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ユアカラYukkiの小さな図書館♪

ユアカラのYukkiがブログに初挑戦!(^^♪

もう好き勝手やらせて頂きます(o´艸`)笑

はい!やって参りました!

気まぐれ短編小説第一弾!

ここがこのブログのタイトルに図書館と書いてあるが所以ですね(^^♪

今回は大学時代に初めて書いていた小説をupしました!

皆さんに楽しんで頂けたら幸いです(^-^)/

それでは、はじまりはじまり~☆彡

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俺はこの坂が嫌いだ。


毎日毎日、俺はこの長い坂を上って学校に登校している。


この坂はそれほど急ではなく、桜の樹が等間隔に植えられている。


坂から見える景色には、軒並み連なる一軒家やマンションが地平線上まで無数に見える。


坂の途中には小さな公園があるのだが、そこで子供が遊んでいるのは見たことがない。


なぜ俺はこの坂が嫌いなのか。


それはつまらないからだ。


景色もつまらない。


桜並木もつまらない。


公園もつまらない。


そして学校もつまらない。


何の魅力も感じないうえに、とても長いこの地味な坂。


好きになれという方に無理がある。


俺も心底つまらない人間だ。


毎日代わり映えのない日常を繰り返し、特に夢があるわけでもなく生きがいを感じることもない。


きっとこの先の人生もくそったれだろう。


そう、この坂はどこか自分と似ている。


「だるいな」


学校に行く途中だった俺は、この坂までくるといつもそう思う。


「・・・・サボるか」


俺はこの坂の途中にある小さな公園で昼寝をすることにした。


公園には先客がいた。


公園には大きな桜の樹がある。


その樹に寄り掛かりながら、なにかもの思いに耽っている制服姿の少女がいた。


歳は俺と同じ十七歳くらいであろう。


桜の樹の下にいる少女はどこか幻想的で不思議な雰囲気を持っていた。


俺は思わずその絵に見とれてしまった。


別に一目惚れをした訳ではない。


ただただ、魅とれてしまったのだ。


俺はしばらく公園の入り口で立ち尽くしていたが、はっとしてすぐ我に返り、少女の隣にあるベンチに座った。


俺は少女に話しかけてみた。


「なにをしているの?」


「・・・・・・・・・・・」


少女に完全無視をくらった俺は負けじと話しかけた。


「その制服、俺と同じ学校だよね?君もサボり?」


「・・・・・・・・・・・」


・・・・・・もうダメだ。


何を話し掛けても答えてくれることはない。


そう思った俺は早々に諦めてベンチに横になり、寝る体勢に入った。


俺は今日使うはずだった数学の教科書をスクールバックから取り出し、半ページ開いて顔の上に乗せた。


春風がとても心地よく、俺はすぐに強い眠気に誘われた。


そんな時、突然少女は口を開き、俺の耳元でこう呟いた。


「何をしているの?」


不意をつかれた俺は驚いて思わず顔の上に載せた数学の教科書を落としてしまった。


俺は落とした教科書を拾いながら質問に答えた。


「何って、昼寝してたんだよ。見てわからなかったのか?」


心地よい睡眠を邪魔された俺は少しムッとしながら答えた。


「ふーん」


ふーん、ってお前人を起こしておいてそれはないだろ!と、思いながらも「で、君は何をしていたの?」と尋ねた。


少女は俺の隣に座った。


「・・・・・・・・・・」


少女は俯いたまま答えない。


「聞いたらまずかったかな?」


「・・・・・・・・・・いいえ、ただ答えられないの」


「ん?どういうことだ?」


「わからないのよ。なぜ私がここにいるのか、ここで何をしているのか。変でしょ?」


少女は苦笑いを浮かべながらそういった。


「え?記憶がないのか?」


俺は少し焦りながら尋ねた。


「そうね。でも、自分の名前とこの桜の樹のことは覚えていたみたい。だから私はここにいるの」


少女はおもむろに立ち上がって桜の樹にそっと触れながらそう言った。


俺は記憶喪失の割にはとても冷静だなと思った。


「それじゃ、名前はなんて言うんだ?俺はタイヨウ」


俺は少し照れながら自分の名前を名乗った。


「私はサクラ。タイヨウって・・・・・・なんかかわいいね」


少女は満開のサクラのように、満面の笑みで笑った。


「笑うなよ」


名前でからかわれることは何度もあり、その度に嫌な思いをしてきたが、なぜか少女に笑われても嫌な感じはしなかった。


自己紹介が終わったところで、少女は何かに気がついた様子で俺にこう言った。


「あ、もう時間が来ちゃったみたい」


俺は少女の言っている意味がわからず、思わず聞きなおした。


「ん?時間?」


少女は満面の笑みを浮かべて言った。


「ふふっ。またねタイヨウ。また会えるといいね」





気がついたら俺は公園のベンチで眠っていた。


どれくらい眠っていたのだろうか。


あたりはもう暗くなり始めている。


公園を見回してみてもサクラと名乗る少女の姿はない。


「・・・・・・・夢だったのか?」


そう思いつつも、俺の記憶には妙にリアルな感覚が残っていた。


「まぁいいや。さっさと帰ろう。変な夢見ちまったな」


意識がハッキリせずにぼんやりとしながらも、俺は家に帰ることにした。


満開だった桜は、徐々に散り始めていた。





次の日、俺はまた学校をサボり、あの公園に向かった。


どうしてもあの少女のことが気になって仕方がなかったのだ。


あの公園にいればあの子に会えるかもしれない、そんな淡い期待を胸に俺は公園に向かった。


公園には誰もいなかった。


しばらくベンチに座って待ってみても、彼女は現れなかった。


「そりゃそうだよな。なにやってんだ俺は。夢の中に出てきた奴のことを気にするなんて」


俺はもう待つのを諦め、昼寝をすることにした。


ベンチに横になった俺は、またすぐに激しい睡魔に襲われた。





「おっす!」


俺の耳元で聞き覚えのある声が聞こえた。


あまりに大きな声だったため、俺は思わずのけぞってしまった。


「うわっ!なんだなんだっ!?」


「おはようタイヨウ。また会えたね」


サクラと名乗った少女は昨日と変わらない笑顔で俺を叩き起こした。


「・・・・・・・お前なぁ、もうちょっと他の起こし方ってのはないの?」


俺は手のひらを自分の顔にあてながらため息をついた。


「毎回この起こし方されたら身が持たないぜ」


「ふふっ。ごめんね。まさかそんな良いリアクションしてくれるとは思ってなかったから」


サクラはとても嬉しそうに笑った。


俺はそんな彼女を見てすっかり怒る気をなくした。


「いつからここにいたんだよ」


「ん?私ずっとここにいたよ?」


「え?」


俺はサクラが俺のことをからかっているのだと思った。


「はいはい。で、記憶の方はどう?なんか思い出した?」


「んー。ダメみたい。でも、なんとなく私がここにいる理由はわかったよ。」


「どんな理由?」


彼女の顔が突然真剣になった。


サクラの瞳はまっすぐに俺を見つめている。


「・・・・・・・あなたに会うため」


「え?」


「なぜかそう思えるの。直感ってやつかな」


サクラはニコッと笑った。


俺はサクラの言葉を聞いて、胸が熱くなっていくのを感じた。


多分俺の顔は真っ赤になっていただろう。


異性との交際経験がない俺は、こんなときなんて言葉を返せばいいのかわからなかった。


「ちょ、なんだよいきなり」


「ふふっ。顔が真っ赤になってる。ま、こんな可愛い子にそんなこと言われたら無理もないか」


サクラは楽しそうに笑った。


そう。


この時俺はこの笑顔を見るためにここに来たのだとハッキリとわかった。


そしてこれからもずっとこの笑顔を見続けたいと思った。


サクラは真剣な表情で、少し俯きながら語りだした。


「私ね・・・・・・怖いの。記憶が戻ったら、もうここにはいられないって、なぜかそう思うの。だからもう記憶なんていらない。ずっと・・・・・・このままでいい」


サクラは泣ながら記憶についての思いを語った。


「・・・・・・・そのままでいろよ。無理に思い出さなくたっていい。これから楽しい記憶を俺が作ってやる!だから、もう泣くな。その・・・・・・サクラは笑っているほうがいい」


不器用な俺にできる精一杯の言葉だった。


もっと上手く自分の気持ちを伝えることができたらなと後悔した。


「ありがとう。でももう・・・・」


サクラは泣きながら笑った。





サクラが何か言いかけたとき、俺はハッと目を覚ました。


気がついたら、俺は昨日と同じように公園のベンチに横になっていた。


どこを探してもやはりサクラの姿はなかった。


「やっぱり夢なのか?いや、夢じゃない!サクラ、そこにいるんだろう?返事をしてくれっ!」


サクラの声は聞こえなかった。


そのあと俺は何時間もサクラを呼び続けた。


桜の花は、もうほとんど散りかけていた。





次の日俺はずっと公園にいることにした。


朝から晩まで公園でサクラを待ち続けた。


しかし、サクラが現れることはなかった。


一体どうしたらサクラに会えるのか。


俺はずっとそのことだけを考えていた。


……サクラに会いたい。

今まで生きてきたなかで、こんなにも誰かに会いたいと思うことはなかった。


今の俺をつき動かすものは、このどうしようもない感情だけだった。


今まではどうやってサクラに会っていたか。


俺は今までのことを振り返った。


俺のなかでもうサクラに会うための方法は見つかっていた。


しかし、あまりに非現実的なことなので俺はこの方法を試していなかった。


それは、俺がここで寝ること。


そして俺の夢の中の世界でサクラが実体化するというもの。


そんな馬鹿な話がこの世界にあるはずがない。


そう思いつつも、もうこの方法にすがるしかなかった。


俺はこの公園で一夜を過ごすと決めた。





「よかった。もう会えないかと思った」


俺はいつのまにか寝てしまっていた。


「サクラ。よかった。また会えた」


俺の考えはやはり正しかった。


やはり俺の夢の中でしかサクラに会うことはできない。


しかし、それは一体どういうことなのか。


俺は頭の中はクエッションマークで満たされ、もうなにも考えられなくなった。


「サクラ、君は何者なんだ?なんで俺の夢の中でしか会えないんだ?教えてくれ!」


サクラは今にも泣きだしそうな顔を一瞬見せて、目に涙を浮かべながらニッコリと笑った。


「全部、全部思い出せた………あのね、今日はお別れを言いに来たの。大丈夫。納得してもらえるかはわからないけど、全部話すから」


「俺はサクラを信じるよ」


「ありがとう」


サクラはベンチに座り、静かにゆっくりと落ち着いた口調で語り出した。


「私ね、小さい頃から体が弱くて、ほとんど病院で過ごしていたの。友達だってずっとできなくて、親もいつも仕事。ずっと一人ぼっちだった。だから、普通に学校に行って、友達と一緒に勉強したり遊んだり恋をしたりする生活に凄い憧れていたの。中学3年生の時、1日だけでもいい、高校に行きたい!普通の学校生活を送りたい!って思って必死に勉強したわ。お母さんは、高校に入学したって、学校に通い続けるなんて無理だって私を止めたけど、お父さんは頑張りなさいって背中をおしてくれた。私はなんとかお母さんを説得して、高校に入学することができたの」


サクラはそっと目を閉じて、またゆっくりと語り出した。


「あなたに初めて会ったのは入学式の日だった。あなたはこの満開だった桜の樹に寄り掛かって、眠っていたわ。ふふっ。あの時からタイヨウって寝てばっかりだったのね」


彼女は笑った。


「そういえばそうだな」


俺も彼女につられて笑った。


「あなたを見て、胸が熱くなったの。これが一目惚れなんだってわかって、なんだかすごく嬉しかったし楽しかった」


彼女は照れながらそう言った。


俺もなんだか恥ずかしくなり、彼女の顔をまともに見れなくなってしまった。


「その時の私は、これからの高校生活を想像して凄いワクワクしてた。体調も安定していたし、これから学校に行けばあなたに会える。友達だっていっぱい作れる。そう思っただけで私の胸は希望であふれた。でも…………その日の夜、体調が急変したの。私は、その日以来、学校にいけないまま…………」


「……………」


俺はなんて声をかけていいのかわからず、黙ってしまった。


サクラはそんな俺を見て苦笑いを浮かべ、そのまま話を続けた。


「最後にあなたに会いたい、会ってこの思いを伝えたいって強く思った。私の最初で最後の初恋の人だったから。そして気がついたら、ここにいたの。 あなたの夢の世界に。きっとこの桜の樹が私にチャンスをくれたんだと思う。この桜の樹の花が完全に散ってしまったら、私は消えてしまう。それがタイムリ ミットなの。ごめんね。上手く説明できないけど、何となくそう思えるの」


「今なら俺も何となく、サクラの言ってることがわかる。もう時間がないことも………」


そう、いつもサクラに会えた時は、桜の樹がすぐ側にあったのだ。


サクラに会うための条件は、この公園で寝ること。


正確にはこの不思議な桜の樹のすぐ側で寝ることだった。


気がついたら、この桜の樹の花、あと一輪となっていた。


「あなたと話せて、この思いは強くなる一方だった。やっと、やっとあなたに伝えることができる。あのね………私ね………好きなの。タイヨウのことが好き」


サクラはベンチから立ち上がり、真っ赤な顔をして、握り締めた小さな拳を胸に当てて叫ぶように言った。


その瞬間サクラの体が光りに包まれた。そして、足元からゆっくりと消えはじめた。


「俺もだ!俺もサクラが好きだっ!だから、………だからいくなサクラ!幽霊だって、幻だってなんだっていい。ずっと俺のそばにいてくれ!」


俺は泣きながら叫んだ。


サクラも泣いていたが、同時に満面の笑みで笑っていた。


「うれしい……こんなあたたかい気持ち初めて。ありがとう。こんな素敵な気持ちをくれて。どうか、どうか忘れないでください。私はもうこの世にはいないけれど、あなたの中にいるから。あなたが道に迷ったとき、背中を押せるように………。」


サクラは目を閉じて、祈るように言った。


サクラの体はもうほとんど消えかかっていた。


「桜の樹も、ありがとう。私の願いを叶えてくれて。あなたのおかげで、タイヨウに私の思いを伝えることができた。本当にありがとう。タイヨウ!浮気したら許さないんだからねっ!それじゃ、またねタイヨウ!…大好き」





「…………サクラ!」


勢いよく目覚めた俺は、泣いていた。


辺りはまだ暗く、眠ってしまってからそれほど時間は経っていないようだ。


俺はサクラを探さなかった。


もうサクラはここにはいない。


そういう確信があった。


桜の樹の花はいつのまにか枯れていた。


「サクラ………」





次の日、俺は学校にいく途中、あの公園に行った。


やはり公園には誰もいるはずがなく、相変わらず桜の樹が一本たたずんでいるだけだった。


「そういえば、まだ俺から礼を言ってなかったな。ありがとうな」


 桜の樹は俺の言葉に答えるようにあたたかい風に吹かれて揺れた。


「やべ!遅刻だ!」


俺は急いで学校へ向かった。


学校に向かう俺の足取りはいつもより軽かった。


まるで誰かから背中を押されているように。


またいつも通りの日常生活が戻った。


サクラに出会ったからって、俺の生活が変わることはない。


相変わらず退屈でくそったれな毎日。


ただ一つだけ、サクラと出会って変わったことがあった。


…………俺はこの坂が好きだ。



fin.
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最後まで読んでくださった方々、ありがとうございました!(^-^)/

楽しんで頂けましたでしょうか?

誤字脱字があったらすみません(ToT)

この作品は処女作なのですが、久々に自分で読んで思う事がたくさんありました笑

ですが、特に直しも入れずに初々しいままupさせて頂きました!

なにか皆さんの心に問いかけるものがあれば、よっしゃ!って思います笑

また次回もお楽しみに~(^-^)/