生徒たちに考えさせる授業 | 大崎市郵便番号989-2400『新・日曜塾おらほの寺子屋』ブログはこちらです!

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カラフル学舎は、震災直後のボランティア塾としてスタートしたおらほの寺子屋が前身です。その後独立し、現在は大崎市を拠点に4ヶ所で授業を行っています。ブログのタイトルは、初心を忘れないため当初のままにしております。

「生徒たちに考えさせる授業」ってなんとなく耳にしますが、何をもって考えさせている、とするのでしょうね?


先日、授業の中で、小学生の生徒たちに分数の話をしました。
円を二等分した図を見せて、
「これはなんですか?」
と聞いたところ、すでにみんな学校っで分数を学習していたため、
「にぶんのいち!」
と答えます。
でも、私は円を二等分にした絵を見せただけで、分数の問題をするとは生徒に伝えていません。
つまり、円を二等分にした図は「にぶんのいち」だと、なんの疑いもなくほぼ反射的に言ってしまっていることになります。
例えば、ケーキを半分こにした絵、という答えでも問題ないわけですが、生徒の立場になって考えると、この答えではハズレだと思っているわけです。
けれども、ケーキを半分にした結果が「にぶんのいち」になるという一連の流れでイメージしているわけではなく、結果だけみて「にぶんのいち」と言っているんですよね。


そこで、少し意地悪な質問をしてみました。
「今、みんなが使っている机があるでしょ?これを『にぶんのいち』にしたら、それは机って呼べるかな?」
「えっ!?」
という反応。
「にぶんのいちなんて簡単だし」と言っていた生徒たちも一瞬動きが止まりました。
そして、少し間があって、
「呼べないんじゃないかな?」
という声。
そして、それに賛同する声が増えていきました。
例えば、ケーキであれば、半分こにしてもそれはケーキのままです。
でも、机はもう机ではなくなってしまうのです。
生徒たちは、自分なりに考えてそう結論付けました。


続けて、
「にぶんのいち、って書ける?」
と質問してみました。
すると、
「2分の1」
と書く生徒や、
「1/2(入力の都合上/が入っていますが横棒です)」
と書く生徒に分かれました。
そして、それぞれがそれぞれの答えを見て、
「あれ、違うんじゃないの?」
と言い合っていました。
答えはどちらでも正解です。
しかし、教える側がこうした部分を強く意識することは重要です。
こうしたところに、一方的な指導なのか、そうじゃない指導なのかの分かれ道があるのではないかと今は考えています。

面白かったので、生徒にもう一度質問してみました。
「同じ質問になるけどいい?にぶんのいちって書ける?」
すると、
「先生!それって、どっちのにぶんのいちですか?」
という質問が全員から飛んできました。
生徒に考えさせる、という授業のヒントはこうしたところにあるのではないか、と考えています。
そして、こうしたやり取りから、私も学ばせていただいてるんですよね。