
めんどくさいよね俺ら。
「……ね、ニノ。もっかい、しよ」
ニノの腰に腕を回しながら甘えると。
「えー!早くシーツ洗いたい、ってさっき言ってなかったっけ?」
うん。さっき、終わってから、あまりのべたべた加減に嫌気が差して言った。でもさ結局、こういう衝動って、そんな不快さすらもラクに抑え込めるくらいに強烈だったりするんだよ。
……え、だってニノも、ずっとその気だよね。キ スしてる間にかたくなっちゃったよね。
「綺麗なシーツじゃなきゃできない、ってことはないからいいの」
「そりゃあ、ね。どうせ汚すんだし?」
「どんだけ出す気なの」
「アナタ次第だよね。
どんだけ、おれをいかせられるか」
「ニノが俺をいかせてよ」
「………どっちでもいいよね?
ほらはやく、おいで」
おわり。