私の人生に影響を与えたと言っても過言ではない映画「愛を乞うひと」。
この映画を初めて観たのは1998年。私は臨月まっただ中。お腹には第一子となる長女がいて、切迫流産を乗り越えて、ひやひやしながら毎日を過ごしておりました。
テレビで予告編を観てからというもの、いてもたってもいられなくなり、主人に送迎してもらって見てきました。
一人残された映画館でさめざめと泣いたのを何十年経った今でも覚えています。今じゃ涙すら出ませんからいい思い出です。
タイトルの「愛を乞うひと」というのは、最初は虐待されても虐待されても、母に優しくしてほしいと愛をねだる娘のことを指してるのだと思っていましたが、観終わる頃には、本当に愛を乞うていた人は、虐待をしていた母親の方だったと、わかっていきます。
映画の終盤では、我が子に支えられながら帰路につく主人公と、眉間に皺を寄せながら生きている老母との対照的な映像で締めくくられていきます。
生きるということは、なんと切ないことか。主人公の娘が明るく優しい娘であることが、この映画の救いになっています。
愛を知らない母と娘の物語「愛を乞うひと」。対照的な生きざまが生々しく描かれています。よろしかったら観てください。