彩才女組Vol.3『橙色のあかり、碧いひかり』で、最年少の１９歳ながら、弥里“組長”のお姉さん役を好演した木下かれんちゃん。

そして、観るほどに味の出る脚本・演出を手がけた高梨由さん。

２人の応援。

さらには、彩才女組Vol.4 『港崎遊郭』（2012年2月予定）に向けての観劇準備（笑）ということで…。

Teamブルックリン旗揚げ公演『ザ・チェーン』

を観に行ってきたのでした。

終幕後とは言え、あんまりネタバレさせてしまうというのは無粋ですからね。

（またいつか再演があるかもしれないし）

ストーリーラインのさわりと、出演者のみなさんの印象深かった部分を、サラッとだけ書いてみたいと思います。

ストーリーは４幕のエピソードから成っていました。

物語が展開する場所と主要な登場人物をかいつまんで書き連ねると、

１　田舎の高校　

　（お人よしすぎる先生、田舎の不良女子高生たち）

２　時は流れて～／都会の公園　

　（ホスト、謎の女、ホームレスのじいさんとその仲間たち、都会の不良女子高生）

３　東京／走る女たち

　（かつての田舎の不良女子高生、都会の不良女子高生）

４　東京／捨てられた者たちのゴスペル

（どこでどういう展開になるかは…もしかしたらいつの日にかやるかもしれない…再演をお楽しみに）

と、まあ、一見、何も関係のなさそうな４つのエピソードですがね。

昭和チックな展開があったり、平成の今ならではの話があったり。

すべてが鎖のようにつながりからみあって、心温まるストーリーを織り成してゆくのでありました。

登場人物ひとりひとりに見せ場があり、人生がある。

所謂、意味のない“脇役”なんてものがいなくて、誰もが何かしらの形で“主役”的な輝きを放つことができる。

と、まあ、

彩才女組Vol.3『橙色のあかり、碧いひかり』

にも通じるところのあるつくりこみだったんですね。

「初めに役者ありき・役者の応援者ありき」的

であると同時に、

「人間はひとりひとりがみんな特別であり大切な存在」

といったメッセージがこめられたハートウォーミングなお芝居でした。

　　　　（クリックすると拡大します）

ここからは役者のみなさんの紹介です。

（名前と役柄などの混同がありましたらご指摘を。一度しか観れなかったもので…もしあったらすみません）

高校教師の“もっさん”／ホームレスの万次郎じいさん役を演じた黒瀬さん。

（『橙色のあかり、碧いひかり』では演出の補佐を担当）

さすがにそつがないというか、やはり続けてきた人ならではの味を感じさせてくれました。

実際の年齢以上の役柄を演じてても、無理してる感がなくて、安心して観ていられるんですよね。

ボロボロのバッチイ格好をして、ウ●コにからむウンチク（駄洒落じゃないですぜ）を語りだして笑わせるくだりも…

こ、この話はやめときましょうか。

もしかしたら、遅いランチとか早めのおやつとかで、何か食べてる人もいるかもしれないし…。

カレーとかバナナ食べてる方、ごめんなさ……

ﾟ･ﾟ*･(ﾟOﾟ(☆○=(｀◇´*)o

田舎の不良女子高生グループの４人組。

おバカで困った連中なんですが、泣かせてくれました。

カネコ役の昌美さんはお上手な方で、お人よしでちょっとズッコケな初代総長を熱演。

大事な大事な魂のタオルを使われそうになった時のキレっぷり（笑）が可愛らしく、大人の女として再登場した時のギャップもまたよかったです。

あの思い出のジャージ、最後には…（涙）。

要子役の大山さんには、１２年後の姿、そう、あんなになっても、想いを届けようとして走ろうとする姿にやられました。

思い続けるって、ああいうことなんでしょうね。

さゆり役の遠藤さんは、妙に色っぽさのある女子高生だな…と思っていたら…。

その後のさゆりを見て、なるほど伏線だったのかと、ひとり納得してしまいました。

ノブ役の臼田さんはどう見ても不良っぽくないんですよ。

でも、「パララララララララ（暴走音）」の仲間にして、時代錯誤的な昭和死語の使い手。

りんごほっぺのヘンな子キャラとして味を出していました。

幸役の宮持さんは、実は初舞台だったそうですが、それを感じさせることなく、ぶちゃいく系の不思議ちゃんを好演。

帰り際、いただいた手作り名刺には、別人のような可愛らしい姿の写真がありましてね。

ついつい、「じと～～～～」と見入ってしまいましたよ（笑）。

（観た人ならわかる「じと～～～～～」）

リーマン役の大咲さんは、もはや手の付けられないところまで墜ちかけた、元サラリーマンのヘタレ男。

そんな状態になっても顔出し「×（ミッフィーと読みましょう）」を主張するあたりが（笑）…。

ここだけの話、何となく雰囲気の似た、“作家”を知っているんですが…。

あの手のヤツがいつの日にか己の才能のなさ……い、いやいや……こ、公園生活になったら、きっと、あんな……な、何でもないです（笑）…。

さやか役の木村さんは、後半に登場。

なかなかに色々なことを考えさせてくれる役柄で、安定感のある演技で“パスをつないでゆく”役かなと思いきや…。

いやいや、起承転結の「転」と「結」の部分で、しっかりと見所をつくってくれました。

トラ役の五木田さんは味のあるワケありのおやじさん役で、最後にかけての展開、切なかったな。

ラストに向けて大きな展開が出てくるのが、一体、どっちのワケあり男なのか、おかげでギリギリまでわからなくなりました。

（見た人しかわからない言い方ですみません）

凛々役の大野さんは衣装の感じからして、もしかしたらマリーナと同じような経歴かな…と思いましたが。

アクセントを聞いているうちに、これはもしや！？となり、実はそういう経歴かと…。

（これも見た人しかわからない言い方で…や、やなら読むなぁっ！！　笑）

お見送りしていただいた時、普通にシャキシャキと話しかけてくれるのを聞いて

「おおっ、日本語通じる！！」と…（笑）。

知ってるイラストレーターの子と雰囲気が似てたので、日本語が通じてうれしかったです（笑）。

あ、それから、初舞台、おめでとう！

マリーナ役の鈴木さんと豆蔵役の小林さん。

前説で登場した時は２人の関係がまったく読めませんでした。

お芝居が始まってからもしばらくは謎の関係のままでした。

小林さんは安定感のある演技で、安心して見せていただくことができました。

「ハイーーーー」のアクセントを、あのカリスマ子供キャラ（笑）とは微妙に変えておられたのですね。

鈴木さんは初舞台だったそうです。

ですが、それを感じさせない舞台度胸をお持ちのようで…。

昭和テイストあふれる最初の登場シーン、強烈だったな（笑）。

瞬矢役のヤマタニ君は、アフロディーテの生放送の時よりもイキイキとしていた印象で、心優しきチャラ男系ホストを熱演。

華がある立ち居振舞いで、今後に期待が持てそうです。

後ろのほうだったけど、あのもらい泣きの表情、見逃さなかったぞ！

そして最後に瑠衣役のかれんちゃん。

だめじゃないか、夜の公園なんか、ウロウロしてちゃ。

キミはスターになるんだから。

悪い仲間たちなんかに染まっちゃ…（笑）。

ＪＫっぽさの表現、髪型や服装、ぶらぶらしているダッフィーとシェリーメイなどもよかった。

でも、個人的に頑張ってるなと思ったのは、セリフがないシーンで、素足にスカート姿で座った時の脚の投げ出し方とか、若さゆえの何気ない無防備さなどの表現。

かれんちゃんの工夫を感じました。

これからも先輩たちから色々なものを吸収して、個性的な女優として羽ばたいていってください。

来年のどこかの舞台（笑）での再会、楽しみにしております。

高梨さん、スタッフのみなさん、お疲れさまでした。

高梨さん、来年２月の『港崎遊郭』、楽しみにしております。

2011/11/16 舞台『ザ・チェーン』追想…

2011/11/16　舞台『ザ・チェーン』追想…