寒いこの粉雪のなか。
白い息を吐きながら悴む手を温めるキミを見つけた。
こんなに人が溢れかえる街の中で、俺の目にはキミ以外だれも映らなかった。
こんなに時間が経ってるのに、不思議だね。
クラスの誰よりも幼い顔立ちをしていたキミはやっぱり今も変わらずに幼いままで。
自然と俺の足はキミが立っているカフェの柱へ向かっていた。
雪が積もり始めたアスファルトは、キュキュと鳴いていて。
近くで見るキミは、ほっぺが真っ赤に染まって可愛く思った。
同じ男なのに。
キミに無限の可能性を感じるのは、俺があの時よりも大人になったからかな。
「ジュンス!」
「?…あ!ユチョン!」
俺の姿を確認したジュンスは目の色を輝かせた。
やっぱり、キミはあの頃と全然変わらないね。
まるでジュンスの感情に触れられるようにわかりやすい反応。
俺との再開を心から喜んでくれてるんだ、ってすごく伝わってくるよ。
こんな人が沢山いる中なのに、歓喜余って抱きしめてしまいそうになった。
…まぁ、恋人でもない俺がそんなこと出来るわけねぇけど。
「久しぶりだね、元気にしてた?」
「うんっ!ユチョンも元気にしてた?」
「ああ、俺は変わらず元気だよ。こんなところで誰かと待ち合わせ?」
「ううん。ちょっと雪の量が多くなってきたから、雪やどり?してるw」
「ジュンス、全然変わんないね」
本当に嬉しかった。
卒業してから連絡も取れなかった俺たちだけど。
ジュンスのこと、気になってたんだよ。
子供みたいなキミを見て微笑んだら、気のせいかもしれないけれど、頬の赤みが増したような気がして。
「ユチョンは変わったね。すごく…大人っぽくなってる」
「ん?ああ、一応22になったからなw」
なぁ。ジュンス。俺これでも女の子にすごいモテるんだよ。
高校の時、怖くてジュンスに告白出来なかったけど、もしかしたらキミが振り向いてくれるかもしれないと思ってた。
でも、何事もなくただの友達として俺たちは別々の進路を歩むために卒業してったよね。
すごく後悔してた。
ジュンスにこの想いを打ち明けられないまま会えなくなってしまったこと。
大学に入った俺はモテ気到来ですごく沢山の子に告白された。
ジュンスを重ねて何人もの女の子と寝たんだ。
だけど、誰もジュンスには敵わなくて。
虚しさでいっぱいになる夜を何度も過ごしてきた。
だからこのチャンスは惨めな俺に神様がくれた最後のチャンスだと思ってる。
「僕はいつまで経っても大人になれないよ、ユチョン」
「でも安心した。ジュンスがあの時のままでいてくれて」
「え?」
「なぁ、これから何か予定入ってる?」
「ううん。買い物してきたから、この後はなにもないけど」
「じゃあ、俺とデートしよう」
ジュンスの返事を聞く前に冷えた手を繋ぐと、人目も気にせずに歩き始めた。
最初はおどおどしてたけど、すぐに嬉しそうに後をついてきた。
ちら、と後ろを見たらマフラーに隠れた口元が微笑んできゅ、と上がった頬がピンク色だった。
いちご大福みたいだ。
可愛くて言葉を失いそうになったけど、会話を途絶えさせないように何度もセリフを探してた。
今すぐ抱きしめたい。
その赤いほっぺにキスしたい。
「愛してる」って今度こそ伝えたい。
もうジュンスのこと離さないから。