うおのめと在宅の巻(後編)
前回の続き。
在宅の患者さん、ヨネさん(仮名)にスピール膏の処方が出た。
色々あったが無事に準備完了。
ヨネさん(仮名)の家までついた。
が、そこで、先生の指示が間違ってることが判明。
先生を疑うヨネさん(仮名)。
俺
「違う、違うんよ、ヨネさん(仮名)。
だいたい合ってるけどちょっと違うだけだから!( ;゚Д゚)」
ヨネさん(仮名)
「そっか。ならいいわ。」
薬剤師はある意味、患者さんと先生(医師)の中間管理職。(´・ω・`)
でわ、つづき。
俺
「これを切り取ってね、うおのめを覆うんだよ。
で、上からばんそうこうで覆って、一週間放っとけばいいよ。
一週間たったらはがしてみて、うおのめが取りやすくなってるはずだから。」
ヨネさん(仮名)
「うんうん、わかったよ。やってみるわ。」
と、はさみを取り出すヨネさん(仮名)。
俺
「ヨネさん(仮名)危なくない?やろうか?(゚Д゚; )」
ヨネさん(仮名)
「大丈夫よ。自分で切れる!」
そんな言葉と裏腹に手がガクガク震えているヨネさん(仮名)。
俺
「あわわわわ・・・(゚Д゚; )」
ヨネさん(仮名)
「手がね・・・震えるんよ・・・」
俺
「無理しなくていいよ~!
だって、ヨネさん(仮名)、はさみが3本あるように見えるよ!?(゚Д゚; )
危ないってば!」
ヨネさん(仮名)
「大丈夫よ~」
ヨネさん(仮名)
「ほら切れた」
俺
「そ・・・そうだね。でも、すごいね、きれいに切れたね。」
ヨネさん(仮名)
「そうじゃろ~」
と、はさみを俺に向けるヨネさん(仮名)。
俺
「危ないってば~!!Σ(゚Д゚)」
そんなこんなで、スピール膏を切り取ることに成功したヨネさん(仮名)。
あとは貼りつけるだけだ。
俺
「ばんそうこう持ってる?」
ヨネさん(仮名)
「あるよ。たしかこの辺に・・・。」
ゴソゴソゴソ・・・。
ヨネさん(仮名)
「ほらあった。」
俺
「それを使って上から貼りつけるんよ」
ヨネさん(仮名)
「?」
俺
「あ・・・れ・・・?」
ヨネさん(仮名)
「これはどうやって使うんか?」
俺
「え━━━━━━( ゚Д゚)━━━━━━!!!!
ヨネさん(仮名)、そのばんそうこう自分のでしょ?」
ヨネさん(仮名)
「ははは~(笑)」
俺
「しょうがないなあ・・・」
こうして、無事に(?)ばんそうこうを貼り終わりました。
俺
「よし、これでわかった?」
ヨネさん(仮名)
「ばっちりよ。ありがとね。」
俺
「それを一週間貼ったままにしておくんよ。
はがれない限りは貼り替えたりしちゃダメだよ!?」
ヨネさん(仮名)
「わかってるよぉ」
それから一週間。
薬局に電話が・・・。
何か電話に出た事務の子が一生懸命話してる。
事務
「はい。・・・え?・・・はぁ・・・。ちょっと待ってください・・・。
おれんじさ~ん。」
俺
「え?俺?」
ヨネさん(仮名)
「もしもしぃ・・・。この前、うおのめの薬をもらったんですがぁ。
薬剤師さんに
『一週間張りっぱなしにしといて』
って言われて、毎日張り替えてたんだけど、
友達に
『一週間貼りっぱなしにしなきゃダメ』
って言われたんだけど・・・」
!? ( ´・ω・`)
俺
「ごめん、ヨネさん(仮名)、どういうこと?
何で毎日張り替えたの?」
ヨネさん(仮名)
「知らんかったんよ~」
俺
「待って、待ってよ、ヨネさん(仮名)。
さっき、俺に『一週間貼りっぱなしにしといて』って言われたって言ったよね?」
ヨネさん(仮名)
「ありゃ、本当だ」
ヨネさん(仮名)・・・(;´Д`)
ってなわけで、うおのめは柔らかくならず。
もう一回貼り直すことになったヨネさん(仮名)。
今度は・・・・・・一週間貼ってくれる・・・・・・はず。
うおのめと在宅の巻(前編)
スピール膏って薬があります。
うおのめの薬なんですが・・・。
すっごい単純な薬で、布にサリチル酸が塗ってあるだけ。
このサリチル酸の効果でうおのめを柔らかくして取るんです。
使い方は簡単。
スピール膏をうおのめサイズに切り取る。
↓
シール部を剥がし、スピール膏をうおのめに密着させる。
↓
固定するために、上からばんそうこうで覆う。
(ここで、ばんそうこうのガーゼ部分を剥がしておくと、よりきれいに貼れます)
↓
一週間そのまま固定
↓
はがすとうおのめが柔らかくなっているので取る。
↓
芯が残ればもう一回やり直し。
まあ、↑こんな感じです。
市販もされてるから知ってる人も多い薬かな?
今、自分が働いている店舗では在宅を行ってます。
在宅ってのは、何らかの理由で通院、来局が困難な患者さんの家に、
医師が診察に行き、薬剤師が薬を持って説明などをしに行くこと。
在宅の処方箋が出た。
患者さんは薬局の近くに住んでるヨネさん(仮名)。
「今日はスピール膏が出てるね。うおのめできたんかな」
処方箋を見ると、『スピール膏M 1箱』と記載。
おい、待ってよ、先生 (,,゚Д゚)∩
1箱って何だ、1はこって。( ゚Д゚)
注)これは枚数単位で使うくすりです・・・。
箱買いさせる気ですか?
大人買いはビックリマンだけで十分。
たぶん、これだとヨネさん(仮名)の一生分あります・・・・・。
※スピール膏MのMってのはまあ、『医療用のスピール膏ですよ』みたいな意味でついています。医療用の商品名。
※処方箋的に1箱がありえない理由。だいたい処方箋に記載される薬の単位ってのは法律で決まってます。スピール膏Mの場合は○○枚。まあ、1箱は6枚なんだけど・・・。もし、12枚入りとかあったらわけわかんないでしょ?
とりあえず、電話で先生に確認。
俺
「先生、忙しいところ申し訳ないです。スピール膏なんですが・・・。1箱ってのは6枚でよかったでしょうか?」
「先生、何だよ1箱って。意味わかんねえよ!(#゚Д゚)ゴルァ!!」
先生
「ん?6枚入りだっけ?ならそれでいいよ」
「すんません。ついうっかり。6枚で間違いないです・・・(_ _(--;(_ _(--; ペコペコ 」
俺
「ありがとうございます~」
「しょうがねえなあ、じゃあ、直しとくわ(´ー`)/」
こうやって確認を取ってから処方箋にその旨を記載します。
こういうのを疑義紹介って言います。
消してる部分は気にしないように!
あれ?あれ?変だな・・・。
胃が・・・胃がとっても痛い!(ノД`)シクシク
(´・ω・`)
まあ、いいや。
じゃあ、薬の準備も出来たし、ちょっくらヨネさん(仮名)の家に行ってきますわ。(・∀・)ノ
俺
「ヨネさん(仮名)、来たよ~。こんにちは。」
ヨネさん(仮名)
「こんにちは。足がね。足が痛いんよ」
俺
「うおのめみたいだねえ」
ヨネさん(仮名)
「そうみたいなんよ、見ておくれよ~!」
ちょちょちょ~、ちょっと待って!待ってヨネさん(仮名)!
足の裏を見せるのはいいんよ。
いきなり靴下脱ぐからちょっとびっくりしたけどね。
ただね・・・
お願いだから、俺の体に素足をすりつけるのはやめて。( ゚Д゚)
距離近いんだから・・・。
ヨネさん(仮名)
「これがうおのめらしいんよ~・・・」
俺
「こりゃあ痛そうだねえ。でも、大丈夫よ、薬を持ってきたから」
ヨネさん(仮名)
「うん、先生から『一週間貼ったら治る』って聞いてるよ。貼るだけで治るんじゃねえ」
貼るだけじゃ治りません。
ちゃんと一週間貼った後に、はがして、自分でうおのめの芯を取ってください。
先生・・・。 ( ´・ω・`)
俺
「ヨネさん(仮名)、それはね、だいたい合ってるけどちょっと違うんよ~」
ヨネさん(仮名)
「ん?じゃあ、先生は嘘をついたんか!?」
俺
「違う、違うんよ、ヨネさん(仮名)。
だいたい合ってるけどちょっと違うだけだから!( ;゚Д゚)」
ヨネさん(仮名)
「そっか。ならいいわ。」
こんな調子でヨネさん(仮名)のうおのめは無事に治るのか!?
長くなってきたんで、後編に続く。
調合ってなによ?
薬剤師ではない友人と話していると、
薬剤師の仕事を勘違いしていることがよくわかります。
「薬剤師って薬を調合したりするんでしょ?」
調合・・・。
Cho-go?(´△`)
って何さ?
【調合】
[名](スル)二種またはそれ以上のものを混ぜ合わせること。特に、薬などを決められた分量で配合すること。「スパイスを―する」 (大辞泉)
スパイスってと、カレーとか作るときみたいなあれか・・・。
ってか、そんなこと出来るか!
(#゚Д゚)
そんなもん、毎回作ってたらあれですよ!
待ち時間は1時間を越えるぞ?
そんなに待ちたいのか!?
というか、そんなに待たせたら俺らがやばい。
たまに・・・忙しいときとか・・・。
うちの薬局、多いときには1日300人以上来るんですが・・・。
ふと待合室の方を見ると・・・。
すごい殺気のこもった表情の患者さん。
ゴゴゴゴゴ・・・。
ヽ(ヽ´Д`)ヒイィィィ!!
まるでDIO様ですよ!
俺の肩には星のアザはないから!((;゚Д゚)
今度は別の人からの殺気・・・。
ひぃぃっ!今度は黄金色のオーラが見えるっ!Σ(´д` )
スーパーサイヤ人ばりのオーラ。
純粋な患者しかなれないスーパー患者になった孫悟空ですか。(;´Д`A ```
かめはめ波はやめて、お願い・・・。Σ(´Д`lll)
ただでさえこんななのに・・・、これ以上待たすなんて・・・。((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
考えて見て。
いちいち調合なんかしてたら待ち時間はすごいことになるでしょ?
色んなものを正確に測りとって、混ぜて、一回量ずつにわけて・・・。
待てますか?
処方箋持って行って、
「今から調合しますんで、1時間ほどお待ち下さいね~(語尾上がり気味に)」
なんて言われたら、切れますよ。
うん、長州さんも切れます。
「切れてないですよぉ」
いや、それは小力・・・ ((-ω-。)(。-ω-))
インタビュアー「キレました?きょう?」
長州「キレちゃぁいないよ」
↑これが本家。
「俺をキレさせたらぁ、たいしたもんだ」とか言ってないし。((-ω-。)(。-ω-))チガウ
・・・・・。
ってなわけで(どういうわけで?)。
薬ってのはほとんどが既製品を使ってます。
子供のは体重や年齢に合わせて考えられた量を測ってるけどね。
まあ、とりあえずメインの仕事ではないっす。
じゃあ、何してるの?何で時間がかかるの?
って話はまた、別の機会に・・・。
はじめまして。
はじめまして。
おれんじと申します。
地方の大学・大学院を出て、調剤薬局で働きはじめて3年が過ぎました。
(2006.6現在)
まだまだひよっこ薬剤師です。
元々薬剤師希望だったのに、大学では何故か基礎研究に没頭。
(臨床現場の研究をする研究室もいっぱいあったのに・・・。)
しかも、薬学なのに何故か機械工作とかして、分析機器を作ってました。
おかげで、論文を書いただけでなく特許までゲット。
就職を決めたときも周りから疑問の声が上がるほど、薬剤師っぽくないことをしていました。
でも、薬剤師ってのは自分の夢でした。
それも、病院ではなく、薬局の薬剤師。
自分としては大学でしてきたことは、薬局で活かせていると思ってます。
目指せ!調剤薬局の革命児!
変わり者の薬剤師ですが、日々の出来事や感じることを綴って行こうと思ってますので、気が向いたら読んでみてやってください。
薬剤師の人だけなく、全然、関係ない人に読んでもらって、
「へ~、こういうことやってるんだ」
と思ってもらえたらうれしいです。
薬剤師のみなさん、
「ちがう!こいつは特殊だ!( ; ゚Д゚)」
とか思っても許してね。


