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きのう、真と一緒に光のページェント見に行った。
目的として見に行くのは生まれて初めてだった。
イルミネーション綺麗でね、うんよかった。
真の小さな気遣いがうれしかった。
ひとつひとつの言葉もうれしかった。
「寒くない?」「ごめんね」「楽しかった」「ありがとう」
真にねボタン指摘したら、普通にくれました。
ボタンとかあげるの嫌な人なのかと思ってたんだけど、
「ほしい?」って聞かれて。
うん、やっぱり真は心広いわ。改めて思った。
「よし、しょうり撮ってやっから」って笑って言ってくれるのも、
「綺麗だね~」って楽しんでくれるのも全部、よかった。
「また今度来ような」って約束してくれたのも。
「しょうり、手!」って差し出してくれた左手も。
「改札まで送るよ」って気遣いも。
まあこれは断って普通にひとりで帰ったけど(笑)
今思うと、友達の前で離さなかった手は良かったのかな?
離すとチャラ男って思われるからかな(笑)あ、それかも。
あ、そうそう。イルミネーションに夢中で前見てなくって、
真が腕引っ張ってくんなかったらしょうり多々轢かれてたな。
チャリはかなり危険度MAXだったね。あれはびっくりした。
夢中になると周り見えなくなるタイプっす。
あ、だから浮気とかも出来ないタイプ!とアピってみる(笑)
しょうりのケータイのカメラがあんまよくなくってさ、
しょうりが「撮って」って言ったやつも拒むことなく撮ってくれた。
んで、後から送ってくれたんだ。やさしいよね。
だって、嫌な顔ひとつしなくて「はいよ~」ってあれよかった。
メールがきました。
待っても待っても来ないから忘れようとしてた頃、きました。
正直、うれしかった。安心したというか・・なんかね。
なおちゃん、ありがとう。これからもよろしくね。
どんな形でもいいから、あなたとつながっていたいんです。
メールひとつでうれしくなるって、単純なんだな私。
真と初めて会った日に公園で書いたの。
私と真の始まりはここからだった。
同じ学校の友達…という響きが嬉しかった。
真は178センチの長身ボーイ。
色白で細くて、大きい瞳をしてた。
ちょっと赤みがかった暗い髪。
B型だけど、自己中要素は彼にはない。
優しくて、男らしさ見せてくれる。
私より器用で、人付き合いもうまくて、
私にないものたくさん持ってる。
この学校で初めてできた友達は皐だった。
でも、皐はあんまり学校に来なくなって…
私はいつもひとりだった。当たり前のように。
それからひとりでいることに疑問も抱かなくなり秋がきた。
9月19日、学校でボーリングに行った。
そこで奈々さんと出会った。
奈々さんは美人で優しくて面白くて…いい人だった。
奈々さんに誘われて、よっちとたくや先輩とカラオケに。
その時奈々さんから知らされたよっちからの好意。
正直、びっくりして何度も疑ったけど…
9月22日、朝まで電話して、午前6時、
16歳の私と、17歳のよっちは付き合った。
2つ年上のよっちは不器用で私そっくりだった。
よっちの記憶はもう何ひとつ残っていない。
ただそれだけ、出会いのそれだけは覚えてる。
でも何を喋ったのかそれさえも忘れてる…
だって遠い日のことだもん。
幼かった私の不器用にも始まった交際だった。
学校生活はそれでもそんなに変わらなかった。
ひとつあるとすれば、学校終わりからだ。
学校が終ると必ずよっちと一緒に出ていた。
いい時もあれば、いやな時だって正直あった過去の話。
だけど、それも長くは続かなかった。
私は自由でいたかったから。恋愛より自由を選んだ。
そしてまたひとりになった。
でも自由な分、ひとりが楽しくて仕方なかった。
孤独を楽しんでいた自分も好きだった。
恋愛に疲れた私を癒すのは自由な時間だった。
1月、10月に出会ったヒナやさとみと縁が切れた。
一気に何もかもが壊れた気がした。
それでも私は学校に通い続けた。負けたくなかった。
今度は、孤独と戦うようになっていった…
2月の終わり、さとみとの仲も戻っていった。
それでも季節の変わり目の3月、
予定していた通り、皐もさとみもこの学校を去っていった。
ヒナはあれからずっと不登校のまま、そして
奈々さんや宇野沢くんやたくや先輩が無事卒業し、
3月2日から始まった新たな「恋愛」抱いて
なんだか複雑な気持ちが交差しながら新学期が始まった。
私はひとりのまま、学校生活2年目を迎えていった。
何もない学校生活の中でも、勉強に励んでいった。
ひとりだからこそできること、自由を楽しもうと思った。
何にも気をとられることなく、ひとりきりでやっていこうと。
学校生活より疲れるのは恋愛だった。
想われる度壊れていく、私の心も身体もすべて…
何が不満なのかさえ分からなかったけれど
我慢の限界がきて別れを告げても断られ、
私は精神的、肉体的な苦痛から通院を繰り返し
ついには入院をした。退院してやっと認めてくれたのか
私はやっと恋愛の苦しみから解放されたんだ。
「恋愛」は私にとって幸せの意味も教えてくれなかった。
「恋愛」は私にとって不幸の始まりだと改めて分かった。
2番目の男がついた嘘は、人の情を掴む酷い嘘だった。
私の事情を知りながらあんな嘘をつくなんて許せなかった。
私は二度と「彼氏」なんか信じない。
二度と、「恋愛」なんて薄っぺらい感情信じない。
私にとって必要のないものだとよく分かったから。
「愛」なんてない。どこにも存在しないんだ…。
それから、その苦痛から半年が過ぎ、真と出会った。
学校で唯一、私が気楽に話せる人。
これからもっともっと仲良くなっていくはず。
真、これからもよろしくね。








