○脳科学と恋愛というテーマは面白いが
公式HP:映画「パラレルワールド・ラブストーリー」公式サイト
Wiki:パラレルワールド・ラブストリー
原作:東野圭吾
監督:森義隆
脚本:一雫ライオン
音楽:安川午朗
主題歌「嫉妬されるべき人生」宇田川ヒカル
出演: 玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太など
配給:松竹
2019年制作
原作は東野圭吾さんの同名小説。
累計150万部。
発売から20年を経ての待望の映画化。
・あらすじ
主人公・崇史(玉森裕太)は通学時に見かける女性(吉岡里帆)に一目惚れし、最後の通学時に告白をする決意をするが、すれ違いのため告白することなく会えなくなる。その数年後、主人公の親友・智彦(染谷将太)が彼女を紹介するというので会いに行くと、そこにはあの女性・麻由子がいた。彼女への想いと親友との友情に思い悩み始めたところ、崇史は自分が麻由子と恋人同士になっている世界を体験し始める。二つの世界の記憶が入り混じり混同する崇史であるが、その中で徐々に記憶を取り戻していき真実に近づいていく。
・役者や演技【1点/3点】
主人公・崇史を演じる玉森裕太さんはKis-My-Ft2の一員。演技をされているところは初めて見たが、無難という印象。二つの世界の間で混乱していく様子や、麻由子への強引なアプローチなどの場面では、もう少し感情を上手く見せれたのではないかと感じた。簡単に言ってしまうと、上記のような場面で感情が揺れ動く様子を示すというよりは、ただ不安定な精神の人という印象しか受けなかった。それでも、基本的な場面では“無難”に演技をされていたと思う。
麻由子の吉岡里帆さんは近年人気の女優。人気女優として多くの作品に出ているだけあって、大人しい性格な麻由子を上手く演じていたと思う。しかし、それ以上の名演技という印象も受けなかった。
智彦の染谷将太さんも近年の人気俳優の一人。特に今回の様な少しオタク要素のある役を多くやっている印象で、今回もそのイメージにあっていたと思う。主人公とヒロインの関係が進展していく中で、それぞれに対する複雑な思いを抱いていく様を上手く演じていたと思う。
その他の役は特に印象に残る様な重要な役どころがないこともあり、無難な演技であった印象。舞台が研究施設ということもあり、特異な登場人物が少なく、同じような理系の登場人物ばかりであったこともその要因だろう。
・作品のテーマ【2点/3点】
東野圭吾さんの原作であるだけあり、作品の中にあるテーマは面白い。脳科学によって記憶を操作し、恋愛感情や恋愛関係までにも影響を与えるという視点は、この作品の大きな見どころの一つだろう。しかし、主人公とヒロインの恋愛は、智彦の存在を考えると綺麗なものではなく、恋愛作品として見るとイマイチな印象も受ける。
・演出や盛り上がり【1点/3点】
演出の見どころは二つの世界が頻繁に変わるという手法で、視聴者にパラレルワールドを体験させている。しかし、個人的には場面転換が唐突すぎて理解しづらかったし、回想シーンを表している少しボヤけた映像になるシーンとそれ以外のシーンの差も分かりづらかった。
終盤に真相へと迫っていく様子はそれなりに盛り上がる。二つの世界はパラレルワールドではなく、記憶の混乱により生じた時系列の齟齬であり、ほとんどの場面は現実であったという結末が明かされた時点で、盛り上がりは頂点に達する。しかし、高揚感を感じるまでは行かず、なるほどと納得する程度のものである。
・総評【2点/5点】
脳科学と恋愛というテーマや二つの世界を体験する主人公という設定は見どころがあったが、映像化に当たって越えるべきであった演出などの問題は克服できなかった印象。演技や音楽などの多くの部分も無難に感じた。