サクのアニマルフリーク~元飼育係の動物園・水族館紀行~ -33ページ目

サクのアニマルフリーク~元飼育係の動物園・水族館紀行~

飼育係・アニマルトレーナーをしていたサクが、動物や自然についてをあれこれとお話するブログ。
全国250以上の動物関連施設を訪問したマニア目線からのレポートを中心に、施設の裏側、裏話などをご紹介します。
当ブログは全て、私が実際に体験した事や訪問した資料、写真を元に書いています。

【名古屋港水族館】のサンゴ水槽。

 

 

 

 

約300匹いるミスジリュウキュウスズメダイの中に、

1匹だけヨスジリュウキュウスズメダイがいるとの事。

 

 

これ考えた人凄いな~と思いながら水槽を覗いて見ると、

秒殺!

さすが私と自画自賛www

 

 

シッポの先が黒いのがヨスジリュウキュウスズメダイ。

 

 

 

 

 

相変わらずブログへのアクセス数が多いようなので、イルカ飼育の取り巻く現状についてお話したいと思います。


日本国内でイルカの飼育が始まったのは、三津シーパラダイスの前身である中之島水族館で1934年の事。
本格的な飼育施設は1957年の江ノ島マリンランドと言われており、国内初の飼育下繁殖もこの水族館で1959年と言われています。
人工授精による繁殖成功は、2003年の鴨川シーワールドです。



余談ですが、1967年に出来た江ノ島マリンランドの第2水族館はミンククジラを飼育する為に作られた施設で長さ45m、幅25m、水深6mの楕円形のプールだったそうです。

ミンククジラは、1938年に定置網に混獲した体長約7メートルの個体を中之島水族館で飼育したのが世界初で、約3ヶ月生存したそうです。その後、1954年5月と1955年11月、1982年6月にも飼育をした記録があります(なんと、アカボウクジラを1987年11月と1990年4月に保護搬入した記録やマッコウクジラを2005年12月に保護をした記録があります。マッコウクジラは輸送中に死亡した模様)


シャチの飼育については、このブログで何回か紹介しているので省きます。




さて、話題となっている日本動物園水族館協会(JAZA)は現在149施設が加盟しており、その内の水族館に分類されているのは60施設です。


では、その内のいくつの施設でイルカの仲間が飼育されていると思いますか?





私の調べによると31施設です。



加盟をしていない施設も含めると、なんと56施設もイルカを飼育している施設があります!
それにプラスして、4ヵ所で期間限定での海でのふれあいをしていて、
さらに、現在建設を計画をしている施設が5つ。

全て合わせて、65施設です!


飼育されているイルカの数は、おそらく200頭を超えます。




例えば、これらの施設が野生動物の保護やリハビリをしていて、繁殖の為のプールや繁殖に向けた取り組みがされているのなら良い話なのですが…
その逆で、そのほとんどがそのような取り組みをしていないから私は問題視をしています。




アメリカなどでは民間経営の野生動物保護を専門としている施設がありますし、散々叩かれているシーワールドグループだって野生動物のレスキューやリハビリにとても力を入れています。


確かに継続的な飼育をする為には新しい血を入れる事は必要となるでしょうが、そこにたどり着く以前の問題で、それだけたくさんの施設で飼育をしていながら繁殖に成功しているのはわずか12施設。
1934年から飼育が始まっているのにです。
現在60ヵ所で飼育をしていると言っても、歴史の中には今までに閉園した施設もたくさんありますので、それを考えると飼育した事のある施設数はそれよりもはるかに多くなりますしね。


アメリカでは現在は野生からの搬入は保護個体のみでその内の70%以上が施設で繁殖した個体なのに対して、日本での割合は10%以下。


世界に目を向けて見ると、イギリス国内では飼育は完全に終了し、世界70施設以上で鯨類の飼育をしない事が宣言されていると言われています。

国にすると、チリ、コスタリカ、ウルグアイ、ブラジル、ハンガリー、クロアチア、スロベニア、ポーランド、イギリス、ノルウェー、ニュージーランド、オーストラリア、インド、キプロスの14ヵ国で鯨類の飼育が禁止され、

スイス、オーストリア、フィンランドの3ヵ国で将来的な飼育終了、
21の国と地域で輸入と捕獲禁止などがされているのです。
(例えばカナダではベルーガの捕獲禁止、アルゼンチンではシャチの捕獲及びロシアからの輸入禁止がされています)


鯨類の飼育を増加させているのは日本と、水族館の建設ラッシュを迎えている中国、韓国、中東の国々だけです。
そのイルカ達の供給源は言うまでもなく、日本です。

というのも、世界的に見ても水族館に提供する為のイルカの大規模な追い込み猟を継続的に行っているのは日本の太地町だけ。



水族館の数が世界一で、
歴史的に鯨との関わりが深く、
イルカの飼育に関しての歴史もある日本なのに、
飼育に関しての考え方や設備が遅れているという事は、これらのデータから見てもなんとなくはわかると思います。


だからこそ、世界から批判を受けているとも思います。


ただ、突然「野生からの搬入はダメ!」なんて言われても無理なのは当たり前な事。

施設の改修や予算も含めて、繁殖に向けた取り組みはすぐには出来ないから。
だって、オスがいないところや繁殖用のプールすらない施設が一杯ありますもん。


だいぶ前から「何とか改善しなさいよ~」と勧告を受けていたのに、対岸の火事としてきちんとした方針を長期的にまとめていなかったのがとにかく悪い!
で、気がついた時には手遅れだから急にそんな方針を取らないといけなくなり、「それじゃ困る!」と各施設がなったわけで。

JAZAが悪いというよりも、
各施設が危機感を持たず、世界の動向にも目を向けずに運営をして来たのが悪い!
集客をイルカ頼りにして来たのが悪い!
と私は思いますけどね~。


新しくイルカの飼育を計画している施設なんて、どういう考えを持っているんでしょうね?
ここ数年、ブログの記事をしっかりと書けなくなってから
アクセス数がめっきり減っていたこのマニアなブログですが・・・
JAZAに関する事を書いてから久しぶりにアクセス数が
昔のようにヒットしております。
 

 
 
 
 
 
新聞やTVで取り上げられた内容という事もあり、
それだけ話題の出来事という事ですね!
 
人それぞれに考え方は違うけれど、
無関心ではなくて少しでも興味を持って話題に
なるという事はとても良い事だと思います。
情報が不十分で内容が一部間違っているような記事だったり、
編集等により一方の考え方が正しいように
意図的に見せているようなものもあるので、
気を付ける必要はありますが。
 
だって、どんな生き物でも血が大量に出ているように見えたら
誰でもいいようには見えないし(編集でわざと赤く見せていたり)
知識がなければ細かい内情は誰でもわかりません。
悪いように見せる為に編集した映像を見せられたら、
映像を見た人はそのように思い込んでしまします。
 
本当に公平な議論を求めるのなら、意図的に片寄ったものを極端に見せるのではなく、
良い点と悪い点両方を見せてあげる必要があると思います。
なんでも悪にしたてるのは、良くないと私は思いますけどね。
 
 
運営に問題点は一杯あっても
現場で働く飼育係のみなさんには生き物たちに
愛情を注いでいる事は確かのはずです。