アルコール依存症は否認の病と言われているそうだ。
たしかに自分も、飲んでる時はアルコール依存症じゃなくて単なる酒好きだと思ってた。
「酒なんかいつでも止める事は出来る」
と思っていたからだ。
思い返してみれば似た様な自分に都合のいい考え方を繰り返していた。
食欲旺盛すぎて短期間でメッチャ太った時には「本気出せばいつでも痩せられる」。
学生時代、まわりが模試の結果に一喜一憂していたのを見て「点数なんか本気出せばすぐ上がる」。
本気出せば・・・
本気出せば・・・
本気出せば・・・
本気出せれたら・・・
本気出たらいいな・・・
結果、その本気が出せなかった。
いつも後回し・先送りする理由は「本気になれば出来るんだから今やらなくても良いじゃん。」
そうやって自分に都合のいい言い訳をして問題を先送りしていた。
要するに、本気になってダメだった時に、その現実を受け入れるのが怖かっただけの単なるビビリだ。
その最たるものが「飲酒」であり、「アルコール性肝硬変」だった。
自分に言い訳を繰り返し、出す勇気すらない本気が出ると過信し、現実を知る事を恐れて調べもしなかった身体の異変。
「肝硬変です。若干の腹水と浮腫みも出てるのでチョッとマズい状態です。」
医者からそう告げられた時、もう逃げる事すらできない現実を突きつけられた。
だからこれを機会に向き合おう。
なっちまったものはしょうがない。時間が戻せるわけじゃない。
くよくよして落ち込んでる時間がもったない。
家庭も仕事も趣味も今できる事を精一杯の力でやってみようと思う。